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『エレガントな宇宙―超ひも理論がすべてを解明する』:2020年は記念すべき日緬宇宙開発協力元年

タイトルとブックカバーの威力が凄まじいですね。帯のコピーがもう。。。

ついに宇宙のすべてを説明する理論を手に入れた!

ジュンク堂で平積みされていたような記憶がおぼろげにあるから、同じような経験をした人も多かったのではないでしょうか。出版年を見返すと2001年、高一の頃ですね。 

もう、天地がひっくり返るほどのど衝撃。最小の物質は「ひも」で、この世界は「11次元」でできていて、ひもが振動しながら11次元世界で奏でる音色が僕たちの存在なんだ! ウォー、エレガント、オーマイガッ! 全くちんぷんかんぷんのくせに、背伸びして神妙な面持ちでハードカバー本を必死に握り締めながら呻いていたように思います。

小学生の頃、教室後ろのロッカーの上に、趣味で雑誌「ニュートン」を置いてくれた先生がいました。開けばSFに登場するような宇宙船やブラックホールの想像図、タイムトラベルといった空想を掻き立てる言葉がいつも踊っていました。中学生になり、順当に講談社のブルーバックスシリーズへ進んだ後は、無限の宇宙の魔力に飲み込まれ、一時期の夢は天文学や宇宙物理の研究者になることだったのです。(遠い目。。。)

ところでミャンマーには宇宙に興味がある人が極端に少ない印象があります。会社には50名近いミャンマー人社員がいますが、その中の「宇宙好き」はわずか1人。さらに彼は外交官の息子として生まれ、幼少期はタイのバンコクのインターナショナル・スクール育ち。実の兄とも英語で会話するような育ちなので、例外と言えるのでしょう。

一方で、2020年はミャンマーと日本にとって、「宇宙開発年」とでも呼べるような記念すべき年になりました。北海道大学と東北大学が、ミャンマーの航空宇宙工科大学と提携して開発した超小型衛星の1機目が10月に完成したのです! そうそう、ミャンマーの宇宙開発を盛り上げるべく、私も微力ながらお手伝いしたいと動いているところです。

話は変わりますが、不思議なことに、学生時代には「悩み」の種だった宇宙が、社会人になると「癒し」に反転しました。格闘する現実ではなく、現実から逃避する手段に成り下がった残念な結果なのですが、ブライアン・グリーンの著作は、その後出版された『宇宙を織りなすもの』や『隠れていた宇宙』とともに、今もミャンマーではしょっちゅうやってくる何かしら行き詰まったときの癒しとして大活躍してくれています。


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