クーデターが生んだ日本とミャンマーの小さな亀裂を埋める小さな努力を。
(カバー写真:2月7日(月)の大規模デモの日の近所の夕暮れ時、団結の象徴である黒い服を来た若者が帰宅する様子。)
2月1日(月)に、ミャンマーで軍部によるクーデターが発生してから9日が経ちました。(以前書いた記事はこちら。)
その間、ミャンマー国内だけではなく、世界中の都市でクーデターに対する抗議集会が広がりを見せています。一方、日本国内では「ミャンマーの問題を日本に持ち込まないで」、「日本もコロナで苦しいのに」という声も聞こえてきます。
高田馬場でミャンマー語を学び(ほぼ話せませんが、、)、ミャンマーに6年間暮らし、多くのミャンマー人の友人知人がいる私には、両方の気持ちが痛いほど分かります。
自分の人生にこれまで全く関わりを持たなかった遠い国での政変を理解し、その国の人々の思いに寄り添うことなど、至難の技だと思うのです。私は20代半ばで70か国を訪れる幸運に恵まれましたが、それでも訪れたことがない国々で、毎年のように起こる悲劇的な事件を自分ごとのように捉えることは本当に難しいと実感しています。
ましてコロナ禍で、日本人であっても経済的に苦しい状況にいる方々も多く、他国の騒動に関わっている暇はない、むしろコロナが広がるじゃないか、と攻撃的になってしまうことはある意味当然かもしれません。
意見が異なるのは、大抵は情報の量や質が異なることが原因です。田母神氏のように、一人の防衛駐在官というミャンマー軍と近い環境にいた一人の日本人の意見を持って結論を出すのか、数十人の異なる立場にいるミャンマー人との日々のコミュニケーションを持って現状を認識しようと努めるのか、その違いは下記のTwitterの投稿を見てもらえるとよく分かるのではないかと思います。
百聞は一見に如かず。ネット上の情報であっても、「なるほど、そうだったのか」「そういう思いでいるのね」と思ってもらえることはできるかもしれません。
まずはこの記事から。
次にミャンマー人の友人のFacebookでの投稿。
最後は「14年間日本に住んでも、ミャンマー人の自分には日本人について分からないことがが多い」のだから「日本に住む日本人にミャンマーが置かれている状況を理解してもらうことは難しい。それでも、その差を埋めるために、日本語で発信することが自分にできること」と、情報発信を続けているミャンマーの知人のFacebookの投稿です。(多少読みづらい日本語になっていますが、ぜひお読み頂きたい。)
日本にいるミャンマー人の中には、日本人の立場に立って、コロナ禍に抗議集会を行うことを申し訳ない、日本で活動することは申し訳ないけど理解して欲しいと考えている人たちが大勢います。
我々日本人もまた、ミャンマーの人々の置かれた立場を少しだけでも理解し、想像しようと努めることができると、また少し違った意見を持てるのではないかと思っています。
(追記①:2月10日)この写真を見ていると、日本人としてではなく、一人の人間として胸が苦しくなります。
(追記②:2月11日)大手メディア(NHK)でもこのような記事が出るようになり、日本人として嬉しく思います。
(付録:2021年3月8日)
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