ルソーライフ

スローライフ、ならぬ「ルソーライフ」。 普段はフルタイムで仕事をしている身ですが、のん…

ルソーライフ

スローライフ、ならぬ「ルソーライフ」。 普段はフルタイムで仕事をしている身ですが、のんびり、楽しく更新していきます。

マガジン

  • 中央公論社『世界の名著』購読

    全81巻の『世界の名著』シリーズを、2023年4月から2029年12月まで、のべ81ヶ月かけて読んでいく記事を集めたマガジンです。

  • ルソー『新エロイーズ』を読む

    これまでに公開したルソー『新エロイーズ』を読むシリーズのまとめです。

  • ルソー『社会契約論』を読む

    過去に執筆した記事のうち、『社会契約論』の紹介をした記事がまとめてあります。

  • シリーズ「1分で分かる」ルソー

    「1分で分かる」と銘打ったいくつかの記事がまとまっています。

  • ルソー『エミール』の魅力紹介

記事一覧

固定された記事

ジャン=ジャック・ルソーという生き方

このnoteの趣旨 ジャン=ジャック・ルソー。このnoteに辿り着いたあなたは、きっとルソーという人物のことを、名前だけでも聞いたことがあるのではないでしょうか。または…

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『世界の名著』購読~01「バラモン教典・原始仏典」(2023年4月)

 大人買いした『世界の名著』シリーズを購読しようと思い立ち、月に一冊を目標に更新していこうと思っています。81巻ありますが、順番に1巻から読んでいこうと思います。 …

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中央公論社『世界の名著』シリーズ購読~はじめに

 私ごとですが、少し前に『世界の名著』を購入しました(俗に言う大人買いってやつです)。このシリーズは、周知の通り正続あわせて81巻あり、本棚に収められた風貌はま…

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ルソー名言集 ~『学問芸術論』編~

 今まではルソーの著作の読解を中心に記事を更新してきました。ありがたいことに、長文かつ抽象的な内容の記事が多いにもかかわらず、たくさんの方に読んでいただいており…

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ルソー『新エロイーズ』を読む(1)

 皆様、こんにちは。ルソーの著作を読み解く記事がだんだん積み重なってきました。『学問芸術論』にはじまり、『人間不平等起源論』を経て、ついにルソーの主著として名高…

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1分で分かる『社会契約論』

過去17回にわたって本ノートでご紹介してきた『社会契約論』の「1分」シリーズです。 言わずと知れたルソー主著。ぜひ本当は過去の連載記事すべてに目を通していただき…

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波乱の人生を歩んだルソー

 お久しぶりです。随分記事の更新が滞っていました。改めて、腰を据えて勉強せねばならない、と自分を奮い立たせるためにも、記事を書くというノルマを自分自身に課すつも…

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『社会契約論』原典精読02

 原典精読の試みを始めましたが、今回から本格的に内容に迫っていくことになりますので、実質的には今回が初回と言ってもよいでしょう。最後までぜひお付き合いください。…

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『社会契約論』原典精読01

 皆さまこんにちは。  哲学者ルソーのことを詳しく知ってもらおうと始めた過去の記事がある程度のボリュームに達し、軌道に乗り出したように思えるようになってきました…

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『エミール』の魔力

 久しぶりの更新です。すっかりさぼっていた・・・のではなくて、ルソーについて記事にするために、勉強をかさねていました(言い訳です)。  さて、前回までに書いた記…

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安倍元総理を悼む

 今日、2022年7月8日、決してあってはならないことが起こりました。安倍元総理が奈良で銃撃され、お亡くなりになったというニュースが世間を震撼させています。  もちろ…

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皆さま、今日6月28日は何の日かご存じですか?・・・そうです。今日はルソーの誕生日!盛大にお祝いしましょう(拍手喝采)!
Félicitations!!

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ルソー『エミール』を読むために

 皆さま、こんにちは。前回までの「ルソー『社会契約論』を読む」は、とても抽象的な議論であり、かつルソーの「主著」と言われている書物なだけあって、号外も含めると全…

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ルソー『社会契約論』を読む(最終回)

 これまで、本編を14回、号外を2回と、計16回もの間にわたって『社会契約論』を読んできました。いよいよ今回が最終回です。さっそく内容を読みましょう。 本題に入る前…

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ルソー『社会契約論』を読む(14)

 さて、今回からは第四篇。『社会契約論』もいよいよラストスパートです。さっそく読んでいきましょう。 一般意志は破壊できない ここで言われる意志、それは「一般意志…

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ルソー『社会契約論』を読む(13)

 さて、今回で第三篇も終わりです。さっそく読んでいきます。 従来の社会契約説との違い 市民は、「すべての人がなすべきことを、すべての人が命令することができる」と…

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ジャン=ジャック・ルソーという生き方

ジャン=ジャック・ルソーという生き方

このnoteの趣旨 ジャン=ジャック・ルソー。このnoteに辿り着いたあなたは、きっとルソーという人物のことを、名前だけでも聞いたことがあるのではないでしょうか。または、もしかしたら、名前だけではなく、『社会契約論』という本のタイトルを、学校の授業で習った記憶があるかも知れません。

 このnoteでは、ルソーがもつ魅力を、私なりの切り口で発信し、願わくば皆さんとルソーの魅力について共有し合うこと

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『世界の名著』購読~01「バラモン教典・原始仏典」(2023年4月)

『世界の名著』購読~01「バラモン教典・原始仏典」(2023年4月)

 大人買いした『世界の名著』シリーズを購読しようと思い立ち、月に一冊を目標に更新していこうと思っています。81巻ありますが、順番に1巻から読んでいこうと思います。

近くて遠い、遠くて近いインド文化 さて、早速気分が乗りません。「バラモン教の文献を読むのかよ」、「さすがに縁がなさすぎる」と思いながらページを開きましたが、すぐにそのことが誤りだと気づきました。

 何を隠そう、日本の寺院に祀られてい

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中央公論社『世界の名著』シリーズ購読~はじめに

中央公論社『世界の名著』シリーズ購読~はじめに

 私ごとですが、少し前に『世界の名著』を購入しました(俗に言う大人買いってやつです)。このシリーズは、周知の通り正続あわせて81巻あり、本棚に収められた風貌はまさしく圧巻です。もちろんこの『世界の名著』にはルソーも収録されております。

 とはいえせっかく購入したので、普段ルソーのことばかり書いている私ですが、こうなってしまってはルソーのことだけを読んでいても仕方ありません。そこで、この場をお借り

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ルソー名言集 ~『学問芸術論』編~

ルソー名言集 ~『学問芸術論』編~

 今まではルソーの著作の読解を中心に記事を更新してきました。ありがたいことに、長文かつ抽象的な内容の記事が多いにもかかわらず、たくさんの方に読んでいただいております。

 もう一つ、「1分で分かる」シリーズを、各著作の読解記事が完結したのちに更新していますが、こちらも好評です。

 とはいえ、両者の記事は若干読者層に違いがあるようです。前者の硬派な記事はフォローをいただいている方々に、後者の記事は

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ルソー『新エロイーズ』を読む(1)

ルソー『新エロイーズ』を読む(1)

 皆様、こんにちは。ルソーの著作を読み解く記事がだんだん積み重なってきました。『学問芸術論』にはじまり、『人間不平等起源論』を経て、ついにルソーの主著として名高い『社会契約論』まで読解を終えたところで、少し趣向を変えて『エミール』の魅力紹介を前回まではしてきたのでした。

 さて、今回からは、『新エロイーズ』を読解していきます。何ですかその本は?と感じられた方が大半かもしれません。現在の日本でこの

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1分で分かる『社会契約論』

1分で分かる『社会契約論』

過去17回にわたって本ノートでご紹介してきた『社会契約論』の「1分」シリーズです。

言わずと知れたルソー主著。ぜひ本当は過去の連載記事すべてに目を通していただきたいところですが、まずはこの記事から理解していただけたら幸いです。

社会契約って何?さて、『社会契約論』は何について書かれている本なのでしょうか。

読んで字のごとく、社会契約について論じている本です。

・・・とはいうけれど、これでは

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波乱の人生を歩んだルソー

波乱の人生を歩んだルソー

 お久しぶりです。随分記事の更新が滞っていました。改めて、腰を据えて勉強せねばならない、と自分を奮い立たせるためにも、記事を書くというノルマを自分自身に課すつもりで、ルソーの記事の更新を復活させようと思います。

 今回書くのは、ルソーの略年表のようなものだと思っていただければ幸いです。本来ならば通説以外の深みのある内容を多分に含んだ記事を書くべきかもしれませんが、そうはいってもまずは通説を知って

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『社会契約論』原典精読02

『社会契約論』原典精読02

 原典精読の試みを始めましたが、今回から本格的に内容に迫っていくことになりますので、実質的には今回が初回と言ってもよいでしょう。最後までぜひお付き合いください。

 今回は第一巻のうちの第一章です。

凡例

①原文は原則として「Wikisource」から引用することとします。今までの記事でルソーの原文を紹介したときには、定評のあるRousseau, Jean-Jacques. Du contra

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『社会契約論』原典精読01

『社会契約論』原典精読01

 皆さまこんにちは。

 哲学者ルソーのことを詳しく知ってもらおうと始めた過去の記事がある程度のボリュームに達し、軌道に乗り出したように思えるようになってきました。私の見立てによると、これまでの記事の中でもとりわけ『社会契約論』についての記事で「スキ」をたくさんいただけているように感じます。

 そこで、新たな試みを始めてみようと思い立ちました。どれくらいの方々に需要があるか分かりませんが、やって

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『エミール』の魔力

『エミール』の魔力

 久しぶりの更新です。すっかりさぼっていた・・・のではなくて、ルソーについて記事にするために、勉強をかさねていました(言い訳です)。

 さて、前回までに書いた記事を振り返ってみると、以下のようになっています。

・『学問芸術論』読解(全2回)

・『人間不平等起源論』読解(全4回)

・『社会契約論』読解(全17回)

・「ルソーde時事を読む」シリーズ(全7回)

・『エミール』の魅力紹介(1

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安倍元総理を悼む

安倍元総理を悼む

 今日、2022年7月8日、決してあってはならないことが起こりました。安倍元総理が奈良で銃撃され、お亡くなりになったというニュースが世間を震撼させています。

 もちろん、安倍元総理だからダメだ、ということをこの記事で述べようとしているのでは断じてありません。また、私個人の政治信条は、安倍元総理とは異なる立場のことも多いです。

 しかし、一人の人間が、いかなる理由であっても、他者によって殺害され

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皆さま、今日6月28日は何の日かご存じですか?・・・そうです。今日はルソーの誕生日!盛大にお祝いしましょう(拍手喝采)!
Félicitations!!

ルソー『エミール』を読むために

ルソー『エミール』を読むために

 皆さま、こんにちは。前回までの「ルソー『社会契約論』を読む」は、とても抽象的な議論であり、かつルソーの「主著」と言われている書物なだけあって、号外も含めると全部で17回にも及ぶ解説記事となって、ついに前回の記事をもって完結したのでした。

 毎度読んでくださった方には、改めて感謝を申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。

 さて、今回からは『社会契約論』を離れ、別の本に移っていき

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ルソー『社会契約論』を読む(最終回)

ルソー『社会契約論』を読む(最終回)

 これまで、本編を14回、号外を2回と、計16回もの間にわたって『社会契約論』を読んできました。いよいよ今回が最終回です。さっそく内容を読みましょう。

本題に入る前に この「市民宗教について」と題された章は、事実上、『社会契約論』の最終章といって良い位置づけになっています。厳密に言えば、「結論」と題された章がこの次に続きますから、最終章ではないのですが、そうした形式的な意味ではなく、この章の内容

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ルソー『社会契約論』を読む(14)

ルソー『社会契約論』を読む(14)

 さて、今回からは第四篇。『社会契約論』もいよいよラストスパートです。さっそく読んでいきましょう。

一般意志は破壊できない ここで言われる意志、それは「一般意志」です。この点はもう大丈夫でしょう。ここまでルソーを読んできた人なら、わかるはずです。

 一般意志だけが支配する国家。そこでは、国家のあらゆる原動力は活気に満ちて単純で、国家の格率は明快であり、光り輝いています。そこに利害の対立や矛盾は

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ルソー『社会契約論』を読む(13)

ルソー『社会契約論』を読む(13)

 さて、今回で第三篇も終わりです。さっそく読んでいきます。

従来の社会契約説との違い 市民は、「すべての人がなすべきことを、すべての人が命令することができる」といいます。

ここで言われる権利とは、まさしく、主権者が政府を設立するにあたって統治者に与える権利のことであって、すなわち「執行権」です。
(執行権について詳しくはコチラ)

 しかし、この「執行権」をめぐって、ルソー以前の社会契約論者と

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