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2022年9月の記事一覧

週末読書メモ78. 『海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年』

週末読書メモ78. 『海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年』

(北海道十勝の農家6代目による週次の読書メモ)

1千年もの年月を生き抜いた大国が紡ぎ出す一大叙事詩。

ヴェネツィア。日本人からすると、イタリアの一観光地としての印象が大きい場所ですが、歴史上では「地中海の女王」と呼ばれるほどの繁栄したことがありました。

そして特筆すべきことは、冒頭にあるように、国家が生き抜いた年数。

5世紀から18世紀までの1千年以上。日本史だと、古墳時代から江戸の徳川吉

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文芸批評から現代思想を見渡すような本

文芸批評から現代思想を見渡すような本

『文学とは何か――現代批評理論への招待(上)』テリー・イーグルトン , 大橋 洋一 (翻訳)(岩波文庫)

欧米の文学理論の諸潮流を初心者にも分かりやすく解説するすぐれた入門講義.上巻では文学理論が対象とする「文学」とは何かを問うことから始め,十九世紀の英文学批評の誕生,現象学・解釈学・受容理論,構造主義と記号論について詳細に論じる.明確な視座に立ち,読者の思考を刺激し触発する,「二十世紀の古典」

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『三田文學』、note始めます!

『三田文學』、note始めます!

はじめまして! 『三田文學』編集部です。
このnoteは編集部員が書いていきます。どうぞよろしくお願いいたします。

『三田文學』編集部では名前の通り、『三田文學』という文学の雑誌を作っています。発行は季刊、つまり一つの季節に一冊、1・4・7・10月の12日頃から新刊が発売されています。慶應義塾大学出版会さん(以下、「出版会さん」)には、この雑誌の販売でいつも大変お世話になっております…!

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いろいろと言われている電通を、てっとりばやく理解する最適のテキストは、山本夏彦の「私の岩波物語」だと思う。

いろいろと言われている電通を、てっとりばやく理解する最適のテキストは、山本夏彦の「私の岩波物語」だと思う。

電通はかつて山本夏彦翁が危惧したとおりになった。

 「私の岩波物語」は山本夏彦がまとめた日本出版界の現代史です。
 この中に出版にからめて電通について触れている部分があり、これほど簡潔で読みやすく電通を理解する記述は少ないのではないかと思います。
 1987年から93年の間に雑誌「室内」(山本夏彦の雑誌)に連載されたものです。
 この中のわずか2項目で、電通がどうしてこうなったのかが丸わかり、以

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「彼」自身の言葉で、語るべきではないか――料理と食を通して日常を考察するエッセイ「とりあえずお湯わかせ」柚木麻子

「彼」自身の言葉で、語るべきではないか――料理と食を通して日常を考察するエッセイ「とりあえずお湯わかせ」柚木麻子

『ランチのアッコちゃん』『BUTTER』『マジカルグランマ』など、数々のヒット作でおなじみの小説家、柚木麻子さん。今月は、特別編でお送りします。
※当記事は連載の第18回です。最初から読む方はこちらです。
#18  支配者 二十一年間「推し」ていた有名俳優が性加害をしていたことが一週間前に報道された。
「彼」のファンだと常日頃公言していたせいで、マスコミ各社からの原稿依頼は後を絶たない。そのほとん

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《無駄話》今後のnoteについて

《無駄話》今後のnoteについて

こんにちは。
Ayaです。
今回の投稿で目標だった100投稿を迎えることができました。9月に入って更新頻度が減りましたが、いつもいいねやコメントありがとうございます。とても励みになります。
100投稿を迎えたことを記念して、今後のnoteの目標を書きたいと思います。note1ヶ月目の投稿と一部被りますが、温かく見守ってください笑

目標その1:ヨーロッパ古代史・中世史を取り上げたい

今まで近世か

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公務員のための広報研修~受け手の心を動かすチラシのつくり方と広報の生かし方

公務員のための広報研修~受け手の心を動かすチラシのつくり方と広報の生かし方

こんにちは。広報課の広報担当です。
今回は鎌倉市の職員研修の内容をシェア。全国自治体職員のみなさんの参考になればと思っています。

自治体職員の皆さん、「広報」ってどう思っていますか?
去る7月29日に「公務員のための受け手の心を動かすチラシのつくり方と広報の生かし方」と題した職員研修を実施しました。
広報担当の間では参加者集まるかな~、と心配していたところ、募集開始2日で15名の定員が満席に!み

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社会人芸大生が勉強の合間に買って読んだアート関連書籍・2022.7~9月編

社会人芸大生が勉強の合間に買って読んだアート関連書籍・2022.7~9月編

皆さま、本、読んでますか?

ついに3年目をむかえたこのシリーズ。2022年は四半期ごとに更新中です。

相変わらず活字にまみれているわたしが、勉強と趣味もかねて手に取ったアート関連本(それ以外もいろいろ)を紹介&勝手におすすめします。
なんか面白そう!と思えるような本と出会うきっかけになったら嬉しいです。

ちなみに2021年編はこちら。

2020年編はこちらです。今から読んでも面白い本ばかり

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古くて新しい印紙税、400年の歴史

古くて新しい印紙税、400年の歴史

税金はいつも財政確保のため

 印紙税は1624年にオランダで始まった税制です。スペインとの独立戦争で窮乏する財政の確保、戦費調達のため創設されました。(八十年戦争)

 日本では、明治6年(1873年)に政府の財政確保を目的として採用され、抜本的な改正は行われないまま「文書税」として現在に至っています。
 印紙税法が定める20種類の「課税文書」に対して課税されます。
「文書税」なので、文書を作成

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トーハクで開催中の、大観や雅邦も筆をとった“公式ニセモノ”展の“非公式”図録

トーハクで開催中の、大観や雅邦も筆をとった“公式ニセモノ”展の“非公式”図録

今週も東京国立博物館では、展示品の入れ替えが行われました。頻繁に訪れても、いつも新鮮な気持ちで会場を巡れて、そのため好奇心をビンビンに刺激してくれる東博は、やはりすばらしい博物館です。

ということで今週は、本館2階の特1室と特別2室という、いつもミニ企画展が開催されている会場が、ガラリと変わりました(まだ行けていませんけど……)。

開催されるのは、「東博の模写・模造ー草創期の展示と研究ー」です

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「大学・公共図書館の方へ」ページの歩き方

「大学・公共図書館の方へ」ページの歩き方

日々、新刊や近刊、書店フェアなどの情報を発信している慶應義塾大学出版会のホームぺージ。

「できたての本」や「これから出る本」などのページのほか、実は図書館司書や書店員の方を対象とした「大学・公共図書館の方へ」というページがあることをご存じでしょうか?

大学・公共図書館の方へ向けてWEB上で情報発信をするために設けられたのがこの図書館ページです。

今回は、主に図書館への営業を行っている担当者に

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「写真で動画を作る」に4年かかった話

「写真で動画を作る」に4年かかった話

こんにちは、こんばんは
フォトグラファーのクロカワリュートです
ふと気づいたら前回のnoteから2ヶ月ほど経ってしまっていました。
気づいたら還暦、なんてことにならないよう気を引き締めてちゃんとnoteを書いていきたい次第です...
noteに書こうと思ってるネタは山程書き溜めているので、がんばります

さてさて、タイトルの通り今回は苦労話です笑
そもそもなにを作るのに4年もかかったのかというと、

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