かわかわ

noteは、自分への教養の種まき。主に東京国立博物館(トーハク)を散歩しています。

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日本最大級の東京国立博物館の見どころ【6月6日現在】

東京国立博物館(トーハク)は、収蔵品数が約12万件、そのうち国宝が89件で重要文化財が649件(2023年4月現在)という、日本最大級の博物館です。そんなトーハクは、毎週、平常展の展示替えがあり、いつ行っても新鮮な気持ちで見て回れる……逆に言うと「トーハクには、これが展示されているから見に行く」というのが難しいです。 ということで、ここでは「トーハクへ行ったら、今日はこれが見られる」という、過去noteで記した見どころを、(できるだけ毎週)更新していきたいと思います。 な

    • 西と東がぶつかる場所で、古代に陽気なミュージシャンが描かれてた……@東京国立博物館

      東京国立博物館(トーハク)の中で、日本以外のアジアの古物を展示するのが東洋館。その2階の奥には、10畳ほどのスペースを含む、大谷探検隊の将来品……中国西域の作品が展示されていることが多いです。 そこに、いつだったか印象的な壁画や器が展示さていたのですが、noteの下書きに埋もれさせていました。現在は展示されていませんが、せっかく思い出したのでnoteしておきます。(調べたら、昨年2023年の9月〜10月頃に開催されていた特集展『博物館でアジアの旅 アジアのパーティー』でのこ

      • 光源氏を描いた『源氏物語』 @トーハク

        東京国立博物館(トーハク)では、今季も源氏物語関連の展示品がいくつか展開されています。中でも《源氏物語冊子》と《源氏物語図扇面》とが一緒に展示されているのは、うれしいです。 解説によれば、トーハクには《源氏物語冊子》について「浮舟の巻を欠く計53帖が所蔵」されているそうです。前半の17帖までは三条西実隆、飛鳥井雅俊等による室町時代の書写で、後半の36帖は鎌倉時代の書写といわれているそうですが……なぜ前半より後半の方が古いんですかね……。 《源氏物語図扇面》は、源氏物語の全

        • トーハクの7月の近代絵画……池田蕉園や小林古径などなど

          前回は、東京国立博物館(トーハク)で展示されている《東海道五十三次絵巻》をnoteしました。その絵巻製作に参加した、日本の近代絵画の……日本画部門の……巨匠たちの他の作品が、同じフロアに多く展開されています(つまりは岡倉天心と関係の深い人達の作品です)。 ■小林古径の《出湯》と《麦》 今村紫紅や前田青邨などと仲良しだったと思われる小林古径。両氏の話をnoteした時などに、たびたび小林古径の名前に触れていましたが「はて? どんな絵を描いていたんだろ?」と、よく名前は聞くけど

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        日本最大級の東京国立博物館の見どころ【6月6日現在】

          横山大観、観山、未醒、紫紅が旅して写生していった『東海道五十三次絵巻』⑤舞坂〜吉田・豊橋……@東京国立博物館

          1915年(大正4年)、横山大観47歳、下村観山42歳、今村紫紅35歳、小杉未醒34歳の4人は、京都を目指して旅に出ました(各年齢は、生年と製作年とで単純計算したものです)。 その4人が東海道を旅しながら順繰りに描いたのが、東京国立博物館(トーハク)に所蔵されている『東海道五十三次絵巻』です。トーハクの1階の近代絵画を展示する部屋で、不定期的に何度も展開されている絵巻。毎回異なる場面が見られますが、今回は巻六……その中でも舞阪から吉田・豊橋を描いたものになります。 先日、

          横山大観、観山、未醒、紫紅が旅して写生していった『東海道五十三次絵巻』⑤舞坂〜吉田・豊橋……@東京国立博物館

          如来の頭部・髪型コレクション…如来の頭はいつから螺髪なのか? @トーハク

          週末に東京国立博物館(トーハク)へ行った時のはなしです。混雑している本館を避けて、久しぶりに東洋館をじっくりと巡ってみようと思い立ちました。 それでなぜだか忘れたのですが気になったことがありました……如来像の頭って、いつからパンチパーマみたいな髪型になったんだろう? ってことでした。インドで釈迦が仏法を説き始めたときからなのか、それとも仏教が中国などへ渡った時なのか……がね、ふと気になったんです。 如来に限らず、仏様たちの頭って、それぞれのアイデンティティというか、階級を

          如来の頭部・髪型コレクション…如来の頭はいつから螺髪なのか? @トーハク

          『雪舟・山水図屏風の系譜』みたいなトーハクの展示構成 伝周文&雪舟から狩野山楽&探幽…そして呉春

          じゃじゃん! 今季の東京国立博物館(トーハク)の展示構成について、わたしが勝手にタイトルを付けるとすれば『雪舟・山水図屏風の系譜』です。 周文や雪舟が描いたと伝わった作品だよ……たぶん違うけどね……という作品は、トーハクに頻繁に展示されています。そんな中から、今回は「山水図」をフィーチャーしています。 室町時代に生きた伝・周文の《山水図》から、伝・雪舟……そして、彼らを神格化するようにリスペクトしていった室町時代後半から江戸時代初期の狩野派……山楽さんと探幽さん……さらに

          『雪舟・山水図屏風の系譜』みたいなトーハクの展示構成 伝周文&雪舟から狩野山楽&探幽…そして呉春

          で……よく聞く十六羅漢とか五百羅漢って何? @トーハク 7月15日まで

          十六羅漢とか五百羅漢(ごひゃくらかん)って、よく聞くわりには、どんな人たちなのかや、何をした人たちなのか、よく知りません。だからだと思うのですが、寺や博物館で「十六羅漢」や「五百羅漢像」を見ても、正直あまり「ありがたい」感じがしないんですよね。 東京国立博物館(トーハク)でも、かなり頻繁に「十六羅漢」や「五百羅漢像」が展示されています。2024年7月7日現在も、ありました。見つけたのは、トーハクの東洋館。4階の中国書画の部屋です。 これまで、わたしがよく見てきたのは、掛け

          で……よく聞く十六羅漢とか五百羅漢って何? @トーハク 7月15日まで

          大人の好奇心を沸き立たせてくれる東京駅前の博物館……インターメディアテクに小4息子を連れて行きました

          初めて行った時に「こんな素敵な博物館があったのか!」と思ったインターメディアテク。東京駅の目の前にあるKITTE(丸の内JPタワー)2階にある博物館というか、ミュージアムスペースみたいな感じでカタカナで書いた方が適しているような空間です。 素晴らしいなと感じた理由は、まずはジャンルの幅広さ。自然科学、工学、人文科学、社会科学……様々な展示品が展開されていて、かつての帝室博物館(現在のトーハク)もこんな雰囲気だったんだろうなと思わせてくれます。 そこで、先週は思い立って小学

          大人の好奇心を沸き立たせてくれる東京駅前の博物館……インターメディアテクに小4息子を連れて行きました

          ゴッホって、インド細密画も好きだったのでは? @トーハク

          先日……と言っても1〜2週間くらい前に、東京国立博物館(トーハク)の本館が混んでいたので、久しぶりに東洋館を巡ってみました。その中で、インドの細密画をじっくりと見ていたら「あれ? ゴッホって……浮世絵だけではなくて、インド細密画からも影響を受けていたんじゃない?」と、根拠もなく感じたので、そのままタイトルにしてみました……でも全く根拠はないので、あしからず……。 サラスヴァティーは、芸術・学問などの知を司るヒンドゥー教の女神。日本では弁財天(弁才天)として知られているそうで

          ゴッホって、インド細密画も好きだったのでは? @トーハク

          気になる絵……ある明治の装幀家・漫画家の話 @トーハク

          いま現在は展示されているか分かりませんが、3カ月前くらいに、東京国立博物館(トーハク)の近代美術の部屋に『晩春』という作品が展示されていました。見るのは少なくとも2回目。前回も目が停まって、記録として何枚かの写真を撮ったのですが、noteすることもなく、iPhoneなのかカメラのSDメモリーカードの奥深くへと消えてしまいました。 今回、iPhoneのメモリーが逼迫し始めたこともあり、主にトーハクで撮った写真の整理を試みていたら、『晩春』の写真が出てきました。今回は忘れずにn

          気になる絵……ある明治の装幀家・漫画家の話 @トーハク

          私たちを極楽往生させてくれる阿弥陀さんの姿とは? @トーハク

          東京国立博物館(トーハク)の展示についてです。もう終わってしまいましたが、特別展「法然と極楽浄土」の関連特集として常設展(総合文化展)で、7月7日まで見られるのが、特集『阿弥陀如来のすがた』です。本館2階の特別1室という、それほど広いわけでもない部屋ですが、同館所蔵または寄託されている阿弥陀如来がずらりと並んでいます。7月7日まで見られます。 改めて「阿弥陀如来」は、西の方にある極楽浄土に住んでいるそうです。「阿弥陀」が名前のようなもので、「如来」はランク……最高位であるこ

          私たちを極楽往生させてくれる阿弥陀さんの姿とは? @トーハク

          与謝蕪村の《山野行楽図屏風》は、ボーッと眺めるのが正しい鑑賞法なのかも…@トーハク

          東京国立博物館(トーハク)へ、しばしば出かけていると、何度か同じ作品を見ることがあります。たいていは「これは以前見たことがあるから、サッと通り過ぎよう」という感じになるものです。でも、作品によっては「あぁまたこれかぁ」と思いつつも足を止めて見入ってしまうものもあります。 現在展示されている与謝蕪村(謝春星)の《山野行楽図屏風》も、そんな作品の1つ。これまで2度は見ていて今回は少なくとも3度目です。特別にこの屏風絵が好きというわけでもないんですけどね。「与謝蕪村という有名な画

          与謝蕪村の《山野行楽図屏風》は、ボーッと眺めるのが正しい鑑賞法なのかも…@トーハク

          広島在だったら行きたかった展覧会…加山又造展@下瀬美術館

          先日書いた『東京国立近代美術館の常設展って贅沢ですね』で、加山又造さんの《千羽鶴》という作品をnoteしました。わたしは加山又造さんという人を、この時に初めて知りました。※ちなみに「常設展」という言葉を使っていますが、同館に常設展も常設されている展示品もありません。正確には「MoMAT コレクション」と呼んでいます…所蔵品展ですね。 その後、特に加山又造さんのことを調べることもなかったのですが、本日、YouTubeをボーッと見ていたら、俳優の片桐仁さんが、現在、広島の下瀬美

          広島在だったら行きたかった展覧会…加山又造展@下瀬美術館

          え⁉︎ 坂上田村麻呂が…《清水寺縁起絵巻》 @トーハク

          現在、東京国立博物館(トーハク)では、京都の清水寺の縁起……なりたちを絵で表した絵巻《清水寺縁起絵巻》が展示されています(重要文化財)。少し前まで気が付かなかったのですが、考えてみると、同絵巻が展示される前……先月あたりは同じ展示ケースで《鼠草紙》が見られました。 《鼠草紙》も、広義には「清水寺の縁起」と言っても良いでしょう。人間になりたいと願い、そのために人間の妻をめとろうとする鼠「権頭(ごんのかみ)」と、良縁を求めている美しい女性とが、祈願しに行った清水寺で出会い、めで

          え⁉︎ 坂上田村麻呂が…《清水寺縁起絵巻》 @トーハク

          国宝2振と無数の重文の刀剣が見られる、今季のトーハク

          東京国立博物館(トーハク)の刀剣の間……1階の13室では、5月28日(火) ~8月25日(日)の期間で、国宝2振が展示されています。 その1つは、渡邊誠一郎氏から寄贈された《刀 相州貞宗(名物 亀甲貞宗)》で、もう1振が《短刀 相州行光》。正直、「こちらが国宝で、こちらが無指定の理由」……つまりは価値の有る無しが、まだ分かっていませんが、分かっていないからこそ、国宝や重要文化財のラベルが貼ってあるものをできるだけ見ておきたいと思っています。 ちなみにトーハクの13室の展示

          国宝2振と無数の重文の刀剣が見られる、今季のトーハク