かわかわ

noteは、自分への教養の種まき。主に東京国立博物館(トーハク)を散歩しています。

かわかわ

noteは、自分への教養の種まき。主に東京国立博物館(トーハク)を散歩しています。

最近の記事

  • 固定された記事

日本最大級の東京国立博物館の見どころ【6月6日現在】

東京国立博物館(トーハク)は、収蔵品数が約12万件、そのうち国宝が89件で重要文化財が649件(2023年4月現在)という、日本最大級の博物館です。そんなトーハクは、毎週、平常展の展示替えがあり、いつ行っても新鮮な気持ちで見て回れる……逆に言うと「トーハクには、これが展示されているから見に行く」というのが難しいです。 ということで、ここでは「トーハクへ行ったら、今日はこれが見られる」という、過去noteで記した見どころを、(できるだけ毎週)更新していきたいと思います。 な

    • ゴッホって、インド細密画も好きだったのでは? @トーハク

      先日……と言っても1〜2週間くらい前に、東京国立博物館(トーハク)の本館が混んでいたので、久しぶりに東洋館を巡ってみました。その中で、インドの細密画をじっくりと見ていたら「あれ? ゴッホって……浮世絵だけではなくて、インド細密画からも影響を受けていたんじゃない?」と、根拠もなく感じたので、そのままタイトルにしてみました……でも全く根拠はないので、あしからず……。 仏陀の涅槃図のような構図ですが、こちらは「涅槃」と真逆の「結婚」です。……いや、よく考えると「結婚」は「涅槃」の

      • 気になる絵……ある明治の装幀家・漫画家の話 @トーハク

        いま現在は展示されているか分かりませんが、3カ月前くらいに、東京国立博物館(トーハク)の近代美術の部屋に『晩春』という作品が展示されていました。見るのは少なくとも2回目。前回も目が停まって、記録として何枚かの写真を撮ったのですが、noteすることもなく、iPhoneなのかカメラのSDメモリーカードの奥深くへと消えてしまいました。 今回、iPhoneのメモリーが逼迫し始めたこともあり、主にトーハクで撮った写真の整理を試みていたら、『晩春』の写真が出てきました。今回は忘れずにn

        • 私たちを極楽往生させてくれる阿弥陀さんの姿とは? @トーハク

          東京国立博物館(トーハク)の展示についてです。もう終わってしまいましたが、特別展「法然と極楽浄土」の関連特集として常設展(総合文化展)で、7月7日まで見られるのが、特集『阿弥陀如来のすがた』です。本館2階の特別1室という、それほど広いわけでもない部屋ですが、同館所蔵または寄託されている阿弥陀如来がずらりと並んでいます。7月7日まで見られます。 改めて「阿弥陀如来」は、西の方にある極楽浄土に住んでいるそうです。「阿弥陀」が名前のようなもので、「如来」はランク……最高位であるこ

        • 固定された記事

        日本最大級の東京国立博物館の見どころ【6月6日現在】

          与謝蕪村の《山野行楽図屏風》は、ボーッと眺めるのが正しい鑑賞法なのかも…@トーハク

          東京国立博物館(トーハク)へ、しばしば出かけていると、何度か同じ作品を見ることがあります。たいていは「これは以前見たことがあるから、サッと通り過ぎよう」という感じになるものです。でも、作品によっては「あぁまたこれかぁ」と思いつつも足を止めて見入ってしまうものもあります。 現在展示されている与謝蕪村(謝春星)の《山野行楽図屏風》も、そんな作品の1つ。これまで2度は見ていて今回は少なくとも3度目です。特別にこの屏風絵が好きというわけでもないんですけどね。「与謝蕪村という有名な画

          与謝蕪村の《山野行楽図屏風》は、ボーッと眺めるのが正しい鑑賞法なのかも…@トーハク

          広島在だったら行きたかった展覧会…加山又造展@下瀬美術館

          先日書いた『東京国立近代美術館の常設展って贅沢ですね』で、加山又造さんの《千羽鶴》という作品をnoteしました。わたしは加山又造さんという人を、この時に初めて知りました。※ちなみに「常設展」という言葉を使っていますが、同館に常設展も常設されている展示品もありません。正確には「MoMAT コレクション」と呼んでいます…所蔵品展ですね。 その後、特に加山又造さんのことを調べることもなかったのですが、本日、YouTubeをボーッと見ていたら、俳優の片桐仁さんが、現在、広島の下瀬美

          広島在だったら行きたかった展覧会…加山又造展@下瀬美術館

          え⁉︎ 坂上田村麻呂が…《清水寺縁起絵巻》 @トーハク

          現在、東京国立博物館(トーハク)では、京都の清水寺の縁起……なりたちを絵で表した絵巻《清水寺縁起絵巻》が展示されています(重要文化財)。少し前まで気が付かなかったのですが、考えてみると、同絵巻が展示される前……先月あたりは同じ展示ケースで《鼠草紙》が見られました。 《鼠草紙》も、広義には「清水寺の縁起」と言っても良いでしょう。人間になりたいと願い、そのために人間の妻をめとろうとする鼠「権頭(ごんのかみ)」と、良縁を求めている美しい女性とが、祈願しに行った清水寺で出会い、めで

          え⁉︎ 坂上田村麻呂が…《清水寺縁起絵巻》 @トーハク

          国宝2振と無数の重文の刀剣が見られる、今季のトーハク

          東京国立博物館(トーハク)の刀剣の間……1階の13室では、5月28日(火) ~8月25日(日)の期間で、国宝2振が展示されています。 その1つは、渡邊誠一郎氏から寄贈された《刀 相州貞宗(名物 亀甲貞宗)》で、もう1振が《短刀 相州行光》。正直、「こちらが国宝で、こちらが無指定の理由」……つまりは価値の有る無しが、まだ分かっていませんが、分かっていないからこそ、国宝や重要文化財のラベルが貼ってあるものをできるだけ見ておきたいと思っています。 ちなみにトーハクの13室の展示

          国宝2振と無数の重文の刀剣が見られる、今季のトーハク

          トーハクにあった! 松花堂昭乗の家……の立体絵図面

          東京国立博物館(トーハク)には、現在、江戸時代に作られたという立体絵図面…起こし絵《八幡山瀧本坊茶立所座敷共建地割》が展示されています。模型が好きなわたしは「おぉ〜」と感嘆したわけですが、その詳細をnoteしておきたいと思います。 《八幡山瀧本坊茶立所座敷共建地割》というタイトルを簡単に言えば、石清水八幡宮のある男山に住んでいた松花堂昭乗の瀧本坊の茶立所の座敷などの見取り図……という感じでしょう。ぜんぜん簡単ではないですね。まぁとにかく、松花堂昭乗が住んでいた建物を立体絵図

          トーハクにあった! 松花堂昭乗の家……の立体絵図面

          もうすぐ『超・日本刀入門』展が始まります! 静嘉堂@丸の内 国宝・重文9振 撮影OK

          丸の内にある静嘉堂美術館では、6月22日(土)~8月25日(日)の会期で、『超・日本刀入門revive―鎌倉時代の名刀に学ぶ』展が開催されます。同展のチラシによれば、「日本刀の黄金時代」と称される鎌倉時代を中心に、平安~南北朝の古名刀を特集するということ。 ■国宝・重要文化財の9振を展示 静嘉堂文庫は約120振の刀剣を所蔵しているそうですが、その中には、国宝1振を含む重要文化財9振があります。今展では、9振全てが展示されるほか、織田信長や滝川一益、直江兼続などの戦国武将に

          もうすぐ『超・日本刀入門』展が始まります! 静嘉堂@丸の内 国宝・重文9振 撮影OK

          静かに“やまと絵”を鑑賞したい人におすすめな、上品な泉屋博古館へ

          泉屋博古館は、雨の似合う美術館。先日わたしが行った特別展『歌と物語の絵』の報道向け内覧会も、昨年の木島櫻谷の特別展の内覧会と同様に、雨が降っていました。地下鉄の神谷町駅からアークヒルズと泉ガーデンタワーの谷間にある細い道を歩いていくと、雨で濡れた艷やかな美術館が見えてきます。 わたしが同館を訪れたのは2回目。昨年の木島櫻谷展でも感じたのが、小さいけれど、とても上品な美術館だなということ。特別展の展示点数こそ多くないし、国宝や重要文化財の指定品も多くありません。それでも、とて

          静かに“やまと絵”を鑑賞したい人におすすめな、上品な泉屋博古館へ

          久しぶりに『東京国立博物館の見どころ』を紹介する……と言いつつ、自分のnoteの目次ページのようなnoteを更新しました。トーハクの毎週の展示替えペースに、ちょっとついていけていないのが現状です……すごいなトーハク。 https://note.com/hakubutsu/n/nfc155dcbaf60

          久しぶりに『東京国立博物館の見どころ』を紹介する……と言いつつ、自分のnoteの目次ページのようなnoteを更新しました。トーハクの毎週の展示替えペースに、ちょっとついていけていないのが現状です……すごいなトーハク。 https://note.com/hakubutsu/n/nfc155dcbaf60

          群像を生き生きと描く、前田青邨の出世作《神輿振(みこしぶり)》……東京国立博物館

          目まぐるしく展示替えされる東京国立博物館(トーハク)の総合文化展……いわゆる常設展……は、月に数回通っていても見飽きることがないどころか、見逃してしまう展示品も少なくないです。 週末の空いている時間帯……17時以降に行って、これだけは見たい! と狙いをすまして観てきたのが、前田青邨さんの《神輿振(みこしぶり) A-10555》です。これまで何度か前田青邨さんの作品を(トーハクだけで)観てきましたが、この絵巻もすばらしいものでした。 大正元年(1912)に描かれた今作は、解

          群像を生き生きと描く、前田青邨の出世作《神輿振(みこしぶり)》……東京国立博物館

          狩野派2代の狩野元信が描いたかもしれない《囲碁観瀑図屏風》 @東京国立博物館

          狩野派の2代である狩野元信の作と言われる屏風を、東京国立博物館(トーハク)で見るのは、今季で3〜4回目になります。現在展示されているのは、重要美術品に指定されている《囲碁観瀑図屏風 A-11689》。 解説パネルには“伝”狩野元信筆と記されているので、必ずしも狩野元信さんが描いたのかは不明なのでしょうが、まぁ彼が生きた時代……本格的に戦国の世になりつつある時に描かれた屏風であることは間違いないのでしょうし、狩野派がこうした絵を描いていたことも疑いないのでしょう。 どう戦国

          狩野派2代の狩野元信が描いたかもしれない《囲碁観瀑図屏風》 @東京国立博物館

          【フィールドワーク】『たけくらべ』の街の祭りに参加してきました

          『たけくらべ』と言えば、樋口一葉の代表作です。 何が書いてあるのかさっぱりわからないけれど、読んでいるとぐんぐんと先へ進みたくなる調子(ノリ)の良い文章です。同じような土地で書かれた池波正太郎の、一文が短くて歯切れの良い文章も好きなのですが、樋口一葉の『たけくらべ』も名文だなぁと感じてしまいます。 太字にした場所は、どこも数回から数十回は前を通り過ぎたり、境内の中に入ったことのある場所ばかり。樋口一葉記念館が近くにあるのは知っていましたし、なんなら選挙で投票所として指定さ

          【フィールドワーク】『たけくらべ』の街の祭りに参加してきました

          ほんとに⁉︎ 黄檗宗の著名僧の筆蹟がズラリッ! @東京国立博物館

          現在、東京国立博物館(トーハク)には、《黄檗山高僧書巻》という書跡が展示されています。黄檗山ってなに? とか、高僧って具体的には誰なの? など、気になることは色々とあって、調べてもみたのですが、まだ雰囲気くらいしか分かっていないため、今回はスキャンしてきた写真と、引用文のみで構成していきます。 そもそも調べていくうちに、これが真筆だとしたらもっと注目されていても良いんじゃないかな……でも実際にはそれほど注目されていないから真筆ではないのでは? という疑念もあったりと……でも

          ほんとに⁉︎ 黄檗宗の著名僧の筆蹟がズラリッ! @東京国立博物館