かわかわ

noteは、自分への教養の種まき。主に東京国立博物館(トーハク)を散歩しています。

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記事一覧

トーハク展示の国宝《線刻蔵王権現像》を撮ってきたのでnoteしておきます

東京国立博物館(トーハク)の展示は、すべての所蔵品が撮影可能です(特別展の時などは除く)。そのため、これまでも色んな作品を写真付きでnoteしてきたわけですが……展…

かわかわ
8時間前
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江戸時代の鳥図鑑で“ピングイン”を見っけ! 堀田正敦の《禽譜》…@トーハク

東京国立博物館(トーハク)では、2024年8月6日~10月6日の期間、いつもは古地図が展示されている部屋で、堀田正敦の《禽譜》が、ブファ〜っと展示されています。 禽譜と…

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6日前
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今季のトーハク「浮世絵の部屋」のテーマは……『北斎の変遷を見る』っぽいです

これから東京国立博物館(トーハク)へ行こうと思っていたら、台風の影響で昼過ぎから(?)休館になってしまったようです。ということで、先日見てきたものをnoteしていきま…

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8日前
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泣く子も黙る……? 歌川国芳の浮世絵 @東京国立博物館

東京国立博物館(トーハク)で展示されている浮世絵コレクションが、久しぶりにわたしの好みだったので、何度かに分けてじっくりと見てきました。残念ながら、noteするのが…

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2週間前
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【フィールドワーク】上野の寛永寺の通常非公開エリアに入らせていただきました

先日、上野の東叡山寛永寺に参拝してきました。東叡山寛永寺と言っても、東京の人ですら「知らないなぁ……どこにあるの?」という人がほとんどだと思います。寛永寺の現在…

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2週間前
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國學院大學博物館で今見られる企画展「神輿―つながる人と人―」の内容

國學院大學博物館のホームページをチェックしてみたら、6月29日から9月16日までの会期で、企画展「神輿―つながる人と人―」が開催されていることを知りました。 同館の企…

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3週間前
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西と東がぶつかる場所で、古代に陽気なミュージシャンが描かれてた……@東京国立博物館

東京国立博物館(トーハク)の中で、日本以外のアジアの古物を展示するのが東洋館。その2階の奥には、10畳ほどのスペースを含む、大谷探検隊の将来品……中国西域の作品が…

かわかわ
1か月前
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光源氏を描いた『源氏物語』 @トーハク

東京国立博物館(トーハク)では、今季も源氏物語関連の展示品がいくつか展開されています。中でも《源氏物語冊子》と《源氏物語図扇面》とが一緒に展示されているのは、う…

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1か月前
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トーハクの7月の近代絵画……池田蕉園や小林古径などなど

前回は、東京国立博物館(トーハク)で展示されている《東海道五十三次絵巻》をnoteしました。その絵巻製作に参加した、日本の近代絵画の……日本画部門の……巨匠たちの他…

かわかわ
1か月前
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横山大観、観山、未醒、紫紅が旅して写生していった『東海道五十三次絵巻』⑤舞坂〜吉田・豊橋……@東京国立博物館

1915年(大正4年)、横山大観47歳、下村観山42歳、今村紫紅35歳、小杉未醒34歳の4人は、京都を目指して旅に出ました(各年齢は、生年と製作年とで単純計算したものです)。…

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1か月前
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如来の頭部・髪型コレクション…如来の頭はいつから螺髪なのか? @トーハク

週末に東京国立博物館(トーハク)へ行った時のはなしです。混雑している本館を避けて、久しぶりに東洋館をじっくりと巡ってみようと思い立ちました。 それでなぜだか忘れ…

かわかわ
1か月前
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『雪舟・山水図屏風の系譜』みたいなトーハクの展示構成 伝周文&雪舟から狩野山楽&探幽…そして呉春

じゃじゃん! 今季の東京国立博物館(トーハク)の展示構成について、わたしが勝手にタイトルを付けるとすれば『雪舟・山水図屏風の系譜』です。 周文や雪舟が描いたと伝…

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1か月前
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で……よく聞く十六羅漢とか五百羅漢って何? @トーハク 7月15日まで

十六羅漢とか五百羅漢(ごひゃくらかん)って、よく聞くわりには、どんな人たちなのかや、何をした人たちなのか、よく知りません。だからだと思うのですが、寺や博物館で「…

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1か月前
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大人の好奇心を沸き立たせてくれる東京駅前の博物館……インターメディアテクに小4息子を連れて行きました

初めて行った時に「こんな素敵な博物館があったのか!」と思ったインターメディアテク。東京駅の目の前にあるKITTE(丸の内JPタワー)2階にある博物館というか、ミュージア…

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1か月前
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ゴッホって、インド細密画も好きだったのでは? @トーハク

先日……と言っても1〜2週間くらい前に、東京国立博物館(トーハク)の本館が混んでいたので、久しぶりに東洋館を巡ってみました。その中で、インドの細密画をじっくりと見…

かわかわ
1か月前
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気になる絵……ある明治の装幀家・漫画家の話 @トーハク

いま現在は展示されているか分かりませんが、3カ月前くらいに、東京国立博物館(トーハク)の近代美術の部屋に『晩春』という作品が展示されていました。見るのは少なくと…

かわかわ
2か月前
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トーハク展示の国宝《線刻蔵王権現像》を撮ってきたのでnoteしておきます

東京国立博物館(トーハク)の展示は、すべての所蔵品が撮影可能です(特別展の時などは除く)。そのため、これまでも色んな作品を写真付きでnoteしてきたわけですが……展示品のすべてが撮影可能なわけではありません。なかには、寺社や個人から寄託されているものがあり、そうした作品の半数くらいは撮影禁止です。 「なんでなんで! なんで撮らせてくれないの!? 著作権なんてとっくになくなっているんだから、いいじゃん撮らせてくれたって!」って思ってしまうのは、作品を撮影したい派の、わたしのよ

江戸時代の鳥図鑑で“ピングイン”を見っけ! 堀田正敦の《禽譜》…@トーハク

東京国立博物館(トーハク)では、2024年8月6日~10月6日の期間、いつもは古地図が展示されている部屋で、堀田正敦の《禽譜》が、ブファ〜っと展示されています。 禽譜とは、「禽」=鳥類の図譜=図鑑といった感じです。西洋の科学とはまた異なる方法で、おそらく明清時代の中国由来の学問の流れで、江戸時代の日本人は、鳥に限らず様々な図譜を製作していました。 どんな人たちが図譜を作っていたかといえば、以前、同じくトーハクの特集「虫譜づくりの舞台裏」の際に展示されていた、下の「博物図譜

今季のトーハク「浮世絵の部屋」のテーマは……『北斎の変遷を見る』っぽいです

これから東京国立博物館(トーハク)へ行こうと思っていたら、台風の影響で昼過ぎから(?)休館になってしまったようです。ということで、先日見てきたものをnoteしていきます。 同館の浮世絵が展示されている部屋が、「葛飾北斎」特集になっていました……というのは嘘で、少しだけほかの絵師の作品も展示されています。 とはいえ、下の写真の壁面に並んでいる……20作品前後でしょうか……葛飾北斎ばかり。しかも「あぁこれって葛飾北斎だよね」と一瞥して誰でも分かるような……例えば神奈川沖浪裏の

泣く子も黙る……? 歌川国芳の浮世絵 @東京国立博物館

東京国立博物館(トーハク)で展示されている浮世絵コレクションが、久しぶりにわたしの好みだったので、何度かに分けてじっくりと見てきました。残念ながら、noteするのが遅すぎて、今週に展示替えしてしまいました……。 ■人物を凛々しく描写する歌川国芳 今季は歌川国芳(くによし・1797~1861)さんの浮世絵が、ズラリ! と並んでいます。浮世絵師のペンネームって、同じような雰囲気の人が多くてなかなか覚えられませんが、描かれた絵の雰囲気は覚えられます。そんななかでも、歌川国芳さん

【フィールドワーク】上野の寛永寺の通常非公開エリアに入らせていただきました

先日、上野の東叡山寛永寺に参拝してきました。東叡山寛永寺と言っても、東京の人ですら「知らないなぁ……どこにあるの?」という人がほとんどだと思います。寛永寺の現在の中心地……根本中堂があるのは、上野の山……東京国立博物館(トーハク)の西側であり、東京藝術大学の北側に位置します。 東叡山寛永寺は、名前に「東の叡山」とあるとおり、京都御所を守護する滋賀の比叡山にならって、江戸城を守護するために寛永年間に作られました。比叡山延暦寺が京都御所の北東……鬼門にあるのと同様に、東叡山寛永

國學院大學博物館で今見られる企画展「神輿―つながる人と人―」の内容

國學院大學博物館のホームページをチェックしてみたら、6月29日から9月16日までの会期で、企画展「神輿―つながる人と人―」が開催されていることを知りました。 同館の企画展は、決して大きなものではなく、こじんまりとしたものです。ただし、わたしが大好きな「無料」で見られるということと、主に新石器時代から弥生時代までの遺物が展開されている常設展が、充実していることもあり、今年になってから既に2回も訪ねています。今回も、どんな展示がされているのかを、同館のサイトとYouTubeチャ

西と東がぶつかる場所で、古代に陽気なミュージシャンが描かれてた……@東京国立博物館

東京国立博物館(トーハク)の中で、日本以外のアジアの古物を展示するのが東洋館。その2階の奥には、10畳ほどのスペースを含む、大谷探検隊の将来品……中国西域の作品が展示されていることが多いです。 そこに、いつだったか印象的な壁画や器が展示さていたのですが、noteの下書きに埋もれさせていました。現在は展示されていませんが、せっかく思い出したのでnoteしておきます。(調べたら、昨年2023年の9月〜10月頃に開催されていた特集展『博物館でアジアの旅 アジアのパーティー』でのこ

光源氏を描いた『源氏物語』 @トーハク

東京国立博物館(トーハク)では、今季も源氏物語関連の展示品がいくつか展開されています。中でも《源氏物語冊子》と《源氏物語図扇面》とが一緒に展示されているのは、うれしいです。 解説によれば、トーハクには《源氏物語冊子》について「浮舟の巻を欠く計53帖が所蔵」されているそうです。前半の17帖までは三条西実隆、飛鳥井雅俊等による室町時代の書写で、後半の36帖は鎌倉時代の書写といわれているそうですが……なぜ前半より後半の方が古いんですかね……。 《源氏物語図扇面》は、源氏物語の全

トーハクの7月の近代絵画……池田蕉園や小林古径などなど

前回は、東京国立博物館(トーハク)で展示されている《東海道五十三次絵巻》をnoteしました。その絵巻製作に参加した、日本の近代絵画の……日本画部門の……巨匠たちの他の作品が、同じフロアに多く展開されています(つまりは岡倉天心と関係の深い人達の作品です)。 ■小林古径の《出湯》と《麦》 今村紫紅や前田青邨などと仲良しだったと思われる小林古径。両氏の話をnoteした時などに、たびたび小林古径の名前に触れていましたが「はて? どんな絵を描いていたんだろ?」と、よく名前は聞くけど

横山大観、観山、未醒、紫紅が旅して写生していった『東海道五十三次絵巻』⑤舞坂〜吉田・豊橋……@東京国立博物館

1915年(大正4年)、横山大観47歳、下村観山42歳、今村紫紅35歳、小杉未醒34歳の4人は、京都を目指して旅に出ました(各年齢は、生年と製作年とで単純計算したものです)。 その4人が東海道を旅しながら順繰りに描いたのが、東京国立博物館(トーハク)に所蔵されている『東海道五十三次絵巻』です。トーハクの1階の近代絵画を展示する部屋で、不定期的に何度も展開されている絵巻。毎回異なる場面が見られますが、今回は巻六……その中でも舞阪から吉田・豊橋を描いたものになります。 先日、

如来の頭部・髪型コレクション…如来の頭はいつから螺髪なのか? @トーハク

週末に東京国立博物館(トーハク)へ行った時のはなしです。混雑している本館を避けて、久しぶりに東洋館をじっくりと巡ってみようと思い立ちました。 それでなぜだか忘れたのですが気になったことがありました……如来像の頭って、いつからパンチパーマみたいな髪型になったんだろう? ってことでした。インドで釈迦が仏法を説き始めたときからなのか、それとも仏教が中国などへ渡った時なのか……がね、ふと気になったんです。 如来に限らず、仏様たちの頭って、それぞれのアイデンティティというか、階級を

『雪舟・山水図屏風の系譜』みたいなトーハクの展示構成 伝周文&雪舟から狩野山楽&探幽…そして呉春

じゃじゃん! 今季の東京国立博物館(トーハク)の展示構成について、わたしが勝手にタイトルを付けるとすれば『雪舟・山水図屏風の系譜』です。 周文や雪舟が描いたと伝わった作品だよ……たぶん違うけどね……という作品は、トーハクに頻繁に展示されています。そんな中から、今回は「山水図」をフィーチャーしています。 室町時代に生きた伝・周文の《山水図》から、伝・雪舟……そして、彼らを神格化するようにリスペクトしていった室町時代後半から江戸時代初期の狩野派……山楽さんと探幽さん……さらに

で……よく聞く十六羅漢とか五百羅漢って何? @トーハク 7月15日まで

十六羅漢とか五百羅漢(ごひゃくらかん)って、よく聞くわりには、どんな人たちなのかや、何をした人たちなのか、よく知りません。だからだと思うのですが、寺や博物館で「十六羅漢」や「五百羅漢像」を見ても、正直あまり「ありがたい」感じがしないんですよね。 東京国立博物館(トーハク)でも、かなり頻繁に「十六羅漢」や「五百羅漢像」が展示されています。2024年7月7日現在も、ありました。見つけたのは、トーハクの東洋館。4階の中国書画の部屋です。 これまで、わたしがよく見てきたのは、掛け

大人の好奇心を沸き立たせてくれる東京駅前の博物館……インターメディアテクに小4息子を連れて行きました

初めて行った時に「こんな素敵な博物館があったのか!」と思ったインターメディアテク。東京駅の目の前にあるKITTE(丸の内JPタワー)2階にある博物館というか、ミュージアムスペースみたいな感じでカタカナで書いた方が適しているような空間です。 素晴らしいなと感じた理由は、まずはジャンルの幅広さ。自然科学、工学、人文科学、社会科学……様々な展示品が展開されていて、かつての帝室博物館(現在のトーハク)もこんな雰囲気だったんだろうなと思わせてくれます。 そこで、先週は思い立って小学

ゴッホって、インド細密画も好きだったのでは? @トーハク

先日……と言っても1〜2週間くらい前に、東京国立博物館(トーハク)の本館が混んでいたので、久しぶりに東洋館を巡ってみました。その中で、インドの細密画をじっくりと見ていたら「あれ? ゴッホって……浮世絵だけではなくて、インド細密画からも影響を受けていたんじゃない?」と、根拠もなく感じたので、そのままタイトルにしてみました……でも全く根拠はないので、あしからず……。 サラスヴァティーは、芸術・学問などの知を司るヒンドゥー教の女神。日本では弁財天(弁才天)として知られているそうで

気になる絵……ある明治の装幀家・漫画家の話 @トーハク

いま現在は展示されているか分かりませんが、3カ月前くらいに、東京国立博物館(トーハク)の近代美術の部屋に『晩春』という作品が展示されていました。見るのは少なくとも2回目。前回も目が停まって、記録として何枚かの写真を撮ったのですが、noteすることもなく、iPhoneなのかカメラのSDメモリーカードの奥深くへと消えてしまいました。 今回、iPhoneのメモリーが逼迫し始めたこともあり、主にトーハクで撮った写真の整理を試みていたら、『晩春』の写真が出てきました。今回は忘れずにn