マガジンのカバー画像

宝石💎のような

58
感銘を受けた珠玉の記事を感謝と共に収めました。ありがとうございます。
運営しているクリエイター

#エッセイ

運命の扉の開き方

運命の扉の開き方

実は、9月の終わりに、もうそろそろ今年は終わるなと急に思い立ち、10月以降の1年間の年間スケジュールを立ててしまっています、笑

ま、1年の始まり・・・
というか、新しい月日の始まりって、人によって違ってもいいもんね♪

なんでそのタイミングで今年の終わりが来たのかな〜って改めて考えてみると、私にとって大半を占めていた物事があるのだけど、それを手放す時期が来たから、「あ!一年が終わる」って感じたの

もっとみる
ペトリコールの共鳴【あとがき】

ペトリコールの共鳴【あとがき】

『あとがき』を初めて書く。

これが読まれているのは、
まだ見ぬ6月なんだと感慨深い。

日記やエッセイ、雑記に必要ない「あとがき」を、小説では初めて書いてみる。
理由はいくつかあるが、その一つは、
普段は表に出さない創作への自分の思いや考えを、
率直に表現したいと思ったからだ。

わたしは、ハムスターを主人公にした小説を書きたいという夢を抱いていた。

きっかけは、
ホームセンターで見たキンクマ

もっとみる
小説: ペトリコールの共鳴 ㊱

小説: ペトリコールの共鳴 ㊱

←前半

最終話 ペトリコールの共鳴 ⑤
都心へ向かう帰りの電車は土曜日で空いていた。
膝に乗せたリュックのポケットはメッシュ素材になっており、キンクマが熟睡する姿が見える。

ペットショップでひとりぼっちだったキンクマと
妻に依存していた俺は、人生において最悪な状況や事件を一緒に乗り越えた家族だ。

キンクマはキンクマで、人間との生活は言語とネットを駆使して自立してきた。
そして俺はどうだったか

もっとみる
ここにいるよ、ここにいる。

ここにいるよ、ここにいる。

じぶんの歩いてきた道をたとえば
白い地図に点と点でつないでゆけば
どんな線を描くんだろうって時々
夢想してしまう。

でたらめな線を描きながらも、変わらず
そこにいてくれたのは母かもしれない。

結婚もしなかったから。
離婚した母と暮らしてどれぐらいに
なるだろう。

太陽がいっぱいみたいに、わたしにとっては
まぶしいほどいっぱいだ。

昔は喧嘩もしたし、悪態もついてシカトもした。
沈黙戦を決めて

もっとみる
履歴は問いません、今のあなたがみたいんですと言ってくれた人。

履歴は問いません、今のあなたがみたいんですと言ってくれた人。

こういう返事が返ってくるだろうなって

どこかで人は想像しながら話しかける

ことってあるけれど。

想いもよらない返事を頂いて、そのことが

忘れられないことってある。

わたしは、むかし1冊だけ短歌集の本を

出版したことがあった。

その時、とある方からお声をかけて頂いて、

ぼくたちのサイトで、もしよろしければ

書いてみませんか? と、お誘いを受けた。

今お誘いを受けたと、しれっと落ち

もっとみる
傷つくだけで強くなれなかった。そんなわたしの声になってくれたひと。

傷つくだけで強くなれなかった。そんなわたしの声になってくれたひと。

心が弱っていて、しゃがみこみたくなるほど瞬間的におちこんでいた時。

ある人が教えてくれた。

何かに悩んでいて袋小路に入り込んでいる時は、

じぶんのことばっかりを考えているからだよって。

そう言われて、すこし恥ずかしくなっていたら。

俺もいつもそうだからって。

ほんとうにそうだった。じぶんのことばかりしか考えていなかった。

昨日もちょっとそんな感じだったんだけど。

人と比べていたんだ

もっとみる
藤井風「満ちてゆく」に満たされて。

藤井風「満ちてゆく」に満たされて。

リリースされてしばらく経っているので
後だしジャンケンなところは否めない。

藤井風の「満ちてゆく」の動画を見ながら
いつも号泣してしまう。

noteは遺書だからって前から言っている
そのあたりも映像と重なってわたしに
とってドンピシャだった。

人が生きて悩んで生きて失ってまた
ふたたび老いてゆく自分を生きて、
すべてを差し出しながら死んでゆく
という世界観にわたしはとても共鳴
していた。

もっとみる
ずっと続いてほしかったエンドロール。

ずっと続いてほしかったエンドロール。

わたしの好きなドラマ、「カルテット」。

夢がかないそうで叶わない。
いつまでこんなことやってるんだっていう
想いにも駆られながらも、夢にピリオドを
打つことを止めにした彼らが好きだった。

一緒に下る坂を下ろうぜみたいな。
四重奏楽団カルテットを組んだ男女4人の
物語。

脚本の坂元裕二さん好きな人には馴染み
すぎているぐらいの
台詞だけど。

泣きながらご飯食べたことがある人は、生きていけます

もっとみる
メメント・モリ。死じゃなくてあなたを想うそんな日々だった。

メメント・モリ。死じゃなくてあなたを想うそんな日々だった。

あの大震災からもう10年経ったんだと思いながら、

10年前のじぶんの日記をみていた。

あの頃、ツイッターを始めた知り合いの人が

何人もいたけれど。

わたしはなかなか手が出せなくて。

なにかを言ったり書いたりすることがすごく

こわくなっていた頃だった。

いつかやるよって友人には言いながら

やらないまま日々は過ぎ。

あの頃からなんとなくだけど、SNSやっていないと、

世の中に存在し

もっとみる
インタビューを受けて、過去に許された気がした。

インタビューを受けて、過去に許された気がした。

つらい時、早く時が過ぎ去ればいいのにって想う。

今は昔よりも早く時が矢のように過ぎてゆく
けれど。

それでもつらい時は、その矢の形がどんな形か
みえるような、時間の流れ方をする時がある。

先月、以前お世話になったコラムニストの
上原隆さんから新刊のお知らせを頂いた。

10年ほどまえ、はじめて上原隆さんにお目に
かかった。

あの頃、わたしはひどい鬱を患っていて。

過去がどれもこれもぜんぶ

もっとみる
はじめての絵本を作りました!『どこかでだれかが』。

はじめての絵本を作りました!『どこかでだれかが』。

noteに来てから3年目になります、ゼロの紙と
申します。

はじめての絵本を憧れのイシノアサミさんと
ご一緒させて頂き創ることができました!

この絵本は。
すてきなとある方からのリクエストから始まりました。

御縁をつないでいただき、心より感謝申し上げます。

福岡で開かれるひと色展が、明後日からスタートします。
そちらにも絵本を額装して飾らせて頂いています。

今日は一足はやく共作絵本
『ど

もっとみる
たったひとりに贈られる言葉たち。

たったひとりに贈られる言葉たち。

不思議なもので、言葉に落ち込んだ時は
また、言葉を探しにいってしまいたく
なる。

時々、言葉は道具だからと半分うそぶいて
しまいたくなるけれど。

言葉は日常のコミュニケーションのためにも
あるし。
作家のような「世界」を際立たせるために
格闘している人のことばもあると思う。

言葉って、単なる道具じゃないやり方として
贈り物って考えも一方である。

言葉をかけられて、すごくやる気がでたり
うれ

もっとみる
四十二歳の戯れ言を、いつか真実にすることが楽しい道。

四十二歳の戯れ言を、いつか真実にすることが楽しい道。

息子が干支にちなんだ龍を、樹脂粘土で作ると言った。

「お父さん。隣で見ていて欲しい。誕生日だからあげるよ」

と言いながら、新聞紙の上に材料を広げている。私は促されるように向かい合う形でテーブルに座り、小さな手で黄色の絵の具を粘土に混ぜ込む姿を、薄ぼんやりと見ながら思量することにした。

息子は自分の軀の中に外見上では全く判断出来ない「あるもの」を抱えている。それを「病」だとか「疾患」と表現した

もっとみる
絵本の中に居場所があることを夢想して。

絵本の中に居場所があることを夢想して。

できそうなことがほとんどなかったわたしは
消去法でかろうじて書くことが残ったのかも
しれない。

好きから始まったわけじゃない「書く」という
ことと面と向かったけれど、その処し方が何も
わからなくて、言葉に背かれたり背いたり
しながら、紆余曲折とか七転び八起きとか
しながらここまでやってきたのかもしれない。

「夢」にたいしてなかなかポジティブに
これですと対峙できるものはなかったけれど。

ぼん

もっとみる