みんなの文藝春秋

中国はかつて世界の最先進国だった/野口悠紀雄

★前回の記事はこちら

 人類の長い歴史で、中国こそが世界の最先進国でした。紙と印刷術を発明し、それを利用して紙幣を発行しました。これができたのは中国だけで、マルコ・ポーロは、「錬金術のようだ」と驚いています。

◆紙は中国で発明された

 これまで、「遅れた中国が、リープフロッグによって先進国を飛び越えた」ということを見てきました。

 しかし、人類の歴史を見ると、中国こそが、長い期間を通じて世

もっとみる
ありがとうございます!
13

殺人2件、強制わいせつ2件で服役合計30年……「ある性犯罪者」衝撃の告白

「ヤバい、また襲ってしまう」性犯罪を繰り返すある男がいた。名は寺本隆志(67)。幾度となく罪なき女性を傷つけ、刑務所で長い歳月暮らしてきた。接見と手紙のやり取りを続ける記者に、寺本は衝撃の告白をする――。/文・石川陽一(共同通信長崎支局記者)

なぜ繰り返すのか

「もう刑務所には戻りたくない。本当です」

しかし、と男は言葉を継いだ。

「2度とやらないという自信はありません」

2019年2月

もっとみる
ありがとうございます!
4

小説「観月 KANGETSU」#34 麻生幾

第34話
熊坂洋平(7)

★前回の話はこちら

「病院に行ってきちんと検査しない(しなさい)」

と七海は、ここ最近、何度もそう言ってきた。

  だが母はその都度、

「分かったわ。ちゃんと行くけん」

と言うばかりでなかなか病院へ足をむけようとはしない。

 風邪もめったにひかないし、根っから健康には自信がある母のことである。

 大病を患っているとは七海は思わなかった。

 しかし、67歳

もっとみる
ありがとうございます!
5

出口治明の歴史解説! 日本で神道と仏教が混ざった理由

歴史を知れば、今がわかる――。立命館アジア太平洋大学(APU)学長の出口治明さんが、月替わりテーマに沿って、歴史に関するさまざまな質問に明快に答えます。2020年4月のテーマは、「宗教」です。

★前回の記事はこちら。

【質問1】お寺の境内にお稲荷さんなどを見かけると不思議な気持ちになります。初詣もお寺も神社も関係なくいきますし、人気の御朱印巡りでも、2つを区別していないひともたくさんいます。日

もっとみる
ありがとうございます!
18

俳句|佐藤文香

また今度

ぜんぶ雉鳩(きじばと)日割の春をはじめから

ちぎりパン咲いた梅咲いてゐる梅

雨粒に光の憩ふ焼野かな

大木の椿とくぢら色の缶

橇しまふ今度コヨーテ描いて見せて

わかつてくれる弥生ご飯は左利き

枇杷(びわ)の葉や葉裏や春は幾度も来る

【編集部よりお知らせ】
文藝春秋は、皆さんの投稿を募集しています。「#みんなの文藝春秋」で、文藝春秋に掲載された記事への感想・疑問・要望、または

もっとみる
ありがとうございます!
9

美しい言葉とは 中野信子「脳と美意識」

★前回の記事はこちら

 カタカナ語をめぐる言説がかまびすしい。

 ここまで誰も彼もが同じようなことを口にしているのを見ると、ただカタカナ語を使うな、と言いたいだけなんじゃないか? と勘繰りたくなってしまう。また誰か特定の一人を叩く流れにみんな便乗しようとしているのか、とうんざりもしてくる。何度も何度も注意を喚起してきたのに、やっぱり同じことが起きてしまう。

「カタカナ語を使って目立とうとする

もっとみる
ありがとうございます!
19

小説「観月 KANGETSU」#33 麻生幾

第33話
熊坂洋平(6)

★前回の話はこちら

 台所に戻った七海は、真っ先に居間のテーブルに視線を向けた。

――新聞がなおされている(片付けられている)……。

 だから? と七海は自問した。

 それはほんの些細なことかもしれない……。

 しかしそれでも七海は気になった。

 音を立てて食卓の前に座った七海に気づいた母が振り返った。

「食事、もうできちゃ」

 母が笑顔で言った。

 

もっとみる
ありがとうございます!
13

出口治明の歴史解説! 93歳のエリザベス女王の卓越した政治センスに学べ

歴史を知れば、今がわかる――。立命館アジア太平洋大学(APU)学長の出口治明さんが、月替わりテーマに沿って、歴史に関するさまざまな質問に明快に答えます。2020年3月のテーマは、「女性」です。

★前回の記事はこちら。

【質問1】世界では女性の首相が増えています。出口さんから見て、政治的な手腕の優れた女性といえば誰でしょうか?

 現職の首相でいえば、ドイツのアンゲラ・メルケルさんをまず挙げたい

もっとみる
ありがとうございます!
17

小説「観月 KANGETSU」#32 麻生幾

第32話
熊坂洋平(5)

★前回の話はこちら

 七海は、母の、“あん人”というその言葉が引っ掛かった。

 その言葉が、自分が知らない母と熊坂さんとの関係があることを想像させたからだ。

 でもそんなことはあり得ない、とすぐに頭の中から拭い去った。

 これまでの二人の姿からは、そんな関係があると感じたことは一度としてなかったからだ。

 ただ、熊坂さんに警察が関心を持っていることに、なぜそん

もっとみる
ありがとうございます!
5

西寺郷太 小説「'90s ナインティーズ」#11

第二章
BIRD SONG / 自由の小鳥

★前回の話はこちら。

 父親との交渉が思いがけないほどラッキーな形で決着した翌日。僕は新宿の中古電気店に意気揚々と向かい、ダブルカセット・デッキをまとめて3台購入した。当時、僕の部屋のステレオの「軸」となっていたのは、上京する際に持ってきた「A&D」のシステム・コンポ「GX COMPO 830」。元々持っていたダブルRECリバース・デッキに、新たに買

もっとみる
ありがとうございます!
25