マリアナ海溝の蟻。【逆噴射小説大賞2023】
アスファルトに誰かが捨てたガムがたまたまここにあって、俺の因果か横たわる。アスファルトのざらざらとガムのまったりとした感触が、一度に頬に刺してきてその声に重なる。へらへらしてろ。一生そこで溶けてろと、靴の先で脇腹を抉るように蹴られ、転がされてしばしローリング。
アルマジロみたいなやり方で、膝を抱えながら耐える。耐えていると胸の
奥のほうで生まれる何かを感じる。孕むってこういうことか?男は自分の手を使いたくないのか足や肩で俺をいたぶる。目の前にジェリービーンズを散らかしたみた