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ちいさな言葉の欠片たち(エッセイ)

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あの日のあの言葉って、納得いかないんだけどとか。誰かが言ったちょっといいなって言葉を紹介しながら、まるで日常なエッセイや日記書いています。
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おじさんの時間、星野道夫さんの時間。

(ソーシャルディスタンスな日々よりずっとむかしの日記より) 目の前に座っていた人が、はら…

今日も仲良くなれますように。

食べるという行為はほんとうに不思議だ。 ファミレスのハンバーグランチだって 時には一口一口…

言葉はどこからやってきて、どこへゆくんだろう。

この間、ふるい喫茶店で話をしながら。 文章を書く時どんな感じで言葉が 手元にやってくる? …

図書館で長い散歩をしてきました。

まだまだ夏まっさかりの日曜日。 図書館にいくために待ち合わせした。 この間は七月にそこを…

夏へ短い手紙を書くとしたなら。

春も秋も冬も。 気がつくと季節はそこにいて。 皮膚感覚として好きとか嫌いとか 色々言ってし…

しあわせなピリオドと、はじまりと。

①はじめて夏バテみたいなものを経験して。 体調というものは簡単に崩れてしまう ものなんだな…

夏風邪と三ツ矢サイダー。

あーって扇風機の前で言ってみる。 あーってふるえる声が辺りに放たれる。 蝉が鳴いていた。 いつか網戸に蝉がくっついていて、部屋中に 蝉の声が鳴り響いていた。 あんなに思い切りなにかを言えたらすっきり するだろうなって夏の蝉に勝手に憧れる。 あー風邪ひいたかもしれん。 大学の終りの夏。 卒論疲れを感じていたわたしは 身体だけが取り柄だったはずなのに風邪をひいて、彼の部屋で悔しがっていた。 おでこに手をやるんじゃなくて、おでこで熱を測るあれをやってくれて、すこしだけお

「安全な場所に居続けてください」、もうひとつの意味。

もうひとつまえの台風が、やってくるとテレビのニュース 番組でアナウンスされていた時に、耳…

大人びた気持ちを夏の栞にして。

時間が後戻りしたような純喫茶店にわたしたちはいた。 むかしの昭和の家庭にあったような、ひ…

あやまちに馴染みたい、夜だった。

罪とは言わないまでも、その場所に居る人に とってはちょっとした心地よくないことを してしま…

ブランコが境界線を教えてくれたように(創作大賞感想)

傷みをまっすぐてらいもなく書ける人に 憧れがある。 じぶんの何処が痛いのかちゃんと見つめ…

家族は作るんじゃなくて、なってゆくもの。その間にはいつも「おいしいごはん」があっ…

年齢を重ねると、じぶんが育ってきた 「家族」って如実に輪郭をあらわにしてくる。 ああわた…

「好き」になるには理由があった。(創作大賞感想)

和菓子屋さんもいいけれど。 洋菓子屋さんのあのガラスケースの中は 幾つになっても、心が躍る…

AI画像と文章がゆるぎなく一対一で向き合っている。(#創作大賞感想)

いつもわたしは少し不思議になる。 みんな言葉をどんなふうに読んでいるんだろうと。 わたしは癖なのか、小説の言葉を目で追っている とき、そこには脳内でビジュアルを変換させながら 読んでいる。 ゆえに、わりと描写のこまかい作品がすきだったりする。 書く時も然り。 書く時は頭の中にある映像を言葉に翻訳している。 そういう経験をはじめてしたのは『マディソン郡の橋』 だった。 とつぜん読むスピードで映像がわたしのなかに立ち上がって きて、今脳の中で何が起こっているのかとす