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【※映像あり】おじいちゃん おばあちゃん おじいちゃん@塚本エレバティ (妹子と鼻でかから告げられる、突然の言葉...)絶望のネガティブリアクションズ⑳

バンドの状態は怖いくらいに最高。
初めて河川敷でエロ本を拾った時の、恐怖と興奮と性衝動のよう。

そんな類の、"内なる何か"を形にしていく俺たち『ネガティブリアクションズ』

誰の意見も聞かなかったし、どこを探しても同じ気持ちの仲間はいなかった。

尊敬、愛する、嫉妬する表現は、もちろんたくさんあった。


俺らが夢見て、その夢を形にしても、
それを評価なり、理解してくれる存在はいなかった。

伝わり始めてはいたんだけど、まだそれは音楽的な部分だったり、上辺のちょっとした奇抜さだったり。

なぜ最高の状態だと思えたか?というと、核となる"表現"は完成していたから。
あとは大衆に向けて、伝えやすくしていく作業を試行錯誤するだけ。

ということは、俺らは自信に満ち溢れていた。
わかりやすくなればウケる、売れる、認めてもらえるって判断ができたから。

そんななか、2006年の11月に初主催のイベントが控えていた。
完璧な1日をメイクするために、どうすればいいかを必死に考える日々。

多ジャンルのバンドさんを呼んだ『おじいちゃん おばあちゃん おじいちゃん』という名前の自主企画イベントまでもう少し。

21~22歳頃までの、画伯ちゃんの生きてきた集大成を出し尽くす時がきた。

しかし、そう思った矢先
妹子(リードギター)鼻でか(ドラム)の口から、思いもしなかった言葉を聞くことになる。

これまでのネガティブリアクションズは↓↓↓


過去のバンドまとめマガジンは↓↓↓


おじいちゃん おばあちゃん おじいちゃんvol.1

「おじいちゃん おばあちゃん おじいちゃん」を口癖にしていた当時の画伯ちゃん。
メンバーが「それでいいやん!」と言ってくれて、企画名が決まった。

誰を呼ぶか?どんなイベントか?
という会議で、これまでのネガティブリアクションズの集大成っぽいイベントにしようと決めた。

呼んで必ずしもオファーが通るわけじゃないけど、来てもらえる関係性の深い(影響を受けていた)バンドさんを誘った。

(確か)全バンド即OKだった気がする。
ありがたい。愛していたし、愛してもらえている気もした。

何かが伝わってくれていたんだなって。

当時の出演者は

『おじいちゃん おばあちゃん おじいちゃんvol.1』塚本エレバティ

NOW OR NEVER
sasi
恋人KILLER
RUIN feat 西田ひかる (from京都)
木工用バンド
・アメリカンズ(メンバーが後にmanchester school≡を結成する)
ネガティブリアクションズ

出演者の皆さん、見にきてくれたお客さん、スタッフさん。
当時は本当にありがとうございました!

特に、バンド活動がなんたるかを全て教えてくれて、見守ったり応援してくれていた『NOW OR NEVER』の皆さん(この日ギターの方が高熱を出していたけど、俺らのイベントだからと点滴を打って無理して来てくれた)大変お世話になりました。

(保存してあるデータを確認しても、木工用バンドとアメリカンズのどちらが出演したのか(両バンド出演したのか)あやふやに...申し訳ないです...)


そして、その時のライブ模様をVHSテープから抜き出して編集した。

『おじいちゃん おばあちゃん おじいちゃんvol.1』ネガティブリアクションズ LIVE@塚本エレバティ


YouTube動画です。どうか見てください↓↓↓
 (※諸事情で13秒まで無音ですので注意してください)

~概要欄より~

おじいちゃん?おばあちゃん?おじいちゃん?

「やぁ。ネガティブリアクションズだ」

新メンバーの妹子(ギター)が加わり、ベースレス状態で初めての自主企画をおこなった。

大好きなバンドたちばかりを呼び、慣れ親しんだライブハウススタッフに協力してもらえて幸せな3人。

しかし、このライブの1ヶ月後に...

概要欄の続きはYouTubeにて。

編集:2020年7月17日
チャンネル登録よろしくお願いします!


焦りと、空回り感はあるけど、定点カメラでこれなら大丈夫な範疇なはず。(甘い判定。笑)

スタッフのミスで(PAの○○ったら!)、この先のいい感じのシーンは素材に入っていなかったけど、現場はいい感じで終わりを迎えた。

そして、このライブは誰も予想だにしていなかった『ラストライブ』となった。

最高に楽しい打ち合げ、今後の野望や展望、メンバー間での反省点と修正点のすり合わせ。

どれもできていたはずなのに。

もしくは画伯ちゃんだけが、そう思い込んでいた。


さようなら

そのイベントから1ヶ月後の12月。すっかり冬になっていた。
そして夏の免許合宿を超えてから、どんどん病的になっていた画伯ちゃん。

練習もずっとブチ切れて進行し、全部をシビアにやっていた。

それは大衆向けにするため。じゃないと各自の環境次第で趣味バンド的になり終わってしまう。就職を機にとかね。


各フレーズ、アレンジは全てメンバーの好みに任せていたけど、精神的な部分のみを相当シビアに調整していた。

音も技術もどうでもよかった。
心から気持ちを出せてんのかよ?って。

おまえが見てるおまえの100は、10ですらないんだって!という気持ち。
それはもちろん自分自身に対しても。

そのまま絶命するくらい、気を失うくらい、ゲロ吐いて小便撒き散らすくらい。
何かを保とうとするなんて、1つの目の内面の核にすら辿り着けない。

1つの目に辿り着いてから、余裕や隙間などを作っていけばいいしね。

それを何十個目までも進めて、やっと辿り着けるものがあると思うから。
意識の最奥、無意識の最奥。

そこから全てを引っ張り出してくる。それでいて社会生活や、曲作りは、スイッチを切り替えてシラフでできる感覚も保っていく感じ。

頭に思うだけじゃなくて、外に出す作業ね。
気づきじゃなくて、実現ね。


感情の限界点、顔での演奏(表現は表情で9割完了する)、2時間の練習の中で、永遠に100メートル走をし続けるような追い込み方。

その練習は、上記からも察することができるように、
次第に狂気と暴力に飲み込まれていく。

演奏のミスはチラッと見て流すが、精神においては
その練習する部屋を包み込むくらい出せていないと判断したら、殺す勢いでずっと叫んでいた。

「もっとこいよ!もっとこいよぉぉぉぉ!!!!」

求めていたポイントに、みんなで行きたかったんだ。

・もっと上手いやり方
・もっとゆったりと相手に合わせたやり方
・そもそも表現を捉える角度をズラしてみるとか


求めていたポイントに辿り着く道は、多分いろいろあったんだろうけど。


当時の画伯ちゃんには、狂気と精神的な暴力でしか伝えられなかった。

制作の変化の過程(前バンド時代からこうなっていく様子)を知っていて、付き合いも長く、画伯ちゃんと同じくらい精神を出せる鼻でかはついてこれていた気がする。

鼻でかは毎回のライブで必ず失禁していた。
ハコのスタッフさんは「ドラムのイスのとこ汗すごいっすね」と話していたけど。

あれはおしっこです。
俺たち、おしっこチビりバンド。

人生=おしっこ=表現=顔


でも、加入したての妹子には相当厳しかったんだろうな。

「もうスタジオ練習に行かない!やめる!もう無理!やりたくない!」

音楽が嫌いになりかけるほど追い詰めていた。

あぁ。そうか。そうなるのか。
あそこまで一緒に行けたらなぁ。

行きたかったなぁ。


当時は自分のやり方、病的さに気づいていない。
何度目かの説得の後、"本当"に脱退して去っていく妹子の姿を見ながら


「これも曲にするしかないよなぁ」

と、
ありがとうも、ごめんも、何も言わずに思っていた。

8ヶ月くらいの中で、とても濃い時間を一緒に過ごしていたんだ。
見せていた姿は全部"本当"だった。

本当だったら、なんでもオッケーと捉える節が今もある。
それは誰かにとっての"本当"ではないのに。

そして世界の大半は"本当"を求めてすらいないのに。


妹子の本当をもっと見てみたかったな。

餃子屋さんで初めて一緒に飲んで、小便チビったあの瞬間から、君はPUNK。

俺は"本当"なだけの、ニセモノだから。

ネガティブリアクションズの停止

2006年の12月頭に抜けた妹子
とりあえず過去の経験から、2人での活動には慣れていたし、いったん"スタジオに入ってみよう"となり

鼻でかと2人で、いつものスタジオへ。

画伯ちゃんは新曲を持っていった。
2曲。

あぁ!!!これなら2人でもできる!!!
すんげぇ曲ができた!!!鼻でかも笑うし、これからまた練り直してバンドができる!!!

凄まじいテンションと仕掛けのある、アーティスティックな曲。
画伯ちゃんにとって、とても希望の溢れるような展開をする曲だった。

早く鼻でかに聞かせたい!!!


スタジオに入って、まずは既存の曲を演奏していく。

"あれ...?"


何かがおかしい。
画伯ちゃんだけしか笑っていない。

鼻でかは何も見ていないかのような焦点。

様子がおかしいと思いつつ、休憩を何度か取ってから新曲へ。

"え!笑わない..."


データも歌詞も何も残っていないので、思い出せないが
G→Gmの、ほぼワンコードで構成された曲。

画伯ちゃん的には、シンプルで簡単なのに、難解な世界観を生み出すことができて笑っていた。

だいたいの曲には決まりがある。その決まりの新しいパターンを見つけた感じ。そして世にあまり無いものだったはず。


既存の価値観を壊すことのできるレベルの楽曲。
なのに、次第にビートが消えていくドラム。

"あぁ..."


もう、その時にはわかっていた。
でもその曲のアレンジは進めたし、既存の曲も時間までやり尽くした。

画伯ちゃんの視界は、もう見えなくなるくらい。
やった。やるしかなかった。

帰りの電車を待つ、ホームの上。

鼻でかが話し始める。

それまでずっと無言だったのに。
踏切が鳴っている。

「......と......思うねん......もう......」

ちょうど電車が通過して、聞こえない。
過ぎ去って、鼻でかの口元に耳を近づける。

「もう辞めるわ。続けられへん。終わりにしよう」

電車なんて走り去らなきゃ良かったのにな。

1人になった画伯ちゃん

そのまま無言の車内。
同じ最寄り駅につき、1度もお互いの顔を見ることなく去っていく2人。

あの感動や、あの野望や、あの見せ合った精神の奥底たちは。
そんなにつまらないものだったのか。


どうせなら終わりに飲んで、泥酔してわけわからんくしてくれても。

こんな"本当"の脱退が連続で...

友達も恋人もいたことのない画伯ちゃん。
ノーラバー ノーフレンズだ。このPVの通りだ。

人生ずっと。
1人だ。

どうしよう。
吐きそう。

苦しいよう。悲しいよう。

誰の気持ちも考えてなかったからなのかなぁ。

表現の奥に辿り着いて、それを世界に見せる目的は画伯ちゃんだけの気持ちだったのかなぁ。

俺の頭がおかしかったからなのかなぁ。
全部どれもつまらないことばっかりだったのかなぁ。

"誰もが、その人自身の最高になれるポイントに辿り着ける"
それを、一緒に3人でやりたかったの。

画伯ちゃんの人生なんて犠牲にしてでも、頭がおかしくなっても、そんなんどうでもよかったの。

最寄り駅の階段を登れない。
苦しい。死にそう。

表現するのも終わりかぁ。
大学卒業後のこと何も考えていないし。

バイトして、また偶然を待つのか。

"誰かから人生を変えてもらえる"ような声を待つのか。

ずっとずっと待つだけ。
女子バレー部ジャイアントジャンカーからのネガティブリアクションズ


待つだけ。
自分から何も出来ない。

この誰かに甘える姿勢も悪いのかぁ。

おしっこちびりみたいなPUNKを。
下痢便秘みたいなスピードを。

表現したかったなぁ。

やっと階段を登れた。
お外だ。

目が回る。
星が綺麗なのかもしれない。

そんなことじゃ気は紛れない。
自分を騙すな。

誤魔化すな。
この逃げ野郎。

生きる価値なんてないんだよ。
轢かれろバカ。

死ね。

でもさ、でも。
画伯ちゃんは好かれたかったの。

友達ができて、恋人ができて、仲間が増えて、メンバーがいて。

愛したいの。愛されたかったの。
"本当"を見せあって。

セックスや殴り合いとは違う、
精神的な繋がりを...

それはおまえが思って、決めたことだろ?
幻だろ?それ自体が逃げの発想だろ?

ポケットの中の自転車の鍵をまさぐる。
見つかってるんだけど、見つかっているのかわからない。

ダメだ吐きそう。

それから

これからどうしよう...

そう思って、最寄り駅の近くの道端で立ち止まった。
今はもうないTSUTAYAの近くの茂みで。

手が震えて、涙が溢れて、心が揺れて、身体が固まって。

息ができなくなった。
何も見えなくなった。

人生ってこうやって終わるのかぁ。


と考えるなり、景色が歪んだ。

画伯ちゃんは回転し、落としたソフトクリームみたいに宇宙がヌメっと溶けた。
そして声が無意識に飛び出てきた。

「どうにかしなくちゃ。どうにかしなくちゃ。どうにかしなくちゃ。どうにか...」

感覚のない手でガラケーを取りだし、
電話をかけ始める。

その相手は...

電話の向こうにいたのは...


次回、ネガティブリアクションズの『妄想ラブゲーム』のミュージックビデオ(2020年製作)を公開!

そして次回で『ネガティブリアクションズ編』は終了する。


もう少し付き合ってくれ。
画伯ちゃんがどう生きてきたか、君だけには絶対に見てほしいんだ。

ここにいたんだ。俺も君も。
愛してるよ。

今も愛してるんだよ。

つづく

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