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【怖い話】『幻覚の見え出した2人!?』の免許合宿2【ネガティブリアクションズ⑮】

大阪から移動して、40時間ほど経過した妹子と画伯ちゃん。深夜バスと鈍行電車に揺られて目指していたのは福島県新白河市にある『白河自動車学校』だ。

合宿で運転免許を取得するため、バンドに新しく入ったメンバーの妹子と2人でここまでやってきた。

俺たちネガティブリアクションズの活動を止めてまでの合宿。
2006年の夏(9月)の間に、絶対に合格しないといけない!


・持ってきすぎた大量の2週間分の荷物
・初めての東京、豪雨
・謎の隙間時間を設けた、苦しい24時間観光

それらを乗り越え、やっとの思いで辿り着いた福島県の自動車学校。
"いったんホテルで休んで、翌日から頑張っていこう"と考えていると、学校の受付で名前が呼ばれた。

\今から技能講習はじめますからね〜!/

ふぇぇぇえええ( ゚д゚)
無理とは言えない雰囲気。

駅からここまでの送迎車で一緒だった、東京から来ていた同期の可愛い女の子二人組も驚いていた。
(モデルみたいな子と、クマのぬいぐるみを常に持っている子)


いったい妹子と画伯ちゃんはどうなってしまうのか。
腰は大丈夫なのか。

いきなり車に乗れるのか...
しかしそんな不安を吹き飛ばすような体験が、次々と2人に襲いかかる...

そんな今回は...

・世界一の食堂
・恐怖のホテルハーベスト
・次々と巻き起こる恐怖体験

について書いていく!


前回までは↓↓↓


まとめマガジン↓↓↓


世界一○○な食堂

ひどく疲れたまま"技能教習"、"学科教習"を(確か)1コマずつ受けた。

"あっ、標準語に近いイントネーションで話してくれるんだ!"

と感じて、そこは安心した。
それにしても、生まれて初めての車の運転を、あんなコンディションでおこなうことになるとは。

今回は、金銭面、期間の問題、楽そうだ。
という理由でAT(オートマ)を選んでいた。


本当にATでよかった...
後で聞いたら、周りは結構マニュアル車に苦しんでいたし、そのせいで帰れなくなって延長していた人も多かったから。

全く慣れない環境で、ストレス限界の画伯ちゃん。
妹子も相当辛そうな表情。

何をやっているのかわからないまま、言われたことをなんとなくやっていく。

不思議なのは、疲れすぎて緊張しなかったのか、投げやりだったのか。
思いのほか簡単に運転はできた。


もう夕方。

さすがに2コマやったし、バスでホテルに帰るだけだろうと思っていると、どうやら教習所の食堂で食べて帰るらしい。

1日3食、この教習所内の食堂で配給される。
ときおり休日があるので、その時は自分たちで購入するか、食堂都合の休みの場合はホテルでご飯が用意されるとのこと。


まだ帰れないのは辛いけど、まじで腹ぺこだった妹子と画伯ちゃんは、顔に笑みを取り戻して食堂へ。

行列に並びながら、前の人たちの動きを見てやり方を学ぶ。

お盆に、その日のメインおかずを乗せて、白米は自分で盛って、選べるおかず(納豆・タマゴ・ノリとか副菜とかだったかな?)を選んで空いてる席へ行くようだ。

朝昼晩スタイルが違うから、飽きずに楽しめる内容になっていた。


自分たちの順番が来たとき

「新しい人かい?どこから来たの?」

割烹着のおばちゃん2人が聞いてきた。

「あっおおさ、大阪です、よ、よ!!!」

どもりながら返事をすると

「わざわざそんな遠くから!?あんまり関西弁には聞こえないねぇ。口にあうかしらねぇ」

え!めちゃくちゃ怖いやん😱

妹子は一言も話さなかった。いつものコミュニケーション能力はいずこに...
ひどい疲れと、目の前の食事を"早く食べたい"という顔だけをしていた。


確かこの日はわかりやすくハンバーグ、ひじき的なお惣菜、味噌汁、白米、漬物とかだったはず。

お茶も用意して、空いてる席に座る。
周りのみんなは仲が良さそう。

うまいこと時間をズラして、この時間帯にいるのは同じホテルのみんなだったはず。

違う時間帯だと、教習所近くにある男子と女子に分かれた寮チームのみんながいたはず。


この時はホテル組だけ。


"大阪から来た"と話したからか、周りに見られている気がした。

"食べてるとこ見られるの恥ずかしいなぁ"と思いながら、お茶で喉をうるおして、とりあえず白米を口に運んだ。

(((o(*゚▽゚*)o)))

えええええええええぇぇぇぇぇえええ!!!!!!!!!!!


え!なにこれ!
これ白米!?

危ない薬じゃなくて?
これ白米なの!?

「え!うますぎるやん!なにこれ!米うまぁ!おかわりするしかないやん」


横の妹子も、大きく頷いて白米をかっさらっていった。
2人とも白米信者。

卒業まで何度も食べたけど、この日のコンディションを抜きに考えても、この食堂の米が人生で1番美味しかった🤤

教官たちはオフシーズンに農家をしているらしく、そういうお米が入ってくると。


画伯ちゃんの口に合うのもあったのかもなぁ。
知り合いは妹子しかいないのに、同調を求めるために騒ぐから

「ほんとに大阪の人だったね!イントネーション変わってたよ笑 あんなに美味しそうに食べてくれて嬉しいわ〜。今までここに来た人の中で1番喜んでくれてた〜♡」

まさかの食堂のおばちゃん達と急接近。
画伯ちゃんは、翌日からほぼタメ口でおばちゃん達と会話する仲になった。

ときおりハイパーコミュ力を発揮する。
やっぱ愛があると、そうなるよね。

関西とは違う感じのロールキャベツがよく出てきた。(おばちゃんの得意料理なんだって)
それも本当に美味しかったなぁ。あの日々のおかげで好きな料理の1つになった。


また食堂に行きたいな。
何度も救われたし、あの疲労困憊の合宿初日に心からニコニコできた瞬間だった。

人情や愛情って大切だな。
無愛想だったり、緊張している状態って、人生にはあまり良くないね...!

翌日の朝食から
タマゴ、ハム、ベーコン、ウインナー、納豆などを好きに取っていいことを知る。

でも食べたいのに選べなかった。

なぜなら、各テーブルに置いてあるホットプレートで各自が調理しなきゃいけないから。
ということは、あまり知らない人とホットプレート内で調理しあったり、焼き加減などのタイミングを伺ったりしなきゃいけない。

水を入れるスタイルとか、蓋をしなアカンやろ的なスタイルとか。

この時まで納豆は"ご飯とかき混ぜて"食べていた画伯ちゃん。
みんな別々で食べるか、食べる直前にご飯の上に乗せるだけだった。
そこもカルチャーショックだった。

しかし3日目...5日目...となってくると知り合いが増えて慣れていく。

ホットプレートにタマゴとハムを乗せて油を少し垂らし、水を入れて蓋をして温度はここ!っていう、標準点みたいな温度を見つけ、画伯ちゃんと妹子で周りの人の焼くのを手伝ってあげたりもするようになっていた。

This is 成長...!

「納豆を人前で食うのは苦手ですねん」って説明して始めは断っていたのに、後半にもなると毎朝ガッサガサ言わせながら食べていた。

環境ってすごいね。そしてそばに妹子という仲間がいるのも大きかった。
画伯ちゃんは一気に社会を学んでいっていた。

(あまりに補足と振り返りが長い。笑)


恐怖のホテル ハーベスト

初日のご飯を食べて、ようやく送迎バスの時間に。
ここに着いてから6時間くらい経っていた。

早朝の東京を出発してから、ここまでノンストップ。
すごすぎる。

髭剃りもできていないひどい顔のまま、バスに乗り込む。
このとき思ったんだ。

バスの座る席に決まりとかあるんじゃ?
この時は、早く帰りたすぎて何も考えず、順番待ちの列の先頭に近いところにいた。

もうバスに乗り込むところ...


わかんねぇ!あとでなんか思われてもいいや!今は疲れてるし!

疲労困憊も大事だな。
しょーもないことを、うじうじと考えていても仕方ない。

何かあったら対処すればいいだけ。


普通に座って、普通にバスは出発した。

セーフ!(安堵)


道中、帰りのホテルまでの送迎ではコンビニに寄ることを知る。
ホテル近くにはゴルフ場しかないので、必ずここで水などは買っていくべきとのこと。

妹子と降りて、お酒と軽いご飯やお菓子を買った。

「めっちゃ買ってきたね...」

運転手さん(ホテルへの送迎は、前回の方言の強いおじちゃんとは違う)はそう言ったが、俺らの体型を見てくれ!
パンパンのパンだ!太ってるんだ!

さっき、ご飯たくさんお代わりしたけどいいじゃないの。

教習所から2~30分ほどバスを走らせた、民家もほぼ無い大きなゴルフ場横の小さなホテルについた。

いま必死に調べたけどホテルの情報が何も出てこない。
2006年時点では、結構あったのに...

白河自動車学校の合宿用のホテルも変更されていた。

あれは夢だったのか?
これから話すことはネット上に残っていないのか?笑


古めかしいけど、悪くない感じ。
みんな鍵を受け取って、それぞれの部屋に向かっていく。

画伯ちゃんたちも、さっそく受付へ。

「今日から2週間お世話になる画伯ちゃんですけど、部屋はどこですか?」

と聞いても、「聞き取れません」としか言わない。

そんなわけ...なくない...?笑


「鍵を持っていないし、部屋番号もわからない。初めて来たんですよ!」

「聞き取れません...」

殺したろかい!
おぉん!なんやねん!おまえこら!


という気持ちを押し殺し、ブチ切れようとしたら

他の従業員がやってきて、鍵を投げてきた。

え...!なんで!

「大阪からですよね...?(確か)102号室ですんで、そちらの階段かエレベーターで地下へ。封鎖されたトイレの横の部屋になります。わかりましたよね?封鎖されたトイレは絶対に使わないでくださいね」

大阪への差別...?
事前に受け取ってる客のデータによって、差別をしてるっていうこと...?

怖くなって、黙って移動することにした。
全身壊れるくらい大量にある荷物を抱え直し、言われた通りの部屋へ向かった。

周りのみんなはすでに鍵を受け取り、その場から居なくなっていた。
妹子は事態の緊迫感を理解して、なんともいえない顔になっていた。

荷物があるし、エレベーターを使うことに

妹子と「まぁ2週間お世話になるし、キレんとこうや」と話し合い、"とりあえず今日はゆっくり休もう"と決めたところで、エレベーターが開いた。

血まみれだった。


え?
どゆこと...

古い記憶だから、大袈裟に誇張しているかも。


でも斜めに1mくらいの赤い線(そこまで古くなさそうな)が、目線の高さから下に向かってついていた。

拭き取るのも諦めるくらい、日常茶飯事で何かが起きている...?


乗れないやん...と躊躇していると、まだ残っていたらしい合宿ホテル組の1人で来ていた男性がエレベーターに乗りこんだ。

それに合わせて俺らも乗った。
でも俺らが乗ったのは、この時くらい。

他に誰かがいたら、それに合わせて乗ったけど、自主的には1度も乗らなかった。この時は大きな荷物があったのと、ひどく疲れていたのもあって乗れた。


受付の狂気だけじゃなく、エスカレーターで残虐性にも触れることになるとは...
どうなってんねん、このホテル...怖すぎやろ...

しかし、こんなものはまだ可愛いものだった。


地下の部屋・102号室

エスカレーターから降りると

1人で来ていた男性は颯爽と自分の部屋へ入っていった。
画伯ちゃん達より奥の不気味な部屋へ。

俺たちは荷物のせいでゆっくりしか歩けなかった。


このとき信じられないことが起きる。

薄暗い通路(なぜか"非常灯のみ"のような照明加減)を、ゆっくり部屋番号を確認しながら歩いていると

「うおおおおおぉおおぉおぉぉぉぉおおぉぉんんんんん?んんんん!!!!!!」

という叫び声と、唸り声。


妹子と顔を見合わせた。
汗が吹き出して止まらない。

「今なんか音したよね...?音というか唸り声...」

「した。した。絶対した」

妹子は泣きそうな顔。
画伯ちゃんは意識が飛びそうだった。

怯えながらも少しずつ歩みを進めると、謎の獣の匂いも漂ってくる。
そして唸り声は大きくなる。

とある部屋の前で、内側からガンガン鳴らす音が通路に響いた。
お化け屋敷なんてもんじゃない怖さ。

"助けてくれ"

そんな意味合いが含まれているような音が響く。

その音に驚いた俺らは、封鎖されたトイレに迷い込んだり、他の部屋を開けそうになりながら、やっと自分たちの部屋を見つけた。

なんとか助かる...よかった...

そう思い
部屋を開けると...

チキンラーメン的なお菓子が、床一面にばらまかれていた。

え...?
恐怖の種類が多すぎない?

大阪への憎しみ?
初夜の儀式?

これを2週間繰り返すの?
絶対寝れないじゃん。

お酒買っててよかった...


とりあえず靴を履いたまま移動して、ベッドでゆっくりすることに。
砕かれたチキンラーメン的なものを踏みしめながら、ベッドサイドに腰掛けてやっと横になれた。

まだ夏の終わりを感じさせない9月頃。夕方だからまだ外も明るいはず。


地下ゆえか、とてもカビくさい部屋だったので、空間の換気の意味も込めて、光を入れようと窓に近づいた。

え...?

外の地面(アスファルト)が20cm見えるくらいの、半地下。
明るさの調整も、空気の入れ替えもできない作りになっていた。

これはまずい。
シャワー浴びて酒飲んで寝よう!

教習所、食堂は安心だし、ここには寝るために帰ってくるくらいやし。
もう寝よう!


そう思って順番交代でシャワーを済ませ、画伯ちゃんは髭剃りもして綺麗さっぱり。

よし!いい感じ!

「これ洗濯の場所や仕組み、近所に何か無いか聞くのはちゃんとしなアカンよなぁ。ホテルの奴と話すん嫌やなぁ。また明日にしよっか」


そう妹子と話し、一緒にお酒を飲もうとしたとき

「うわあぁぁぁぁぁああああがぁぁぁぁあ!!!!!!!
!!イアイイイイ」

という叫び声


少し遠くから迫ってくるような音量。拷問みたいな音。
さっき通路で聞いたやつと、どうやら同じやつだ...

「こんなん...怖すぎてギャグですやん...」

妹子は震えて、顔面蒼白に

そのとき

ドンドンドン!!!

ドンドンドンドンドン!!!!!

ドンドンドンドンドンドンドン!!!!!!!

確実に画伯ちゃん達の部屋のドアを、外から叩く音が聞こえてきた。

今でも不思議やけど

こっちの音の方がリアリティがあって、生きたエネルギーを感じた。
もしこっちのほうが危ない存在でも、さっきから聞こえる音たちよりは狂気感は無かった。


そんな直感が駆け巡り、救いを求めて、その扉まで2人同時に走った。
話さず、目線も合わせないまま。同じ行動を取った。


俺ら2人が

「うわあぁぁぁぁぁああああがぁぁぁぁあ!!!!!!!
!!イアイイイイ」

と言いながら鍵をあけて、扉を開くと

そこにいたものは...

つづく

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