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諸悪と悲劇の根源=「奪う文化」と「負の連鎖」に立ち向かう

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人が奪う理由は、飢餓や喪失感に根差す本能のため。そして奪われた者は、恨みの矛先を奪った者、または他者に向ける。その繰り返しが、恩(pay)ではなく苦(pain)を送る(forwa… もっと読む
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#カルチャー

賃上げされたといってもその実態は?

賃上げされたといってもその実態は?

賃上げのニュースが相次いで、連合の一次集計では賃上げ率は平均5.28%で、前年の同時点(3.80%)から1.48ポイント上昇した。

これ自体は喜ばしいことたが、とはいえ、当たり前だが全ての企業が一律でこの割合であがるわけではない。ニュースなどで個別に伝えられる企業は大抵大企業だ。
日本において大企業の就業者は全体の3割でしかない。上澄み3割が賃上げしたところで残りの7割が変わらないのであればあま

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小さな大冒険で成長するのは大人のほうかもしれない

小さな大冒険で成長するのは大人のほうかもしれない

埼玉県が意味不明な条例を作ろうとしているらしい。

Xで書いたところプチバズった。

厳密には、罰則などはないわけだが、通報義務はあるらしい。戦前のような密告社会でも作りたいのだろうか?

クルマの中に児童(特に乳幼児)を放置するのは、今までも多くの熱中症死亡事故があったように規制してもいいと思うが、ここで出されているような①とか②なんて強制する意味を感じない。別に埼玉県民でもないので知ったことで

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「業績がいいから給料をあげられる」のではなく「給料がいいから業績があげられる」

「業績がいいから給料をあげられる」のではなく「給料がいいから業績があげられる」

とても良いことだと思います。

初任給含め若者の給料を底上げすることは、巡り巡って彼らの婚姻増にも寄与する可能性が高い。給料があがれば結婚できるという短絡的な話ではありませんが、「貧すれば鈍する」というように安心できる収入がなければ、恋愛やレジャーなどの行動を起こす気持ちすら失われてしまう。そして金がなければ消費もしなくなるので、経済全体も停滞してしまう。

「失われた30年」といわれるように、こ

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なんでも「ヤバイ」、なんでも「すごい」、なんでも「青色」

なんでも「ヤバイ」、なんでも「すごい」、なんでも「青色」



© CEL

いろいろなものがどんどん短くなっていく。パッセージが短くなっていく。ボキャブラリー、語彙が乏しくなっていく。なんでもかんでも「ヤバイ」、なんでもかんでも「すごい」。ツイッター、フェイスブック、LINEと、長文が短文に、文章が単語に、インスタグラムになって、文字が消え、写真と映像だけとなる。さらに絵文字。 感嘆符扱いから、文字が消え絵文字単独になり、「意味」が人によって様々に受けと

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ほんの35年前100人いた母親が40人に減った日本

ほんの35年前100人いた母親が40人に減った日本

何度も言ってることで恐縮ですが、「少子化は解決しない。なぜなら起きているのは少子化ではなく少母化だから」という事実を認めたがらない人が相変わらず多いので繰り返し言っています。

2015年時点の国勢調査でも一人以上出産した母親の数をだしましたが、2020年の結果がでたのであらためて記事化しました。1985年と比較した場合に、2015年時点でも母親の数は半減でしたが、2020年にはさらに進んで6割減

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なぜセクハラがおこるのか

なぜセクハラがおこるのか

“オフィスでどう声をかけたらいいのか”わからなくなったという人が多い。たとえば「メシでもいく?」と、オフィスでしょんぼりしている部下の女性に声をかけたら、「セクハラ」といわれる。

セクハラは受け手が不快に感じるかどうかだとよく言われるが、「メシでもいく?」という言葉の意味は伝わって誤解はないが、“こういうとき”に、上司が部下に「メシでもいく?」という誘いをするという意味が部下には理解できない。上

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日本が失った「沈思黙考」の時間

日本が失った「沈思黙考」の時間

10年先、30年先から振り返ったとき、こう思うのではないだろうか。あの「テレワーク」がエポックメイキングだった。テレワーク・リモート・オンライン時代はあの頃から始まった。それまでの場と時間の構造が大きく変わった。自分時間は倍増した。その倍増した時間との向きあい方で、そのあとが大きく変わった。と気づくのではないだろうか。この2年間、コロナ禍による構造変化を考えつづけてきた池永のCOMEMO「コロナ禍

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降伏したら平和がくるわけではない。その後も命の危険は続く。それが戦争だ

降伏したら平和がくるわけではない。その後も命の危険は続く。それが戦争だ

ロシアのウクライナ侵攻のニュースは毎日刻一刻と流れてくる。

当然ながら、これについて多くの人間がいろいろな意見や見解を出している。そうした見解を出す際にその人の本質というか本音が垣間見られることもある。

大前提として、戦争なんて誰も望んでいないだろう。それはウクライナ人だけではなくロシア人とて同じだ。しかし、誰も望んでいないはずの戦争が、人類が創生された20万年前から一度たれとしてなくなったこ

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「足りない、足りない」病の人間に「足りない」ものはなにか?

「足りない、足りない」病の人間に「足りない」ものはなにか?

北京五輪は、選手の活躍に一喜一憂するだけではなく、人生の教訓も得られる。

本日、スノーボード競技で、平野歩夢選手が念願の金メダルを獲得した。

この記事では触れられていないが、日本だけではなく、世界中の人が思ったことは「彼の2回目の採点の低さ」だったろうと思う。

米放送局『ESPN』のアリッサ・ローニッヒ氏が「トリプルコークを見逃していたのか?!」と疑問を投げかけると、同局のケリー・コーエン氏

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日本は、もはや先進国ではなく「後退国」に成り下がってしまった

ヤフーの方で公開した下記の記事が爆発的に読まれました。

特に、僕個人ととしては目新しいことを書いているわけではなく、2017年上梓した「超ソロ社会」にも書いて以来、ずっと言い続けてきている「日本人口6000万人説」について再整理したものです。

ただし、世間はまだこの未来を知らない人も多く、「多死社会が来る」という事実すら把握していない人も多い。2021年の死者数は確実に140万人を超えますし、

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「ダメな私でごめんなさい」という自己責任に追い込んでしまわないように…

「ダメな私でごめんなさい」という自己責任に追い込んでしまわないように…

読んでいて辛くなる事件です。

2020年7月、京都市左京区に住む無職の女性(54)が、重い障害がある長男=当時(17)=をマンションの自宅で絞殺する事件が起きた。女性はうつ病を抱え、殺害後に自殺を図っていた。「何かもう疲れてしまいました」。11月に京都地裁で始まった公判や関係者への取材からは、ワンオペで育児を続けた女性が息子の進路に悩む中、精神的に疲弊していき、SOSもうまく出せないまま絶望感を

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仕事を楽しいと思えない人間が、この社会を貧しくしてる?貧しいのはどっち?

仕事を楽しいと思えない人間が、この社会を貧しくしてる?貧しいのはどっち?

昨日の夜、大きな地震がありました。

品川駅で帰宅難民が出たらしく、タクシーに大行列ができたとか。10年前の被害市日本大震災を思い出しました。無理に帰宅しようとせずどこかのお店で時間を潰してください。

特に、品川駅に通勤される方は、今週は月曜から不快な広告見せられて、今日は地震に見舞われて本当にお疲れ様です。

品川駅の不快な広告とはこれです。

最初見たとき、なんのコラかと思いましたが本物でし

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差別する人間、支援する人間というふたつのタイプの人間がいるのではない。100年前の歴史から学べる事

差別する人間、支援する人間というふたつのタイプの人間がいるのではない。100年前の歴史から学べる事

続々と人口減少化が進む他の先進国と違い、いまだに人口増加の米国、しかし、その内訳は、ヒスパニック人口が23%増加し、アジア系は35.5%、黒人は5.6%増加、2つ以上の人種を自認する人の数も10年前に比べ約3.8倍と白人以外がすべて増加している。

こうした人口動態は感情のこじれに直結する。ちょっと前、アジア系の人に対するヘイトクライムが話題になっていたけど、対中国との関係性の問題もあり、こじれた

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「あってはならない」なんて道徳的建前論が犠牲者を増やす

パワハラについて書きます。僕は独身研究の傍ら、職場いじめについても取材していて、今までも職場いじめ・パワハラについては記事化しています。

そんな中、こんな記事を見ました。

今回、痛ましくも自殺されてしまった方は、上司のパワハラで、推測ですが、多分適応障害になっていたと思われます。一度休職したにも関わらず、復職後、一応別のグループに異動したものの、元の上司の席に近いところで働かされた、とある。

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