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バーテンダー社会学

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夜の飲食で働く人々の生態系と日常の社会生活のギャップを考察。そこから見えてくる様々な問題を考える。
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#読書

「バーテンダー褒め学」実践編

「バーテンダー褒め学」実践編

褒めるべき優れた人が、その褒められるべきポイントには誰一人気がつかず、私だけが見抜いていたら嬉しいだろう。つまり誰にでも褒めるべきところがあると思えば、それを探しだそうとする好奇心が湧き上がるというものだ。
反対に探しても捜しても一向に褒めポイントが見つからない迷宮のラビリンスのような人がいる。これは相当に厄介だが、ただ単に私自身がその人の「良さ」を見抜けない未熟者の可能性も否めない。
褒めるべき

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「カオス営業」〜トラと羊〜

「カオス営業」〜トラと羊〜

BARを営む上で最も充実感が満たされる状況のひとつに、「一体感」がある。
店が意思をもった巨大な生命体に変わる。
スタッフのバースデー祝いや周年などで時折見られる現象だ。
お客さんとスタッフの求める思いが一体となって湧き起こるウェーヴ感がそれを可能にする。
「ああ、お店を続けていて本当によかった」
と、心底思える瞬間だ。
若いのも年寄りも隣に座った面識のない者同士でも、すぐに旧知の中よろしく打ち解

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モテ学4「笑顔の秘密」

モテ学4「笑顔の秘密」

素敵な笑顔の男がいた。
彼の笑顔は周囲を明るくした。
彼が微笑むと皆がつられて笑顔になった。
それがモテるポジティブな笑顔である。
モテる男の笑顔には、そういう意味がある。

どういうことか?

例えば……。
男が笑顔で笑っている。
彼の笑顔にも素敵な魅力があった。
彼は何を見て笑っているのだろう?
彼の目線を辿っていくと、横転した車の側で泣き叫んでいる人々の光景があった。
それを見た私は彼に恐怖

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モテ学3「髭の魅力」

モテ学3「髭の魅力」

残念なことに私は髭が薄い。
せいぜいが鼻下と顎あたりにボチボチとお粗末なカビ髭だ。

昨今、毛深い男子がメンズエステで脱毛に金をかけていると方々で耳にする。
無駄毛処理ならまだわかる。
だが、自らの髭を嫌う者も少なくないと聞いて驚いた。
けしからん!もったいない!と思うのである。

元来、髭とは男性の「3大シンボル」の1つではないのか?
2つ目はたくましい筋肉、3つ目は言うまでもないだろう。
これ

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(3)バーテンダーは3つの空気を自在に操る。空気を壊す編

(3)バーテンダーは3つの空気を自在に操る。空気を壊す編

これまで、1.空気を読む、2.空気を作るについて書いてきました。
そして今回は最終章、「空気を壊す」について書いていこうと思います。
まずは、なぜ空気を壊すスキルを覚えなければならないのかについて書いていきます。

コミニケーションの中には、気の合った仲間や同年代の友達ばかりではありません。
むしろ、そうでない場合のシチュエーションが多数存在します。

想像してみてください。
例えば、初対面の複数

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(2)バーテンダーは3つの空気を自在に操る。空気を作る編

(2)バーテンダーは3つの空気を自在に操る。空気を作る編

さて、空気を読む編では、空気を読むとはどういうことで、なぜ、空気を読まなければならないのかについて書いてきました。
今回は「作る」について書いていきます。

空気を作るには、2つの意味があります。
1.今ある空気をより良くする
2.悪い空気を良くしていく(難易度高い)

空気を読めるようになって、相手の望みを理解したとしても、それだけでは十分ではありません。次は、相手と2人で共同作業をしなくてはな

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(1)バーテンダーは3つの空気を自在に操る。空気を読む編

(1)バーテンダーは3つの空気を自在に操る。空気を読む編

誤解を恐れずに言うなら、最近、おもしろい人がめっきり減ってしまった。
理由はいくつか思い当たるが、一つに「人としてバランスの悪い人、人間味のある人」が少なくなってしまったことだ。逆に言うなら、バランスの良い優等生タイプが多く、話していても味気がしない。
薄味の精進料理を食べているようで、それが20代の若者から感じた時には残念で屁も出ない。
時代が変われど、人はそう簡単には変わらないと、高をくくって

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