マガジンのカバー画像

続ちょこっとひとこと

1,122
故郷・神戸に戻り、今を綴るもまだまだヨチヨチのエッセイ集。
運営しているクリエイター

2022年10月の記事一覧

でんぶはどこ? しいたけは?

でんぶはどこ? しいたけは?

以前、この記事で、ちらし寿司の東西の違いについて触れた。

寿司飯の上に味つけした具材が載る、西のちらし寿司。
寿司飯の上に豪快に寿司ネタが載る、東のちらし寿司。

ずっと食べてきたのは、西のちらし寿司。
でんぶを散らしたあの甘い寿司は、今でも子供の頃を思い出すトリガーだ。

就職して東京住まいになったときショックを受けたのが、東のちらし寿司。
見たこともなければ食べ方も分からない、驚きのちらし寿

もっとみる
時折チャンスが訪れるこのフライトを心から楽しんでいる

時折チャンスが訪れるこのフライトを心から楽しんでいる

中学に上がった頃だっただろうか。
愛想笑いを繰り返す自分に嫌気が差した。

友達との会話で、おもしろくなくてもヘラヘラする自分が情けなかった。
その乾いたニセの笑い声は、まるでクラスに自らの存在をアピールするかのように、本当の笑い声より大きく高くカラカラと響いた。

もちろん、やりたくてやっていたわけではない。
すべて無意識のなせるわざ。
まぁ今にして思えば、人づきあいがそれほどうまくなかった僕の

もっとみる
「なぁなぁ、知っとぉ?」はまだまだ続く

「なぁなぁ、知っとぉ?」はまだまだ続く

僕は小さい頃から、かなりの教えたがりだった。
まぁ程度の差こそあれ、小さい子はだいたいは教えたがりだけど。
「なぁなぁ、知っとぉ?(ねぇねぇ、知ってる?)」と、自分が先に知ったことを人に教えたがる。

でもそのうち、たいていのことは多くの人が既に知っていることを知る。
自分の知識の範囲が狭いうちは、いくら自分が「へぇ!」と思ったところで、まだまだそれは他の人にとっては知識の範囲内なのだ。
なんや、

もっとみる
おそらくこの球場メシのおかげだとひそかに思っている

おそらくこの球場メシのおかげだとひそかに思っている

この2年、にわかに忙しい。

なぜって? それは応援するオリックスが急に強くなったからだ。
もちろん野球の話。

震災のあった1995年、イチローの活躍もあって神戸の球団として初めて優勝し、街に希望の灯火を点して以来のファンだ。

ところが、2000年から2020年までのパリーグでの順位変遷はこうだ。❹(2000)>❹>❻>❻>❻>❹>❺>❻>❷>❻>❺>❹>❻>❺>❷>❺>❻>❹>❹>❻>❻(2

もっとみる
その話をしたのは、10年ほど経って時効になってからのことだ

その話をしたのは、10年ほど経って時効になってからのことだ

初めてケーキを作ろうとしたのは、大学生の時だった。
突然天命を帯びたごとく、ケーキを作らなければと思ったのだ。

僕の住んだ下宿は、かぐや姫の『神田川』を彷彿とさせる共同住宅だった。
さすがに「3畳一間」ではないが、自分のスペースは6畳一間だけ。
キッチンは共同だったから、自炊することは稀だった。
そこにきて、突然のケーキだ。

おそらく、そこに見え隠れするのは彼女の存在だ。
「今日、ケーキ焼いて

もっとみる
遠路はるばる、ごちそうさま

遠路はるばる、ごちそうさま

昔、東京で主夫をしていた頃、漬物に凝ったことがある。
ナス、キュウリの塩漬け、ぬか漬けといった定番もの、ゆで卵の醤油漬け、サワラの西京漬け、豚の味噌漬け、など。

漬けサイクルというものがあるのか、何かを漬け出すと途切れさせたくない気分になるから不思議だ。
たいてい漬け込むのに数日を要するから、今漬けているものを食べきる日を予測し、そこに照準を合わせて次を漬けるといったことを繰り返すうち、漬けサイ

もっとみる
「やっぱり人間てアホ?」

「やっぱり人間てアホ?」

一昨日から体調少し下り坂。
ふだんの4日分に相当する長いプロフィールを書き上げたからか、昨年に続きオリックスが日本シリーズをとんでもなくハラハラと闘うせいか。
今朝は少し回復している気もするが、今日はおとなしくしておこう。

***

A long time ago in a galaxy far, far away…
――遠い昔はるか彼方の銀河系で…

先週まで2週間かけて「スターウォーズ」全9

もっとみる
プロフィール

プロフィール

いまさらと思わないでもないが、プロフィールを書いてみた。
少しでも僕のことが伝わればと書くうち、3,000字を優に超してしまった。

第1章🔹略歴幼少期~思春期

幼稚園から高校までの日々を思うとき、真っ先に頭に浮かぶのは好きだった女子の顔や名前、その子と話したことなどばかり。
恋に胸を焦がしまくった15年間だった。
勉強のこととか、ほとんど記憶から欠落している。

大学時代

大学は必修科目以

もっとみる
そんな思いが農家のお姉さんの目に止まったのなら

そんな思いが農家のお姉さんの目に止まったのなら

「農業に興味お持ちなんですか?」

昨日の午後、近所で開かれていたマルシェに足を向けたときのこと。
有機農家の店を覗いていたら、店の若いお姉さんから声をかけられた。
おそらく有機に取り組むご本人だ。

――そうですね。
ベランダでオクラを育てたら30cmくらいにしかならず、しかもたった4cmの実がてっぺんについたんです。

えぇ、てっぺんですからね、それを収穫したら終わったんですよ。
わっはっは―

もっとみる
豪快な食べっぷりに惚れてしまった

豪快な食べっぷりに惚れてしまった

ねこまんまが好きだ。
あまり褒められたことではないのだろうけど。

ねこまんまとは、味噌汁をかけたごはんのこと。
しかし東では、鰹節と醤油をかけたごはんを指すことが多いらしい。
人それぞれ別のものを思い浮かべてしまっては話しづらいので、この記事だけ「味噌汁をかけたごはん」のことを「NMM」と名づけよう。

僕は、元来が雑炊好きだ。
ねこまんまを好きにならないはずがない。
あ、違う、NMMを好きにな

もっとみる
光りもの三部作、ついに完結

光りもの三部作、ついに完結

昨日、迷いの記事をあげた。
ほかでもない、書くことについての迷いだったから、いつも以上に反響をいただいた。

改めて書くことについて考えた、こんな思いでnoteに書いている、など多くのコメントをいただいた。
皆さんやっぱり、書くことが大好きなんだと実感する。
時には、なんでnoteに書いてる?と自問自答しているとも。
思うに皆さん、もうホント、同志だ。

初めてコメントいただく方もおられて小躍りし

もっとみる
言外にあるのはもちろん、読む人の顔を思い浮かべて書く、だ

言外にあるのはもちろん、読む人の顔を思い浮かべて書く、だ

「スキとかフォローとか気にせず、書きたいことを書くんです」
noteで“時の人”とされる人たちがよく言うフレーズだ。
しかしその一方でこうも言う。
「それがスキやフォローをもらう秘訣です」

スキとかフォローとか気にせず、なんて言わなければいいのに。
“時の人”は、自分の価値がそれらの数値で表されていることを知っている。
たくさんのスキやフォローがもらえるようになりたいと願うnoterの前で講師を

もっとみる
国産国消するだけで自給率が上がるわけではない

国産国消するだけで自給率が上がるわけではない

何日か前の新聞に「食料自給率を高めてほしい」という投書があった。
要約するとこんな内容だ。

確かにそう願いたい。
外国に依存する日本の食糧事情はまさに綱渡り状態だ。
いつ途絶えるか分からない輸入に頼らず、自給率を上げなければ…

しかし話はそう簡単ではない。
消費者が国産国消するだけで自給率が上がるわけではないのだ。

過去にこんな記事をあげたことがある。

食料の生産には大量の水が必要であり、

もっとみる
髪を切りに行ったら何かが起きる気しかしない

髪を切りに行ったら何かが起きる気しかしない

三宮の行きつけの美容室で、半年に一度くらいカラーをお願いする。
アッシュの8トーン、ときどき9トーン。

カラーを塗り込むとき、耳に染料がつかないように耳カバーをかける。
シャワーキャップのミニ版のようなやつ。

ところが僕は、老後の金運を皆に心配されるほど耳たぶが小さい。
耳カバーをかけるや否や、ゴムがジリジリと縮み始め、すぼまっていく。
耳たぶに引っかかりがないからだ。

そしてまもなく、耳カ

もっとみる