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夜中一生懸命書いていた手紙を翌朝読んで恥ずかしくなるみたいな、否定をしないうちに(日記24)
明日の朝に目が覚めたら、今日の私を否定する私が起きるかもしれないから眠るのが怖い。
夜中一生懸命書いていた手紙を翌朝読んで恥ずかしくなるみたいに。
石橋を叩いて割ってしまわないように、わたしは時々宇宙に行く───のだけれど、
時々、大学へ向かって歩いている最中に、わたしの体を細胞レベルにまで感じることがある。
そうやってどこまでも(わたしでさえも)‘’現象の移動”でしかないことを知ると、「宇宙と
プールの自由時間に何をしていた?(日記23)
いつものように明日が来ることに対する緊張で眠れないので、プールの水底に沈んでいく感覚をイメージしていたけれど、結果として小学生時代のプールの時間のことを思い出していた。
クロールとか平泳ぎの練習を終えると、必ず最後に自由時間があったと思う(いいえ、誰でも?)。
あの時間にしていたことといえば友達と笑いながら水中鬼ごっこをしたり、1人でプールの奥深くまで潜ってその上に浮かんでいるクラスメイトの下を
駆け抜ける馬であること──映画「哀れなるものたち」(原題:「Poor things」)を観て
私も男の性器に股がって腰を振るとき、草原を駆け抜けて広がった世界へ飛び出していく馬になりたいと思った。
映画を観た後に色々なレビューを見たけれど、フェミニズム云々は私にはまだまだ力不足で(とはいえ、女が行き着く先はどんな女であろうと娼婦なのかなとは思ったりもした)、1番思ったことはこれだった。そしてこれを言葉にしたいと思った。
騎乗位というけれど、私自身が馬なんだと思う。
ほんでてっきり最後、
心の底の方がゆっくりと冷えていくうちに、遠ざけていた話(日記22)
↑画像のように、今わたしの胸の奥にある心の底の方が、どんどん冷えていく感覚を思い出しています。
友人の話を聞いて、「まぁいいんじゃない」と言ったら、
「他の友達に言ったら、「考え直した方がいいよ」と言われたから、あなたがそう言ってくれて安心した…」
と言われた。
私は、否定する気持ちがただ失せているだけなのだと思う。
というか、友人とか知り合いの話に対して踏み込む気力がそこまでないのだと思う。
【掌編小説】outside the oasis
『Outside the oasis』
あなたは【オアシス】に入って、その中にいる仲間たちとミラーリングをして楽しむ。私の入れない【オアシス】に入って、その中にいる仲間たちとミラーリングをして楽しむ。そしてあなたは、【オアシス】の仲間の呼吸でマーキングされた服を着る。
スモークまみれの箱の中を覗いても、私には何も見えない白昼夢。自分の楽しめないことで楽しめる彼らがうらやましくて、何かの銘柄
卒論を提出した後の空白を埋める作業と、心鏡(こころのかがみ)について(日記21)
つい先日卒業論文を提出し終えて、Twitterで締切直前に阿鼻叫喚している人達を観測して(見えないものではなく、とても見えるもの)、私は来年からも論文を書くから“最後”と言っている人達からスっと離れて、画面をよくスクロールした年明けの夜。
就職する人達(ありがとう)が一気に解き放たれたように(純粋な)自由になっている姿と、私の周りにはまだこれから院試を受ける人達の姿とがあって、その狭間に私がいる
浸りたいわけじゃない罪の償い方を教えてください(日記20)
数年ぶりに父の誕生日におめでとうのメッセージを送ったときの、迷子センターの放送を自覚したこと、途方もない夕暮れの中を歩いていくことの、暖かさと冷えた指先を知らされる時間にありました。
中途半端なことをしているんだ、と思ってそれならじゃあ大きくどちらかに傾けばいいと思っても、これから優しくあろうとしても、完全に過去は許せないのなら、そちらに傾いてもどちらにせよ中途半端なのではないかと思います。
そ
そんなことで?腕を切る(日記19)──ミサイルが落ちてくる恐怖に怯えること
初めて腕を切ったのは中学1年生の秋だった。
その日、日が暮れるまで友達と下駄箱で話し込んで、積もる話に満足して帰って家の扉を開けたら、兄が「帰ってきた!!」と大声でリビングから飛び出してきた。
そのとき、日が暮れても帰ってこない娘を心配して母が血相を変えながら学校にも電話していたことを知った。
私は友達と積もる話をしてすっかり満足して帰ってきたものだから、そんなことになっているとは微塵も思ってい
【エッセイ】不幸とか不幸とか不幸とかをつめこんでふやかしたらハッピーセット
朝食会場でオムレツを作り続けるシェフの永久機関。精液にブラックライト。存在をかき消していく音姫。机に頬をくっつけて眺めると、空に傾いていくキャンパスの芝生と校舎。
最近、視界に映るものすべてに意味づけをしてしまって、かといって目を閉じても、形ではない事象や過去に思いを馳せてぐるぐるととりとめもないことを考えてしまう。それこそ、シェフの腕で回される卵液みたいに。きっとこいつらは今の私を私たらし