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ともみの部屋 #2

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伊佐知美の、世界一周の旅とエッセイ。2016年10月〜
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#写真

【11/12・13開催】「花と暮らすマルシェ」in中目黒|美しい色彩を、私の日々に。

【11/12・13開催】「花と暮らすマルシェ」in中目黒|美しい色彩を、私の日々に。

世界の旅を続ける暮らしの中で、だんだんと気づいていった、「花が好き」という気持ち。どうしてこんなに心惹かれるのだろう?と考えてみたことがあるのだけれど、「美しい」「生きている」「暮らしを明るくしてくれる」etc……たくさん理由が思いつく中でも、おそらく私の場合は、色彩への憧れがいちばんの理由になるようだった。

ちょっと話は離れてしまうけれど、駆け出しライターの頃、コスメに関わる仕事をさせてもらっ

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思考と言葉のかけらを、週2回お届け。「伊佐知美と古性のちの頭の中」共同noteメンバーシップ、はじまります

思考と言葉のかけらを、週2回お届け。「伊佐知美と古性のちの頭の中」共同noteメンバーシップ、はじまります

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昔話から始めてしまうのだけれど。金融業界の会社員をしていた頃、「現実を見なさい」という言葉をよく聞いていて、暗に「夢ばっかり見ているんじゃないよ。今の環境でしっかりと生きなさい」という意味が込められていると感じてた。

けれど、「私は、長い旅に出たい。書き物の仕事をしながら」という長年自分の中で温めていた、それこそ「夢」に向かって歩き出したら、あれよあれよとその言葉の意味が変わっていった

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人生3度目のハワイへ。「マラマ」が導くあたらしい旅の形【アメリカ・ホノルル→日本・成田空港】

人生3度目のハワイへ。「マラマ」が導くあたらしい旅の形【アメリカ・ホノルル→日本・成田空港】

まだうまく言葉にならない。経験した時間と光が、沈殿せずに空気中を漂っている。今は、ハワイと日本の間の空の上。雲と空を眺めながら、Macbookを開き、口よりも上手に話してくれる指に言葉を綴らせる。

まだ、やっぱりうまく言葉にできない。けれど忘れたくない。手のひらで水をすくうように、指の間から大切な思い出たちがこぼれ落ちてしまわないように。私は、撮って、書いて、見た世界の美しさを可視化することで残

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旅の美しさを知っている。並行して、日々の美しさも手に入れられたら【スペイン→日本】

旅の美しさを知っている。並行して、日々の美しさも手に入れられたら【スペイン→日本】

駆け抜けた旅だった、と振り返ることもできずに今思う。帰りの乗り継ぎ便の、トルコ・イスタンブール。メイクを落として、コンタクトを外して、東京・羽田までの搭乗口が決定するまで、まだ1時間20分の時間がある。

広い新イスタンブールの国際空港。人生ですでに6度目くらいな気がしている。とても広い空港内は、預け入れ手荷物がすでに手を離れているとはいえ、バックパックにたくさん機材が詰まった「NO.1大事荷物た

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一度は暮らしたいと思った国を、自由に歩ける人生の、なんと軽やかで美しいことだろう【🇪🇸スペイン・サンティアゴ/レオン】

一度は暮らしたいと思った国を、自由に歩ける人生の、なんと軽やかで美しいことだろう【🇪🇸スペイン・サンティアゴ/レオン】

一度は暮らしたいと思ったことのある国を、自由に歩ける人生の、なんと軽やかで美しいことだろう、とスペインのサンティアゴを眺めながら思い出す。世界中、たくさんの国を訪れたけれど、いくつかの国は私にとって特別で、スペインも、そう、その特別な国のひとつだった。きっとこれからもそうなのだろう。もしかしたら、人生の中で長く過ごすこともあるかもしれない場所だ、とすらやっぱり思う。

スペインを訪れるのは4回目。

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1ヶ月間のオンラインデザイン留学を終えて【#モンアカ】

1ヶ月間のオンラインデザイン留学を終えて【#モンアカ】

2022年6月は、ずっと学んでみたかったデザインを学ぶ1ヶ月にしようと決めて、6月がついに無事に終わった。

1ヶ月といっても、学習期間は20日間。なので最終授業は6月24日だった。ゆえにこのnoteを書いている今(7月1日)は、すでに卒業済みの私である。

授業は、1日3時間半だった。仕事終わりの夜の時間を使って、平日月曜日から金曜日まで、毎日19:15〜22:45までは必ずPCに向かう日々。と

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旅と日常が循環するライフスタイルホテル「MEGURU|巡」へ【沖縄県石垣島・川平湾】

旅と日常が循環するライフスタイルホテル「MEGURU|巡」へ【沖縄県石垣島・川平湾】

2泊3日を過ごした石垣島川平湾の「MEGURU | 巡(以下、MEGURU)」を離れる時、まだまだやりたいことも、見たい景色も、感じたい風もあったのに、どうしてだか満たされた気がして、不思議な気持ちで車に乗って石垣の港を目指した。

朝起きて、沖縄の風景を思わせるカーテンを開け、海風を誘うために窓を開けたこと。音楽を聞こうと準備をするときに、Spotifyをポチり、ではなく、ラジカセにテープを入れ

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デザイン留学のあたふた合間日記 in 沖縄・首里【#モンアカ 1week】

デザイン留学のあたふた合間日記 in 沖縄・首里【#モンアカ 1week】

念願だった「モンスター・アカデミア」のデザイン留学も始まることだし、色々ほかに考えたいこと、一人で落ち着いてやりたいこともあるし(東京の自宅では、パートナーと保護猫2匹との4人?暮らしだ)、6月の多くの日々は、大好きな沖縄で一人で過ごそう、と決めてやってきてから、早今日で11日目となるらしい。

来る前は、沖縄では毎日noteを書こうと思っていた。できたら朝は早く起きてヨガをして、白湯を飲んで、お

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目が覚めた時、私は異国のオーストラリアの空の下にいて【Sydney→Hunter Valley】

目が覚めた時、私は異国のオーストラリアの空の下にいて【Sydney→Hunter Valley】

目が覚めた時、一瞬本当にどこにいるかわからなくて。私はオーストラリアにいて、話しかけられている言語は日本語ではなく英語で、さらには車の中にいて、その車の天井の窓はオープンになる仕様で、車の中にいるらしいのに、鮮やかな夏色をした街路樹と、南半球の空が頭上に広がっていて。

思い出すまで、きっと0.2秒くらいのほんの短い出来事だった。1秒後には私は状況を把握して、車の運転手であった彼に、日本語ではない

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はじまりの合図を、離島の海の端で聞いた【沖縄県・渡嘉敷島】

はじまりの合図を、離島の海の端で聞いた【沖縄県・渡嘉敷島】

飛行機の窓の向こう。遠くの空と海の境に、愛しい島が見えた。青い空、青い海。この深さ、知っている。肩の力がふっと抜けて、少しだけ軽くなった気がした。

ヨガをするときは、まず目を閉じて、呼吸を整え、それから身体を伸ばしていく。そして、すかさずインストラクターは言うのだ。「できたら、奥歯の噛み締めを、ゆっくりとほどいて」。

言われるまで、奥歯に力が入っていたことに気づいてすらいなくて、それに驚いたこ

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ジェルネイルを辞めた分、軽くなった夏と秋のあいだの夜に

ジェルネイルを辞めた分、軽くなった夏と秋のあいだの夜に

夕暮れを見届けたあと、すこしだけ歩こう、と思って海沿いを進んだ。日が沈むと沖縄の夏は秋にすぐに向かっていく。東京よりも涼しい夏の夜なのではないかな、とワンピースの裾はためかせて確かめる。

月に一度、通い続けているジェルネイルサロンに寄ることを、仕事終わりにさっき決めた。

世界旅行をしていたときに、必ず塗っていた爪の先。なんとなく面倒くさくて、何よりもサロンに通い続ける、ということがあまり性に合

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世界中の、何気ない日常の愛おしさと美しさを写したい #花と写真と日々と

世界中の、何気ない日常の愛おしさと美しさを写したい #花と写真と日々と

このnoteは、2021年春に実施した「伊佐知美とGENICとNikon Z 6IIでPhotoLabo #花と写真と日々と 」のイベントレポートです

突然だけど、「何かを撮る」という行為が、「とくべつ」でなくなって久しい。

それはやっぱり、スマートフォンが世界中に普及した結果、「カメラ」という「機材」をそろえることなしに、「瞬間を残すこと」が多くの人にとって、容易になったからだと思う。

撮る

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「好きなレンズは、素敵な景色に連れていってくれる」まるでお気に入りの靴みたいに。

「好きなレンズは、素敵な景色に連れていってくれる」まるでお気に入りの靴みたいに。

「写真を始めたい」と思った時、「どのカメラを持ったらいいか」と考えるのは、写真好きの永遠の命題な気がする。

けれど、写真を始めて数年が経った今思うことは。もちろん「カメラ=ボディ」の話も大切すぎるほど大切なのだけれど、「大好きなレンズに出逢えるかどうか」も、写真を楽しむライフには欠かせないのではないだろうか、ということだ。

NIKKOR Z 35mm f/1.8 S

レンズは、当たり前だけど

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「この土地、この季節から逃げない」という選択の自由さを

「この土地、この季節から逃げない」という選択の自由さを

カラン、と音を立てて、横開きの雨戸を開けて店の中に入る。海沿いの読谷村において、まるで森のなかにいるようなカフェ「Bloom Coffee Okinawa」。まだこの町(正確には村である)で暮らしていなかった時代に、それでもやっぱり惹かれて、時おりコーヒーを買いに来ていた場所である。

朝起きて、今日はアポイントが夜しかない、と改めて考える。こういう日は、意図的に予定を入れていない「原稿締切day

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