伝吉_TellGlad

人生の始点と現在を繋いでみたら、何てことはない「水勾配」の線が一本引けました。そこそこ…

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人生の始点と現在を繋いでみたら、何てことはない「水勾配」の線が一本引けました。そこそこ成長した思っていたのは、ひとりよがりな勘違い。七転八倒と五里霧中が得意技。そんな手仕事人 伝吉 の「川の流れに身を任せた備忘録」です。

マガジン

  • 目下 製作中!

    伝吉の根付や彫刻作品の過程や道具造りの風景をまとめています。

  • 癒しの漫画

    伝吉の心の隙間を埋めてくれる個性的な漫画たち。感情を揺り動かしてくれる作者の皆さんには尊敬しかありません。

  • 日常

    平穏無事を願う伝吉の平凡な日常

  • 記憶より記録

    今は亡き小学校時代の恩師(認知症を自覚しておられた)が呟いた「記憶より記録だよ」を今更ながら噛み締める伝吉のささやかな足跡録。 (写真:宮城県北部山間と平野を結んだ通称くりでんの車両基地にて)

  • 本という名の大樹

    愛すべき物語の枝先に実る果実(作家、物語の背景など)について素直に綴ります。

記事一覧

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【目下 製作中!】秋に焦がれて

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残暑見舞い『天然かき氷はいかが?』

 残暑お見舞い申し上げます。  何の因果か、今に至って梅雨に逆戻りをしたような湿気と、熱帯然とした酷暑に白旗を挙げるばかりの私。もはや、風前の灯火です。  と言…

伝吉_TellGlad
10日前
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【本という名の大樹】大好きな絵本#01

 いよいよお盆休みが迫ってきました。  そんな時節に頭をよぎるのは、本棚を占拠している蔵書や押入の中を埋め尽くす様々な荷物の整理です。それは云わば「宿題」であり…

伝吉_TellGlad
2週間前
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【目下製作中!】誰かの後姿 #2

伝吉_TellGlad
3週間前
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【記憶より記録】図書館頼み 24' 7月

 我がアトリエの坪庭の地面から生まれ出た蝉君たちが一斉に鳴き始めました。いよいよ、本格的な夏が始まるようです・・・と思えば、隣県の山形・秋田では、未曽有の大水害…

伝吉_TellGlad
4週間前
63

【遺す物語】親指小仏観音立像 / 親父の独り語り 完結編

§ 息子達へ  この二体の仏さまを彫り終えたのは、梅雨の季節には似つかわしい程の酷暑が続いていた6月下旬のことであった。完成して直ぐに、君たちのお袋さんに依頼し…

伝吉_TellGlad
1か月前
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【思い出ぼろぼろ】真正面から向き合う

 過日 56歳 になりました。  年に一回、年嵩を増すことに今さら不満はありませんが、誕生月が近づいてくると、知らず知らずのうちに「己の来し方と行く末」に思いを巡ら…

伝吉_TellGlad
1か月前
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【日常】和三盆

伝吉_TellGlad
1か月前
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一筆啓上「独り剣客 山辺久弥 おやこ見習い帖」の感想【本という名の大樹】

 先頃、出版デビューを果たした笹目いく子氏の作品「独り剣客 山辺久弥 おやこ見習い帖」を拝読させて頂きました。僭越ではありますが、折角の御縁ゆえ、感想を認めておこ…

伝吉_TellGlad
1か月前
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【日常】母よりも軽い父

伝吉_TellGlad
2か月前
50

【遺す物語】親指小仏観音立像 / 親父の独り語り 中編

§ 息子達へ  この観音様を彫刻している間、穏やかな五月晴れが続いていたことを伝えておこう。君たちの親父は、アトリエの入口から淡く差し込んでくる陽光を浴びながら…

伝吉_TellGlad
2か月前
80

【本という名の大樹】三冊揃い踏み

 此度は、note というフィールドで交流を賜っている筆達者さんたちの作品が手元に届いたというご報告をさせていただきましょう。  こうして三冊揃ったのが一昨日のことで…

伝吉_TellGlad
2か月前
54

【記憶より記録】図書館頼み 24' 5月

 あっという間に5月が終わろうとしています。って言うことは、あと1ヶ月もすれば上半期が終わると・・・くわばら、くわばら。  そんな或る日、次男坊が通っていた高校…

伝吉_TellGlad
2か月前
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【作品紹介】陸前國 大蛸

 三陸地方の食文化や慣習に根差した根付作品「 陸前國シリーズ 」の 第3弾となる 陸前國 大蛸(りくぜんのくに おおだこ)が完成したので、遅ればせながらお披露目させて…

伝吉_TellGlad
3か月前
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【あの街 この建物】第三話:街の変遷を語る名も無き建物たち

 今回の「あの街 この建物」は、これまで以上にアノニマスな建物について触れていこうと思います。(本稿の写真は、去る記事と同様に、本年2月某日に盛岡市へ出張した折に…

伝吉_TellGlad
3か月前
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自炊を楽しみ始めた次男坊の食卓

伝吉_TellGlad
3か月前
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残暑見舞い『天然かき氷はいかが?』

残暑見舞い『天然かき氷はいかが?』

 残暑お見舞い申し上げます。
 何の因果か、今に至って梅雨に逆戻りをしたような湿気と、熱帯然とした酷暑に白旗を挙げるばかりの私。もはや、風前の灯火です。

 と言ったところで、拙 note の稀有で酔狂で賢明なる読者の皆様に、残暑見舞い方々「本物の涼しさ」をご提供させて頂きたく存じ上げます。
 どうぞ遠慮なさらずに、ヒヤヒヤ、ドキドキして頂ければ幸いです。 

 一瞥して「看板に偽りあり!」と声を

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【本という名の大樹】大好きな絵本#01

【本という名の大樹】大好きな絵本#01

 いよいよお盆休みが迫ってきました。
 そんな時節に頭をよぎるのは、本棚を占拠している蔵書や押入の中を埋め尽くす様々な荷物の整理です。それは云わば「宿題」であり、自ら解決しなければなりません。とかなんとか言いながらも、整理(分別・処分)する気持ちになれないのが、実は思い出深い絵本の数々だったりします。
 さりとて、いずれは家族の判断によって処分されるのは必至。そう考えると、絵本に育ててもらった一人

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【記憶より記録】図書館頼み 24' 7月

【記憶より記録】図書館頼み 24' 7月

 我がアトリエの坪庭の地面から生まれ出た蝉君たちが一斉に鳴き始めました。いよいよ、本格的な夏が始まるようです・・・と思えば、隣県の山形・秋田では、未曽有の大水害が・・・。今はただ、被災した方々に一日も早い心の平安が訪れることを願うばかりです。
 とまれ、こうした自然災害に際しては、国が喧伝してきたお題目「国土強靭化」が空虚に響くと同時に、その言葉を具現化していくことの困難さを痛感させられるばかりで

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【遺す物語】親指小仏観音立像 / 親父の独り語り 完結編

【遺す物語】親指小仏観音立像 / 親父の独り語り 完結編

§ 息子達へ

 この二体の仏さまを彫り終えたのは、梅雨の季節には似つかわしい程の酷暑が続いていた6月下旬のことであった。完成して直ぐに、君たちのお袋さんに依頼して縮緬生地の緩衝材を作ってもらい、予てから準備していた桐箱に収めることができたのは、この親父の56歳の誕生日が間近に迫った頃合いになっていた。

 それから梅雨の晴れ間を待つこと暫し。
 折を見て、家から程近い場所にある田んぼの畦道で仏さ

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【思い出ぼろぼろ】真正面から向き合う

【思い出ぼろぼろ】真正面から向き合う

 過日 56歳 になりました。
 年に一回、年嵩を増すことに今さら不満はありませんが、誕生月が近づいてくると、知らず知らずのうちに「己の来し方と行く末」に思いを巡らす時間が増えてしまい、それに気付いて苦笑いしている自分がいます。

真正面から向き合う1:万を治むる仏さま

 誕生日を迎える頃になると、アトリエの本棚の一番上に飾ってある『万治の石仏』の写真を見上げることが増える。
 このモノクロ写真

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一筆啓上「独り剣客 山辺久弥 おやこ見習い帖」の感想【本という名の大樹】

一筆啓上「独り剣客 山辺久弥 おやこ見習い帖」の感想【本という名の大樹】

 先頃、出版デビューを果たした笹目いく子氏の作品「独り剣客 山辺久弥 おやこ見習い帖」を拝読させて頂きました。僭越ではありますが、折角の御縁ゆえ、感想を認めておこうと考えた次第です。

※本稿は「あらすじ」をなぞる類のレビューではありませんが、登場人物や肝となる事柄に言及しているため、本作品を真っ新な状態で堪能されたい方は読まない方が無難かと存じ上げます。なお、本稿の画像は拙蔵書からスキャンして掲

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【遺す物語】親指小仏観音立像 / 親父の独り語り 中編

【遺す物語】親指小仏観音立像 / 親父の独り語り 中編

§ 息子達へ

 この観音様を彫刻している間、穏やかな五月晴れが続いていたことを伝えておこう。君たちの親父は、アトリエの入口から淡く差し込んでくる陽光を浴びながら、心静かに手を動かし続けることができたのである。
 こうした製作過程に低音しているであろう無形の存在もまた、完成した観音様から発露することを願うばかりだ。

 観音様の荒彫りを終えると、台座の役割も兼ねる木蓋の製作に入った。
 勿論、別な

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【本という名の大樹】三冊揃い踏み

【本という名の大樹】三冊揃い踏み

 此度は、note というフィールドで交流を賜っている筆達者さんたちの作品が手元に届いたというご報告をさせていただきましょう。
 こうして三冊揃ったのが一昨日のことでしたから、熟読は未だ先の話になりますが、今から「ドキがムネムネ」しております。
 何はともあれ、日々の変わらぬ営みの中で、かような刺激を賜れるのもまた物理的な距離をものともしないネットならではの効能かもしれません。
 それでは、僭越な

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【記憶より記録】図書館頼み 24' 5月

【記憶より記録】図書館頼み 24' 5月

 あっという間に5月が終わろうとしています。って言うことは、あと1ヶ月もすれば上半期が終わると・・・くわばら、くわばら。
 そんな或る日、次男坊が通っていた高校の学年主任から連絡を頂戴しました。なんでも「高校時代の受験体験談を後輩に聞かせる」といったカリキュラムで、OBとして大いに語ってもらいたいとの事。(よくある奴)
 仔細を聞けば光栄な依頼ゆえ、親父特権で「当人と直接やりとりして頂いて結構です

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【作品紹介】陸前國 大蛸

【作品紹介】陸前國 大蛸

 三陸地方の食文化や慣習に根差した根付作品「 陸前國シリーズ 」の 第3弾となる 陸前國 大蛸(りくぜんのくに おおだこ)が完成したので、遅ればせながらお披露目させて頂きます。

§ 三陸沿岸は水蛸の産地 本作のモデルは、三陸の海坊主 大蛸です。
 三陸沿岸で水揚げされる蛸は、主にマダコとミズダコの2種類が挙げられますが、ご存知の通り「マダコといえば明石」のイメージが強いですよね。さればこそ、三陸

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【あの街 この建物】第三話:街の変遷を語る名も無き建物たち

【あの街 この建物】第三話:街の変遷を語る名も無き建物たち

 今回の「あの街 この建物」は、これまで以上にアノニマスな建物について触れていこうと思います。(本稿の写真は、去る記事と同様に、本年2月某日に盛岡市へ出張した折に撮影したものです。)
 それでは、昨今話題の盛岡市を舞台にした建物物語にお付き合い下さい。

【お願い】以下に掲載している建物の中には、現行法(建築基準法・条例等)と照合して既存不適格となる場合も想定されますが、本稿はそうした点を論う或い

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