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旅の途中 進んで戻る自己理解
束の間の旅に出る前、慣れた村を出るバスの中で
あんまり情緒的になってもしょうがない
とふと思った。
事実情緒的ではなかった。
また新しく見知らぬ土地を見に行くというときの出発なのに、自分にしてはやけに淡々としていた。
そういえば此処この場所も旅路の中にあったんだった、と改めて思い直す。
山の紅葉は折り返しに入ったように見えた。まだ赤や黄色がみえるが、徐々にみずみずしさを失っていてこのあと枯れ落ち
毎日少しずつができない
少し前から、口裏合わせできないはずの知り合いが口々に、とにかく書くのよ!と言うようになった。
日頃からとりとめのないことを考えたり何かに感じ入ったりしているし、それを書き起すことは苦ではないけれども、せかせかと動いている日はいちいち言葉にして打ち込んでいられないし、ボケっとしていられる日はやけに情感たっぷりのポエティックで夢想的なことが思いつく。
底見えしている。
この形式このパターン、似た文
よもぎに蒸されて温まる
かねてより体験してみたかったよもぎ蒸しが、向こうから来た。
裸になって足首まで長さのある分厚い服を二重に着てフードをかぶり、雛人形か置物のように穴の空いた椅子に座る。すると座面から遺伝子レベルで馴染みがありそうな心地よい香りの蒸気がたちのぼってくるのだ。
はじめにおしりや胸の辺りがじわじわ蒸気の温度と共振するように熱を持つ。時間の半分をすぎた頃にようやく手先や足先が少しずつ温まるのを確認できる
母と祖母。大好きだよ
夜、空が明るくて思わず見上げる。田舎では紅葉も本格化して冷んやりと寒くて、やっぱり「寒い」と口に出さずにはいられなかったが、仕事終わりの気分は良かった。丸裸の一番星と満月を確認して写真を撮る。家に戻ると友達が薪ストーブを焚いていてくれて暖かく、また安心した気持ちになったので都会の家族にビデオ電話を掛ける。
まだまだスマホを使いこなせない母は老眼でしかめっ面。明るい性格だからかそれでいて口角はしっ
海のキラキラと落ち着かない心の交差点で
目の前の海がキラキラ光って綺麗だったから、裸眼でも光って見えたらいいなって少し期待して、眼鏡を外した。
海はしっかりと光っていた。
とても安心して心の底から嬉しかった。
乱視によってよけいに反射している。
止むことのない煌めき。それも遠くの遠くまで。
それだけで嬉しく涙が落ちた。
でもそれでも、生きることは徒労だ。
繰り返しの毎日、不確実な未来、刹那的な出会い、必ずやってくる別れ。
こんな
『星の王子さま』が啓蒙から確認材料になった
合唱劇星の王子さま:
出演した2018年よりも鑑賞した2023年の昨日の方が、言葉がひとつひとつ手に取るように立ち現れて見えた。
もちろん演者や演出含めた制作がそのようにみせたからであり、その制作の汗と涙の努力の結晶によるところが大きい。
このことを踏まえた上で、自分の人生についてキツネの教えに照らして考えてみると、5年を経て生じた感じ方の変化は、自らが自己理解に費やした時間のためにもたらされ