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Inspiration Box 2024

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「あっ、いいな…!」と思わせてくださった記事を収めさせていただいております。執筆くださったクリエイター様には感謝です😌
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#詩

蒼

空も
海も
深く深く蒼い

深く
深く
蒼を持っていると

何もかもを
ゆるす
深さを
感じることが
できるから

私は
それをみて
時々
泣くことが
今でも
できる

ゆるしても
ゆるされても
私の
何かが
変わるわけでは
ないけれど

ゆるしたり
ゆるされたり
時々
泣いたり
できると

もう少し
孤独な
夜の静けさの
なか
深く腰を下ろして
いられる

重く閉じ込めて
私のまま
私でなくなる

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うつろい

うつろい

みんなひとりじゃないばしょで
みんなひとりになりたがる
ほんとうにひとりのばしょにいると
ひとりはみんなになりたがる

かさなりあえたら
じぶんいがいのいばしょがみつかって
かさなりあうから
かさならないじぶんだけのばしょがみつかる

みんなひとりじゃないよなんて
きれいごとにすくわれる
こともあるのかもしれない

けれど
みんなひとりだから
ひとりとひとりはかさなるし
ひとりのひとがなんなのかを

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誰かのために なんて

誰かのために なんて

 誰のために 生きているのだろう

 誰かのために できることは何?

 人の役に たちたい

 お国のために 世界のために

 それが まるで 使命の ように

 それが まるで 正しい ように

 聞こえて ふるまい 気づけば ひとりで

 誰のために 生きているのだろう

 誰かのために できることは何?

 そもそもが すべて

 傲慢だった すべて

 偽善だった すべて

 はじめから

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詩 | 微睡みの夢に届きし雪解の音

詩 | 微睡みの夢に届きし雪解の音

自己ベストから
遠く離れた
ワースト記録を
叩き出したとき
通りすがりの
傍観者が
あなたの泳ぎは
素晴らしかったと
私を褒め称えた

自分の全てを
かけて臨んで
最悪の結果に沈んでいるとき
最も聞きたくない言葉だった

無言のまま
傍観者から離れると
「なにさ、人が褒めてやったのに」と
私をののしる声が聞こえた

自分との戦いに敗れたとき
善意の傍観者ほど
人を傷つけるものはない
「ありがとう」

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詩 『戦士の骸』

詩 『戦士の骸』

作:悠冴紀

極端すぎた変革
反乱の渦
人々はある日突然 戦士になる

求める神の食い違い
バラバラに砕け散った世界

脱落していく同志たち
この手が殺めた敵兵たち
巻き添えを食らった民たち

辺り一面 死ばかり

戦火を浴びて 破壊を繰り返し
戦う目的さえ忘れて 血に飢える

身が削れる
精神が削れる
世界が削れる

やがて戦乱は去り
空虚だけが残る

戦士は気付く
もはや自分の居場所がないこと

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わたしにさえ わからない のに

わたしにさえ わからない のに

 わたしの 声は

 どんな 色を していますか

 わたしの 言葉は

 どんな 形を していますか

 わたしの 心は

 どんな 香りを していますか

 わたしの 表情は

 どんな 姿を していますか

 それは 本当に 見えているの かしら

 それは 本当に わかりえるの かしら

 わたしは わたしは

 どんな 想いを している
 どんな 感情を している

 わたしに それが

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【詩】海辺を歩くと

【詩】海辺を歩くと

晴れの日
海辺を歩くと
当たり前だけど
涼しい潮風が吹いて
その髪をなびかせる

晴れの日
海辺を歩くと
当たり前だけど
波が押し寄せて
その逃げる裸足を濡らす

晴れの日
海辺を歩くと
当たり前だけど
その遠い日の
君はもういない

祈るみたいに眠る

祈るみたいに眠る

窪みは余白
私自身がつくるもの
私の一部が
新しく作られること

自分でつくった両のてのひら
水は注がれるもので
私はそれを待っている
見上げた空は高く
鳥影はどうやら
私には気づいていない

窪みは余韻
あなたがいた軌跡
私の一部が
あなたでかたち作られたこと

窪みを作った両の手のひらに
手を重ね置いて
混ざり合った血潮はあたたかく
じんわりと湧き上がると
指紋の溝をも感じることができた
私は

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Under the starry sky

Under the starry sky

Under the starry sky,
I think of you.

The twinkling stars,
Like your smile.

Since you left,
I look up at the starry night sky every day.

That day's starry sky,
Will never be forgotten.

The night w

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こころに よりそう

こころに よりそう

 だれも わたしの きもちなんて

 わからない

 だれも わたしの こころなんて

 わからない

 ことばなんて くだらない

 ことばなんて つまらない

 そんなふうに はきすてて

 そんなふうに うそぶいて

 だれも かれも わたし も

 ことばに とらわれ とらえられ

 なにもかも すべて みうしなう

 あなたの ことば と
 わたしの ことば は

 べつの いみを もつ

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それは 命に 聞く あかり

それは 命に 聞く あかり

 それは 心に 灯る ゆらぎ

 それは 空に 呟く いのり

 それは 君に 伝う ことば

 それは 私に 問う おもい

 
 それは 光を 纏い つつむ

 それは 熱を 帯び ひびく

 それは 闇に 届く しるべ

 それは 誰に 捧ぐ みらい

 それは 瞳に 残る きおく

 それは 耳に 記す きずな

 それは 掌に 刻む かくご

 それは 肌に 知る ながれ

 それは 夢

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