ふみ

小説、詩、その他、文章や言葉などを書いていかれたら、と思っています。何か少しでも感じる…

ふみ

小説、詩、その他、文章や言葉などを書いていかれたら、と思っています。何か少しでも感じるものや引っかかるものが描けるようになりたいですね。よろしくお願いします。

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  • ことのは

    種々の想いをのせて、私はこれからも、考えていく。

  • 仕事関連

    福祉系の仕事をしております。 その中で考えたもの、感じたもの、教えられたもの、等々、その言葉を残していけたら、と思います。

  • 小説

    主に短編ですが、ひとまずのところ、書いたものをまとめています。

  • 詩、詩のようなもの、をまとめています。

  • 有料小説集

    有料記事での小説集です。 お手にとって後悔させないような、作品を目指しています。 お読みいただいた方へ、感謝致します。

最近の記事

心は落ちていく

 それはいつも、突然頭によぎる。    私は なんで こんなに できないのだろう  私なんていらない 必要ない  私みたいな ごみ できない人間など いてもいなくても変わらない  私の言葉なんて 伝わらない  意識的にしろ、無意識的にしろ、そんなことを感じ、心が塞ぎ、思考が回らず、うまく行動ができない。  今回は特に、久しぶりに、それが重かった。  ここ数か月ほど、突然フラッシュバックのような、記憶の奔流をイメージする、何かが流れ、映し出され、訳もわからないまま気持ちが

    • 部屋に ひとり

       春を通り越して夏のような日差しに辟易しながら、無理やり遠出した買いものが終わる。汗だくになりながら帰宅し、全裸になりたい気持ちをぐっとこらえて さっと シャワーを浴びて着替える。それでも暑さはぬぐえない。  まだまだ夜まで長いと感じられているが、ようやく夕暮れの涼やかな風が窓から部屋に通り抜けて、裸への欲は消え去ったように、感じられた。  静けさとは無縁な強風がその存在を知らしめて、それ以外、何も音がないことに、やはり静寂を覚える。  まわりに、民家はあれど、人通りの少

      • 誰も知らない

         こぼれていく 言葉  あふれていく 言葉  その想いを 透かせて  わたしは 何を 思う  唇が紡ぐ 声色に灯る  心に咲く 思考に煌く  その 差異は 何か  その 矛盾は 何か  外の世界は まやかしか    内の世界は まぼろしか  乖離する わたしの 夢に  言葉は 何も うまれない  誰にも 届かない  誰にも 伝わらない  わたしの 思う 世界の かけら  わたしの 伝う 世界の かけら  その 差異は 何か  その 矛盾は 何か

        • おかしいのは――

           部屋の扉をノックすると、どうぞ、と小さく聞こえる。私は聞こえないように深呼吸をすると、扉を開いた。  姉は椅子に座って本を持ったまま、ぼぅっとしていた。あきらかに本に目を向けておらず、ページを開いているのも、おそらく適当であろう。いつからこうして佇んでいるのか、を想像するよりも、ごはんできるよ、と伝えるほうが先決だった。  姉は静かにこちらに目を向けると こくん 何も言わずにうなずいた。  リビングに戻った私はすぐにご飯の支度をせずに、ソファに横になる。  いっそ、そのま

        心は落ちていく

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        記事

          らしさ よりも

           季節らしさ と 人は言う  早咲きの桜 に 人は憂え  遅咲きの桜 に 人は悩み  季節らしい と 人は言う  咲く や 散る や  桜の 気分 風の 気分  いつまで 見られる?  そんなもの 知ったことではない  一日たりとて 同じ日は ないのに  季節の流れは 同じだと 思うのか  同じではないから こそ  季節らしさ よりも  その瞬間の 感動を  それでもなお 美しい  あなたに出会えて よかった  あぁ きっと 私も そうだ  自分ら

          らしさ よりも

          すべては利用者さんにつながる

           本日でーー正確に言えば、先日の金曜日ではあったけれど、今年度が終わり、明日から新年度の体制になる。    正直に言えば、不安しかない。  それ以前から上がっていた不満はだいぶたまっているどころか、ところどころみんな毒として現れており、いい状況であるとも言えない。  明日からの体制は、特に、だ。  今いる事業所だけで考えれば、こんなに人に恵まれたところはないように感じられる。それはスキルとか、資格とか、そういうことではなく、人として、それぞれが皆それぞれに敬意を払ってい

          すべては利用者さんにつながる

          たとえ ひとり でも

           ふと、気がついた。  それは何か、前触れがあったわけではない。    けれど、もしかしたら、何気なく過ごしていた日常の中で、感じるものはあったのかもしれないし、前々からうすうす気がついていたのかもしれない――いや、うすうす、とか、気がついていた、とか、そんなことよりももっと、具体的に、知っていたのかもしれない。  わたしは、なんて、からっぽ、なんだろう。  このごろ、特に、そう感じる場面が多かったことに、いまさらながらに気がついた。    いや、知っていたけれど、ふた

          たとえ ひとり でも

          誰かのために なんて

           誰のために 生きているのだろう  誰かのために できることは何?  人の役に たちたい  お国のために 世界のために  それが まるで 使命の ように  それが まるで 正しい ように  聞こえて ふるまい 気づけば ひとりで  誰のために 生きているのだろう  誰かのために できることは何?  そもそもが すべて  傲慢だった すべて  偽善だった すべて  はじめから すべて  私のために 私の欲を  満たす ために  誰かのため という 

          誰かのために なんて

          少なくとも、わたしは、知っている から

           子どもにしても、大人にしても、何か悪いことをしてしまった。もしくは、悪いと思われることをしてしまった。そんなときに、どんな行動に出るだろう。  多くの場合は、それを隠そうとしたり、見られないようにしたりーーつまり知られないようにする、だろうか。  その心理はどこからくるのかしら。  それはつまり、知られなければ、見つからなければ、何をしても構わない、ということだろうか。  小さなこと、大きなこと、多々、多々、あるだろう。  それはたいした影響のないものもあれば、大

          少なくとも、わたしは、知っている から

          わたしにさえ わからない のに

           わたしの 声は  どんな 色を していますか  わたしの 言葉は  どんな 形を していますか  わたしの 心は  どんな 香りを していますか  わたしの 表情は  どんな 姿を していますか  それは 本当に 見えているの かしら  それは 本当に わかりえるの かしら  わたしは わたしは  どんな 想いを している  どんな 感情を している  わたしに それが  わかるの かしら  声や 言葉や 心や 表情や  それが わたしを 表す

          わたしにさえ わからない のに

          横顔

           それは、浮遊感、とでも呼べばよいのであろうか。  いや、浮遊しているわけではない……どちらかといえば、乖離、であろうか。  名づけることにたいして意味を見出すこともできないけれど、人に伝える、そういう意味ではとても重要なことのようにも思う。自分の感覚を、そのままの状態で伝えることなんて、できないのだから。おおむね共通している、言葉、に変換し、なるべく近しいものを選んでいく。近しいもの? それさえ、だんだんと薄らいで、わからなくなりそうにもなる。本当にそれが私の伝えたいこ

          ここから見えるもの

           ここから 見える もの  凍えそうな 夜の花  ここから 見える もの  あれ荒んだ 誰の心  ここから 見える もの  ひび割れた 鈴の音  ここから 見える もの  たそがれる 波の白  ここから 見える もの  砕けそうな 風の道  ここから 見える もの  くだらない 人の声  ここから 見える もの  流れていく 時の砂  ここから 見える もの  差し伸ばす 銀の手  私に 何が 見えて いる  ここから 何が 見える  何を

          ここから見えるもの

          この先もずっと きっと

           何かを見ると、何かを聞くと、それを引き金に何かが思い起こされ、気持ち悪い。  その何かは、正直に言えば、よくわからない。  どこかで見たことがあるような気もするし、見たことはないかもしれない。現実なのか、夢なのか、それさえも判別がつかない。  ここのところは特に、ひどい。  気持ち悪くなるまでいかなくても、何かが映し出されそうになり、気持ち悪くなりそうになる、そんなことが、多くなっている。  どちらが先かはわからないけれど、落ちていることも、関係があるのかもしれな

          この先もずっと きっと

          光に満ち溢れたあなたのためにも

           先日、利用者さんが亡くなった。  突然のことであった。  送迎から戻ってきたさい、元々、その日遅刻で来る予定であったその方が欠席になっており、残りの職員に何気なく聞いてみたら、他の利用者さんに聞かれないように場所を移動し、小声で 「……亡くなったみたいです」  その言葉を聞いた瞬間、理解ができずにフリーズしてしまう。何も言えないままその職員の顔を見ると、こちらを見て、小さく、頷いた。  業務はそれでも続く。しばらく呆然としながらも体は動かし、うまく飲みこめない。

          光に満ち溢れたあなたのためにも

          どう見える

           彼の左目の端が、きらきらしていた。  あ と思う間に、彼は 「なんだろう、とっても目の前が鮮やかに見える。あぁ、世界はなんで美しいのだろう。何もかもすべて、きらめいて見える」  そんな言葉を吐きながら、本当にきらきらした目をしていて、それなら、いいか、なんて、彼の左目の端についてしまった私のアイシャドウを落とそうとするのを、やめた。  不思議にも、彼の思いこみだけではないようで、私の目から見ても、彼が輝いているように見えて、発光しているのか、懐中電灯でも仕込んでいるの

          どう見える

          こころに よりそう

           だれも わたしの きもちなんて  わからない  だれも わたしの こころなんて  わからない  ことばなんて くだらない  ことばなんて つまらない  そんなふうに はきすてて  そんなふうに うそぶいて  だれも かれも わたし も  ことばに とらわれ とらえられ  なにもかも すべて みうしなう  あなたの ことば と  わたしの ことば は  べつの いみを もつかもしれない   べつの いとを もつかもしれない  ことば は おなじ だと

          こころに よりそう