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「はたらく」と両親とマヂカルラブリー。
働くって、一種のコントだよな。
スーツ着て、敬語を操って、せっせとお金を稼ぐ。高そうな時計、おしゃれな鞄、磨かれた爪に、セットされた髪。私服の会社だって似たようなもの。パジャマやジャージ、下着で出社したりしない。
眠い目をこすりながら、行ってきま~すと鍵を閉める。コントインの合図。ピン、コンビ、トリオ。それぞれの芸風でみな演じている。バスに電車、行儀よく揺られていく。
何のために働いているん
私たちは「実力派」を増やせるか。(2020年の振り返り等)
日付と同時に年も変わった、その数分後。毎年早々に済ませる「振り返り」をしていないことが急に気になり出す。遠足前夜の忘れ物チェックみたいなもので「まぁ、そんなにかからないだろう。」ともぞもぞディスプレイをタップしていく。眩い光。「寝る前のスマホはエスプレッソ2杯分」なんて言説が、数十分前に流し込んだ缶ビールの前にあえなく敗北した事実を、瞼の裏まで透ける朝の陽光で知るのだった。
…等というまどろっこ
結局、「宝くじ」を買う気分にはなれなかった。
誕生日を目前に控えた12月半ば。昼下がりの晴海通りを、銀座方面から日比谷公園に向かって歩く。何の気なしに羽織ったジャケットの繊維から染み込む冷気。冬支度を始めた街路樹の下を、腕組みしながらゆっくり進む。
「御成門の銀杏、良かったわね。」
確かに。空に伸びる無機質な赤と黄色い地面のコントラストが印象的だった。「ぎんなんの匂いに顔をしかめていたのは誰だっけ。」なんて指摘が野暮なことくらい分かる年齢