英語と子供の未来について感じたこと。
子どもは凄い。何でも柔軟に吸収する。
面白いので、母音を何回か発すると、その通りにコピーする。それならばと、英単語を音読する。bus、truck、etc。小気味のよい"ʌ"の音素が、まだあどけない口から鋭く発される。
「こんな発音していたら、外で笑われるね。」
そう夫婦で笑いあった後、ハンマーで頭を殴られたような感覚に陥る。「こうやって、英語が話せなくなるのか。」
日本語の母音はa/i/u/e/oの5つだが、英語には長短、約20種類の母音がある。幼少期に発音を身につけても、カタカナ英語発音に引きづられ、何もしなければいずれ5つに矯正されていく。一説には、6歳をピークに発音が下手になっていくそうだ。周りにあわせて、"変な"発音を隠したくなってしまうせいだろうか。
これは、単に語学の問題だけでなく、価値観全体の話にも言えそうである。消防署を通るたびにふざけて教えた「fire engine」とか「ambulance」といったワードをケタケタ滑らかに発する我が子。はたして、この壁も"するり"と通過していけるだろうか。
手伝えることと手伝えないこと。前者は少ないが、ゼロでもない。
すれ違うダンプカーを指さして、「dump truck!!」と口ずさむ。すると、ガタガタ揺れる車体の音を切るように、
「truck!!」
そう、小気味の良い"ʌ"の音が返ってきた。笑っているのは僕だけではない。まあ、大丈夫だろう。ギシギシ音を立てながらベビーカーを押し、帰路につく。
「ただいま」とすっかりその気の子供に対し、インターフォン越しの相手の第一声はどんな音で迎えるだろうか。少し恥ずかしいが、「Hello」なんておどけて欲しい気持ちである。
何かのお役に立ちましたなら幸いです。気が向きましたら、一杯の缶コーヒー代を。(let's nemutai 覚まし…!)