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私たちは「実力派」を増やせるか。(2020年の振り返り等)



日付と同時に年も変わった、その数分後。毎年早々に済ませる「振り返り」をしていないことが急に気になり出す。遠足前夜の忘れ物チェックみたいなもので「まぁ、そんなにかからないだろう。」ともぞもぞディスプレイをタップしていく。眩い光。「寝る前のスマホはエスプレッソ2杯分」なんて言説が、数十分前に流し込んだ缶ビールの前にあえなく敗北した事実を、瞼の裏まで透ける朝の陽光で知るのだった。



…等というまどろっこしい描写は省き、サクッと振り返ろう。一年の計は元旦にあり。ものぐさの言い訳も前向きに物事が運ぶなら上等だ。人生初のWEB帰省をつつがなく終え、正月気分もそこそこに、明日からやりたいことがたくさんある。要点だけ簡潔に、レッツゴー。


20年の振り返り:総評


2020年の僕は、コロナ禍の制約をプラスに転換させることに成功した。…かはさておき、少なくとも実感している。それだけで十分すぎる一年。劇的な変化、不確実な未来に対し、定量的な情報と自分軸で判断を重ねられたのは加点ポイント。

年を重ねる毎に、模範解答の無い問いが増える。先輩、上司、親ですら「先生」を演じられない。そのことを殊更実感したし、その分、後の引き出しとなりそうなシーンをたくさん得られた、良い一年だった。


20年の目標:3つの「やらないこと」


19年末のnoteに20年の目標をこう綴っている。

私は人間の潜在的な能力、可能性は無限であると考えている。一方、「時間」という要素がそれを徐々に制限してしまう現実も分かる。だから、たくさんの「やりたいこと」をやるためには、まず「やらないこと」を決めて、実行に移さなくてはならない。

【2020年のやらないこと】
①悪口
②「自分がコントロールできない物事」をコントロールしようとする行為
③付き合いで行く集まり

「やらないこと」を目標に掲げたのは、昨年が人生で初めてかもしれない。それぞれ少し補足したい。

20年の目標:3つの「やらないこと」の詳述


目標は、具体的であるほど取り組みやすく、そのための「定義付け」が重要だ。昨年のnoteでは詳述しなかったが少し補足しておきたい。

【「やらないこと」の定義】
①悪口
… その人の性質の否定(容姿、性格の批判等)
②「自分がコントロールできない物事」
… 他人(家族も含む)の思考、嗜好
③付き合いで行く集まり
… 関係維持だけが目的の場

①、②について、更に具体的な話を補足に記す。


補足:①悪口の定義と回避法


①「悪口を言わないなんて無理無理。」と思う人もいるだろう。確かに「マイナスなことに言及しないこと」は不可能だし、同調圧力の強い日本では、悪口がある種の絆を形成する場面も多い。免罪符を与えられた「誰からも好かれる生粋の良い奴」でもないと、すぐにその魔力に取り込まれてしまう。それで仕方ないと割りきる。

けれど、先に挙げた悪口は、いわば存在の否定である。改善余地の無い点(外見とか性格そのものは基本的に変えられない)をえぐり出された経験を、受け手は決して忘れない。こうして、関係は歪んでいく。

「じゃあ、注意するなってこと?」と問われれば、答えはNO。マネジメントや規範を放棄する必要はないし放棄してもいけない。

悪口を言わなくても改善は促せる。具体的には、個々の"行動"に焦点をあてれば良い。遅刻をした人を「のろま」と蔑まず、「遅刻って信頼を失うから良くないよね」とその時の行動の評価に留める。そこまで。何人足りとも人格や外見を吟味して否定する権利はない。それは、○○ハラスメントに直結する愚行だ。

悪口への同調圧力も、同じように回避可能だ。「○○な奴だよな~」と言われても
「どういう場面でそう思ったの?」とか、
「確かに、その"行動"が本当なら良くなかったよね。」
等と行動ベースに変換する。徹頭徹尾、行動のみに焦点を当てる。すると相手は、「自分だけが幼稚なレッテル張りに固執していること」に気付きみっともないと気づいてくれる。身の回りの悪口はこうして円滑に遠ざけられる。(それでダメなら、恐らくその人は貴方の人生を暗い方に引っ張るだけなので、無理してお付き合いしない方が良い。)

もう9年間。社会人になってからそうしてきたので、よほど感情が昂らない限り悪口が口をついて出ることはないだろう。そして、こんなnoteを書くくらいだ。勿論、僕は天然の良い奴なんかではない。


補足:②他者のコントロールと「利他」の危うさ


②は「利他」という思想と密接な関係がある。相手のために…というフレーズは、それ自体滑稽な矛盾をはらむ。相手のためにしているなら、相手のためにと恩着せがましく言う必要などないのだから。「自分のためにやっている行為が相手に響かない」ことに不満を感じているだけなのだ。

誤解を恐れずに言えば、あらゆる行動は利己的である。「利他」か否かは他者が決める。この利己の意識を持つことが、健全な人間関係を維持する第一歩ではないかと思う。(③は詳述不要なので割愛)


20年の振り返り:3点の各評(実際どうだったか)


結論、①と③はコミュニケーションの数自体が減ったので、そもそも意識する必要すらなかった。社会全体が慣れない環境変化で成果志向型に変容し、不要のお誘い、目的不明な雑務を断りやすい雰囲気を作り出せていた。言わば追い風参考記録。「外部環境に左右されず継続できるか」が21年のポイント。

②は、今年最大の禍、つまりコロナ関連のニュースとの向き合い方に苦慮した。数字やデータに基づかない極論、代案なき暴言や愚痴、確定未来からの逃避。瞬間、(勝手に)ムムムッとなっている場面がかなりあった。コロナ関連のテーマについては、民主主義上の限界を割り切り、心の安定度を高めて自分のことに注力する。21年のビジネスパーソンとしての課題の1つ。

まとめると、②に改善点は残ったが、①~③を通じて自分で求めたレベルは問題なくクリアできた。21年も継続したい。


20年の目標外テーマ:英語


英語については、そもそも具体的な目標設定をしていなかった。ただ、TOEIC900点は超えておきたいなというぼんやりした想いがあり、夏から隙間時間に自分なりに勉強を重ね、(タダなので)秋に会社のIPテストを受験。結果は885点(L485/R400) 。実力とした伸びている感覚はあったけれど全然ダメだった。即日TOEIC用の問題集を買い、21年中の必達目標として対策中。

ちなみに、TOEICそのものには何の思い入れもないし、価値も見出だしていない。既に会社が提示する受験不要の点数に達しているし、そもそもLRはインプット型の試験なので実務に役立たない。転職市場でも800点あれば資格としての足切りラインはクリア。TOEICを目的に勉強する意味は皆無。

ではなぜTOEICを勉強するのか。理由の1つは「海外に3ヶ月も居たのに900点超えてないの?」と言われるのが嫌だから、というつまらない意地だ。もっともTOEICの問題構成は実践的な能力を問う形式にシフトしつつあるし、「TOEIC用の正しい努力(日本語として怪しい…)」がきちんと評価される仕組みなので、「英語を用いた1つの問題解決ゲーム」と考えれば、趣味の話として取り組める。考え方や環境1つでどこからでもやる気や興味を掻き立てられると思うし、そうしたプロセスの検証実験として位置付けトライしてみたい。(もちろん、本当の英語力を鍛える英作文や音読も継続する。)

21年の追加目標


仕事では、現職場に留まらない(つまりいつでも外で通用する)ことを念頭に一年やってきた。転職は考えていないけれど、外からの評価を得ることを意識しなければならない。結果、アグレッシブな姿勢は確固たる信頼を集めたと自負しているし、強い発言権を持つようになったと思う。

反面、元々持っている持ち味を活かしきれているのかいなという課題も見えてきた。(大企業なので、僕のことをあまり知らない最近関わるようになった人からすると、ちょっと恐いとか、年次不明の人とか思われているかもしれない。) 勿論、大企業で仕事を進めるには組織の力学を熟知する必要があるし、時にその壁を全部壊す覚悟を示さなければならない。そういうオーラを纏うと色々な相談が前広に来て、仕事のやりやすさで言えば良いのだけど。誰かの顔色を伺うのはシステムとして不健全。信頼できる後輩に更にどんどん仕事を任せ、22年までに新部署で働けるようにする。プレイヤーからマネージャーへの転換点に、10年前のゼミでの経験を改めて振り返っておこう。

終わりに:私たちは「実力派」を増やせるか


20年はコロナ禍で鬱憤がたまった年だったのだろう。データを軽視して曖昧な判断を重ねた政治家も良くなかった。けれど、それは国民一人一人の願望の結果でもあったのではないか。自分は悪くない、自分以外の誰かのせいだ。政治家も国民も、そういう意識が蔓延っていたように感じた。願う権利は、叶える努力の先にある。代案と根拠を添えない批判は、とっくに終えた思春期、それ以前の子供の駄々と同じではないだろうか。

YouTubeを根底に、有名タレントの独立が目立った一年。ビジネスでも政治でもコロナというリトマス紙は「世渡り派」と「実力派」を鮮やかに浮かび上がらせた。過去を重視する実績主義の日本で、その厚い壁の一切を突破して"変容"を強行できた意味は小さくない。

地方政治家のご活躍が目立ったことは、一筋の希望の光と考えたい。仁坂 吉伸 和歌山県知事、熊谷 俊人 千葉市長、鈴木 直道 北海道知事。日本を変えてくれそうな実力派の更なる台頭を後押しするために、一人一人が真価を見極める「実力派」になる必要がある。そのためには。目の前の疑問や課題の一つ一つに、改めて徹底的に思考を巡らすしかない。

良いものは、変えようとしても残る。だから、私たちは変化し続けなくてはならない。M-1グランプリにかける芸人さん達の夥しい熱量を見て、年の瀬に気持ちをあらたにした次第である。

長くなりましたが、今年もよろしくです🐂

全部スマホでタイプしました。☕飲んで一服しよう…

※noteに書く話の種は事前にTwitterで呟いていることが多いです。
Twitter: @nemutai86608814

何かのお役に立ちましたなら幸いです。気が向きましたら、一杯の缶コーヒー代を。(let's nemutai 覚まし…!)