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スリランカ・ニゴンボの魚市場で出会う、生と死とその中間
舗装されていない道を自転車で走ること約30分、ようやく港に着いた。
前を走るバスや車、バイクから出ている白い排ガスを浴び続けたせいで、目がひどく染みる。
道路では、獣のように強い意志を持ち、目的地までまっすぐ駆けていく現地の人々の車やバイクの前では、私の自転車なんて食物連鎖の下位の下位に位置することになる。自転車スレスレを轟音と共に駆け抜けていくので何度も肝が冷える場面はあったが、私が出来るのは
ジャカルタのスラム街、そして30階の汚れたホテルの部屋から
ジャカルタの貧困が最も見えると言われる、線路横のスラム街・コタ地区にお邪魔した。どこまで進んでも、インドネシア国旗と人々が日常を過ごす風景が続いていた。どこも初めて見る光景だけれど、不思議とどの道も違った印象を覚える。
子どもの数が多い道だったり、音楽に合わせて陽気に踊っている人がいる道だったり、殺されたニワトリが横たわっている道だったり......。
しばらく歩いていると、自分がどこの方向を
「これは自分の物語だ」と思う作品のすべて|映画『わたしは最悪。』
冒頭のシーンを見ただけで、恋に落ちる映画がある。
まるで「これは私の物語だ」と思い込んでしまうような。
その映画の空気感なのか冒頭シーンの撮影技法なのか、登場人物への突発的な感情移入なのか。この感情は、大層おこがましいものであることは分かっている。私は世界の端っこに存在していて、映画は私のための物語では決してない。映画の中の登場人物は大体私よりも美人だし、もがきながら結局何かを手に入れたりして