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一人を楽しめるのは“独り”じゃないことを知っているから

大勢の人といる時間も好きだけど、一人になった瞬間にホッとする。

早足で家に帰ってきてシャワーを浴びて布団にダイブ。この瞬間が一番幸福を感じる。頭まで毛布を被り完全に一人きりの世界を作って、消費したエネルギーを充電する感覚。そして、やっぱり一人は最高だなと実感する。


そんな一人の時間が好きなんだけど、「独り」は苦手だ。


一人暮らしを始める時、一人ぼっちの家に帰るのが嫌だったので、マンション貸切型の大型シェアハウスに住み始めた。住民同士が交流を楽しむコンセプトの、海外の人も多く住むシェアハウスだ。

というのに、私は共有スペースで人との交流を楽しむわけではなく、自室にこもっている。


でも、この距離感が良い。

エレベーターや共有スペースで色々な人と通り過ぎたり、廊下から談笑の声が聞こえたりするのが心地良い。一人きりではないという感覚。誰かが近くにいるという安心感。

大勢の中での自分の位置を俯瞰できるというか、通り過ぎる人々それぞれに人生があって、その大きな人類の営みの中で私も存在しているような......そんなやさしさを感じるのだ。


今日も私は、自室で一人時間を楽しむ。

それは「本当に孤独なわけではなくて、自らが望んで一人でいる」ことが前提なんだと思う。

シェアハウスであえて、一人きりで過ごす選択ができる贅沢。人それぞれが好きなように生きている中で、私は一人を選択している、という感覚が良い。


もちろん人と会うのも楽しいし、影響を受けるのも与えることも好きだ。ただやっぱり、一人の時間も自由で楽しい。

一人の時間を満喫するためにも、孤独じゃないと感じさせてくれる、社会との繋がりは必要だ。古くからの友人だったり、恋人だったり、顔見知りのシェアハウスの住民だったり。そういったものもちゃんと大切にしながら、今日も一人生きていこうと思う。

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