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生命を宿す絵=「魂画(アニメーション)」の深淵

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動画すなわちアニメーション(animation)とは、ギリシャ語で「魂」を意味するアニマ(anima)に由来する言葉だ。日本を含む古代文明の多くが、森羅万象に魂が宿るとする信仰=… もっと読む
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#ビジネス

世界のファンにどう届けるか?好業績の日本のアニメ企業&ビジネスの現在

世界のファンにどう届けるか?好業績の日本のアニメ企業&ビジネスの現在

アニメ・漫画などのエンタメビジネスをアップデートするスタートアップ、株式会社MintoのCEOの水野です。

今回のコラムでは、世界に向けて日本のアニメ作品やコンテンツを提供している企業のうち、決算情報が開示されている上場企業や、プレスリリースなどで情報を発信している企業などの情報を中心にまとめていきたいと思います。ちょうど今月は、Anime Japan 2024に合わせて、Mintoの海外ビジネ

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アニメビジネスの成功の鍵を握る!?一般の方には馴染みの少ない「プリプロダクション」の重要性について -アニマ代表インタビューシリーズ

アニメビジネスの成功の鍵を握る!?一般の方には馴染みの少ない「プリプロダクション」の重要性について -アニマ代表インタビューシリーズ

こんにちは。日経のアニメビジネス企画担当の井木です。この投稿は、CGプロダクションのトップランナーである株式会社アニマの代表である笹原さんへのインタビューシリーズになります!過去記事は下記をご参照ください。

プリプロダクションとは?また重要性が増してる背景は?最近、アニマでは長尺のシリーズ案件(大規模案件)のお仕事をいただくことが多くなっているのですが、これに伴って仕事の範囲にも変化が生じ、プロ

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アニメとゲームの国、日本はビジネスとして優位性を保てるか?

アニメとゲームの国、日本はビジネスとして優位性を保てるか?

東京五輪の開会式でゲーム音楽が使われたり、アニメ・漫画がコンセプトの演出があったりして、「日本はアニメのゲームの国になったのだな」と感じた方も多いのではないだろうか。たしかに、日本のアニメ、ゲームといったサブカルチャーは世界中で大いに人気がある。反面、ビジネスとしてみたときに、そこまで楽観視できる状態にはない。

コンテンツとしてのゲームの弱さゲームの業界は、ビジネスとしては2つの領域に分かれてい

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第348号『DISCを一枚この私にッ!』

第348号『DISCを一枚この私にッ!』

Netflixで先行公開されました『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』全12話を視聴しました。

私はこの第六部『ストーンオーシャン』の中で最も好きなセリフが記事タイトルにも書いたプッチ神父の「DISCを一枚この私にッ!」という台詞です。

なんてキュートなセリフなんでしょう。

自分自身のスタンドであるホワイトスネイクにプッチ神父が呼び掛けてDISCを取り出す時のセリフなんですよ、これ。

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第310号『初めてのルーブルはなんてことはなかった』

第310号『初めてのルーブルはなんてことはなかった』

『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』のテーマソングである宇多田ヒカルさんの『One Last Kiss』の歌い出しの歌詞が凄い。

「初めてのルーブルはなんてことはなかったわ」

ここから「私だけのモナリザ とっくに出会ってたから」と続くのですが、もうこの本予告は公開時から何度も何度も劇場予告でもYouTubeでも観てましたので、当然ながらこの歌も何度も聞いてはいたのですが改めて凄く情報が凝縮され

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漫画には戻れず文芸に走った老人たちへ

漫画には戻れず文芸に走った老人たちへ

たぶん今回の記事はそれなりに物議を呼ぶ話題になりそうだってことを先に宣言しておきますね。

また同時にこれも私が個人的に感じていることであり文字通りに個人的意見ということであることも出来ればわかっていただけると助かります。

特に『スタジオジブリ作品だったらなんでもこよなく愛しているようなタイプの方』はきっと気分が悪くなって喧嘩腰になりかねないのでこれ以上は読まないでくださいね。

警告はしました

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マンガと異業種のコラボに需要はあるのか=ドイツから考える

マンガと異業種のコラボに需要はあるのか=ドイツから考える

ドイツ、フランクフルト近郊のリンゴ酒メーカーが先日、マンガ風のデザインを採用した新商品を発表しました。イラストを担当したのは日本の大学院でもマンガ制作を学んだドイツのプロ漫画家クリスティーナ・プラカさん。このシードルとレモネードをミックスしたアルコール飲料は、ドイツの大型スーパーチェーンでの販売を予定しているそうで、つまり全国規模での展開だと思われます。ドイツのクオリティペーパー『フランクフルター

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アニメ制作で一番改善するべき点はシナリオ・絵コンテなのではないか?

ヘイヨーさん、「ラッシュルーム」っていう番組が大好きで。

これ、どういう番組かというと…

アニメ制作会社のサンジゲンが、毎週インターネット上に「アニメ制作に関する動画」をあげてくれているという。

「見てるだけで自然とアニメ制作やアニメ業界に詳しくなっていく」っていう神のような番組ですよ。

で、ヘイヨーさん、このラッシュルームを毎週欠かさず見て、ツイッターでウザイぐらいにコメントしまくってる

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サンジゲンは変わろうとしてる!

今回は、ヘイヨーさんが大好きなアニメ制作会社のサンジゲンについてたっぷりと語りたいと思います。

「ブブキ・ブランキ」の頃からだから、もう4年くらいですよ。

最初は作ってるアニメに興味があったのだけど…

段々とアニメ本編よりも背後にあるモノの方がおもしろくなってきちゃって。

背後にあるモノっていうのは、たとえば「アニメの作り方」「会社の経営の仕方」そして「会社が変化していく過程」ですよ。

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行き詰まりのビジネスモデルを変えるために:『アニメプロデューサーになろう!』

行き詰まりのビジネスモデルを変えるために:『アニメプロデューサーになろう!』

『けものフレンズ』などで知られるヤオヨロズ株式会社の福原慶匡さんが記した本『アニメプロデューサーになろう! アニメ「製作(ビジネス)」の仕組み 』(星海社新書)は、
1冊で一気に学べる「アニメ製作の教科書」と銘打っているだけあり、
実践的な情報が網羅されている貴重な一冊です。

ただ、前半に熱い言葉が並んでいるわりに、
「現在の問題だらけの構造を、どう変えていくのか」が
ほぼ触れられないまま終わっ

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第215号『洋画は必ず吹替え版で観る』

第215号『洋画は必ず吹替え版で観る』

皆さんは洋画を観る時ってどちらで観ますか?

『字幕版』で観るか『吹替え版』で観るか?ってことです。

映画館なんかで観る時にはだいたいこの2択だと思いますが、私は極力『吹替え版』で観ます。

(実際の所どうなんでしょうね、どっちが多いのかな?)

あくまでイメージですが。なーんか世の中というか周りを見ていると

“オリジナルは『字幕版』であって『吹替え版』って後から音を付けなおしてるんでしょ?や

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模写の意味と、おすすめの本の紹介

模写の意味と、おすすめの本の紹介

どうもゲームディレクターのおこめです。
今回は模写について、おすすめの本の紹介と、模写の目的をお伝えします。

模写をする意味、模写の対象にする絵も意図が非常に重要なので、興味のある人は最後までお付き合いくださいませ。

1.アニメーターの画集がおすすめまず忘れてほしくないのが、模写をする際、正確に似せる事が目的ではなく、絵が上手くなることが目的ということです。

そのため、対象の絵も上手い絵、勉

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日本アニメのクオリティを担保する演出

日本アニメのクオリティを担保する演出

どうもゲームディレクターのおこめです。
今日は昔アニメーターだった自分が、日本のアニメの特徴と工夫についてお話したいと思います。

1.日本のアニメは動きが少ない
まず最初に日本のアニメは動きが少ないです。
これは日本アニメの最大の特徴で、口パクや、表情、顔だけ動く、
手だけが動いてるものが大多数です。

でもアニメを見ていて、そこまで気になる人は少ないと思います。
ここに日本アニメの演出力の高さ

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