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意味の図画と言葉の工作、このふたつで僕は文章をつくる

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図画とはクリエイティブであり、工作とはエンジニアリングである。実用に資する公的に正しい文章は、伝達と行動を企図した徹底的な他者志向から生まれる。 文化人や知識人は世の言葉の乱れ… もっと読む
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2019年1月の記事一覧

「読みやすい文章」と「チャーミングな文章」は違う

「読みやすい文章」と「チャーミングな文章」は違う

「あなたの文章は推敲しない方がいいね」

二十年近く前、編集・ライター養成講座に通っているとき、読売新聞の編集委員をしていた講師の方にそう言われた。「文章は推敲せぬばならぬ」と信じていた当時のわたしはビックリした。

思考を言葉にしたときの、ごつごつとした手触りの生々しい文章が、推敲を重ねるうちにすっかり研磨されて、読みやすいけど特にひっかかりのない、当りさわりのないものになってしまうよ、と。

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美しい日本語を操るアーティストたち

日本語は美しい。

そう思いませんか。

漢字とひらがなとカタカナと。
その言葉の紡ぎ方は、無数に存在します。

類義語も多く、その状況に合う言葉を細かく選ぶことができます。

例えば、朝の太陽の光を表す言葉だけでも「旭光・曙光・暁光」などがあります。
昼間の太陽なら「昼光・白光」、夕方になると「夕陽・晩陽・斜陽」。
さらに細かい描写を求め、夕方の太陽の中でも沈む様子を表したければ「落日・日没・落

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「書く力」を身につけるうえで「ツイッター」以上にいい方法を思いつかない

「書く力」を身につけるうえで「ツイッター」以上にいい方法を思いつかない

「書く力」を身につけるにはどうすればいいか?

編集者という肩書きをつけているので、そんなことをよく聞かれるけれど、いくら考えても「ツイッター」以上にいい方法を思いつかない。

もちろん眺めるだけじゃなくて発信しなきゃダメだけれど、それによって身につく力は計り知れないと思う。

ツイッターをやれば、「書く力」につながるさまざまな力が手に入る。思いつく限り挙げてみたい。

①勇気ツイッターでは発信す

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良い文章とは、自然に溢れ出てくるもので

「文章を書こう!」

そう意気込んでも、中々納得できる文章が書けずに挫折してしまうことが何度もある。ひどい時は、1週間以上書く内容を悩んだ挙句、一文字も文章に出来なかったこともある。

それくらい「文章を書く」というのは、頭と時間を使うものだ。

だけどごく稀に、頭こそ使うものの、時間をかけずにスラスラと文章を書けることがある。そして、そんな時ほど良い文章ができたりするのだ。

後、良い文章が書け

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読者を惹き込む「リード文・締め文」って?良記事に学ぶ方法論と心構え

読者を惹き込む「リード文・締め文」って?良記事に学ぶ方法論と心構え

個人で出したこちらの記事が広く読まれ、うれしい限りです。

弊社モメンタム・ホースで本日、良記事の「リードや締めを学ぶ」勉強会を開催したのですが、そこで各メンバーからオススメ記事が多数挙がったので、こちらでもシェア。

まず僕から。(作り手のメタ視点から、自分なりのスゴポイントをちょこまかと書きます)

※あくまでそれぞれのメンバーの選好による部分も大きいので、参考までに。

染まることを恐れるな

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34才のライター宣言。

34才のライター宣言。

明けましておめでとうございます。牧野です。普段は文鳥文庫を出版する「文鳥社」や、企画・デザインを中心としたブランディングをする「カラス」や、その親会社である「エードット」で役員をやっています。

ほとんどの方にとってどうでもいいことであると承知で書きますが、今年からは「ライター」を名乗っていこうと思います。もともと博報堂に入社した頃から「コピーライター」という職種だったので「すでにライターじゃない

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「書くのが苦手」は要素分解できる。『ライティング基礎ワークショップ』に参加して気づいたこと

「書くのが苦手」は要素分解できる。『ライティング基礎ワークショップ』に参加して気づいたこと

こんばんは、sentence事務局の長野です。昨年、sentenceでは第7期ライティング基礎ワークショップを開催しました。

全4回の講座では、相互インタビューや書き起こしからの記事作成など、ワークを通してライティングを基礎から学びます。第7期となった今回は、「仕事でオウンドメディアを運営したい」「書くことを学び直したい」など、様々な「書きたい理由」を持った14名の受講生が集まりました。受講生は

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自分には文章力がないからブログなんて書けない、というのは大きな勘違い

自分には文章力がないからブログなんて書けない、というのは大きな勘違い

絶対に失敗しないブログの書き方として、まずはブログをメモのために書きましょうという話を書いてから、すっかり間が空いてしまいましたが、皆さんブログは続いてますでしょうか?

昨年末頃から、何人か、あの記事を読んでブログを始めたとか再開したという嬉しいお声を頂きましたので、あらためて続きを書いてみます。

皆さんが、たまにでも、メモとしてブログを書くことを続けられそうなのであれば、間違いなく

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一流の文学は突き放す

一流の文学は突き放す

これで12回目。前回、江藤淳を引き合いに出して、一丁前に文学論を語ってしまいました。プロでもないのに、だいそれたことをしたと結構後悔。これは三島由紀夫の自論です。わたしなりに芥川、漱石などを使いながら、それをかみ砕いてみました。ちょっと長いですが、ご容赦ください

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せっかくなので、開き直って、もう一本、文学のことを書いてみた。一流の文学ってなんだろ?ということだ。今回わたしがアップした『

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日本人と日本語のルーツ

日本人と日本語のルーツ

これは20回目。noteに20日連続投稿となりました。わたしのnoteを読んでいただいた方に感謝しております。何にせよ自分の為になっています。いや~noteって不思議。

さて本日は我々の原点にもどって、主に日本語ってどこからきたんだろう、というお話です。一般的な王道の定説とは、まったく違う見方です。

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日本人ほど、日本人論の好きな民族はいない、と言われる。実際、昔から本屋にはおびただし

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すべてのことはメッセージ

すべてのことはメッセージ

ポーカーにはレプリゼントという概念がある。

レプリゼントとは、「ゲーム中の行動を通じて発生する非言語メッセージ」のことだ。

たとえば掛け金を上げる(レイズ)という行為は、「私の手札は強い」や 「相手を下ろしたい」というメッセージを発している。同じように降りるという行為も「手札が弱い」や「リスクが見合わない」というメッセージを発している。

基本的に、「あらゆる行動は、周囲にたいして何かしらのメ

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【左脳めし】「世界共通語」と呼べるほど、世界中に広まっている言語は?

【左脳めし】「世界共通語」と呼べるほど、世界中に広まっている言語は?

突然ですが、問題です。
現在、「世界共通語」と呼べるほど、世界中に広まっている言語は何でしょう?

英語?

いいえ、それは「アラビア数字(0,1,2,3,4,5,6,7,8,9)」です。

アラビア数字の起源「アラビア」とありますが、起源はインド(インド数字)です。
インド数字は、まず、インド西方のアラビアに伝わり、その後、ヨーロッパに伝わった時に「アラビア数字」と呼ばれるようになりました。数字

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人は自分の優秀さを見せびらかしたくてモノを買っている

人は自分の優秀さを見せびらかしたくてモノを買っている

人間誰しも、他人にどう見られたいかを意識して生きています。あるいは意識していなくても、あるべき自分、ありたい自分をにおわせて生きています。

それは恥ずかしいことでも何でもなく、ごく自然で生物学的な現象です。他人のかっこつけを指差して笑う人もいますが、実は指差して笑うこと自体も「自分はわざとらしくかっこつけない謙虚な人間である」というイメージを見せびらかしているにすぎません。

慈善団体に寄付した

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価値ある写真。価値ある文章。

価値ある写真。価値ある文章。

 写真家である幡野広志さんのnoteが公開されると僕はサポートをする。100円のときもあれば1,000円のときもありバラバラだ。とりわけここ最近は投稿を見逃さない限りそうすることにしている。僕にとってはそれが、うれしいお金の使い方だから、くらいのざっくりとした感覚でサポートをしていた。

 じゃあ一体、どうしてだろう?

 その答えらしきものが、つい先日大晦日の幡野さんの投稿でぼんやりと見えてきた

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