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企画とプロダクトの「魂(SPIRITS)」

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工業的・商業的な「製品」と、芸術的・美術工芸的な「作品」、どちらも英語では“product”。故に両者を総称して「プロダクト」と呼ぶが、優れたプロダクトを生むには説得力のある「企… もっと読む
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記事一覧

【図解1910】「エアークローゼット」のビジネスモデル(実在企業のビジネスモデル5)

【図解1910】「エアークローゼット」のビジネスモデル(実在企業のビジネスモデル5)

「妄想ビジネスモデル」シリーズでビジネスモデルを図解して思考実験(妄想)する傍ら、引き出しを増やすために実在する企業のビジネスモデルも図解しています。

せっかくなので、こちらもカタログ的にご紹介していこうと思います。「世の中には色々なビジネスモデルがあるんだな~」程度に、軽い気持ちで眺めていただければ幸いです。

なお、今回からビジネスモデルの表記法を一部変更し、かつ一度に一社の紹介としています

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コンテンツ飽和時代、人生を着実に退屈にする「効率重視のパラドックス」を乗り越えるためのたったひとつの冴えたやりかた。

コンテンツ飽和時代、人生を着実に退屈にする「効率重視のパラドックス」を乗り越えるためのたったひとつの冴えたやりかた。

 初めに、いまから200年ほど時をさかのぼって、その時代の天才詩人ゲーテの代表作『ファウスト』を見てみよう。
 この疾風怒濤の一大悲劇の主人公ファウスト博士は、万巻の書を読み尽くし、いくつもの学問を究め、その結果、「何もわからないことに気づいた」人物である。
 かれはその後、悪魔メフィストフェレスをともなって現実世界で快楽や権力を追求することになるのだが、それはともかく、今日の視点でこの『ファウス

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デザインを飛躍させるためのコンセプトメイキング

デザインを飛躍させるためのコンセプトメイキング

デザイン前の言語化デザインの現場ではよく、「言語化」の重要性が語られます。
エルでもことばをとても大切にしており、デザインの前に「ことばづくり」の過程を設けています。ことばづくりとは、コンセプトメイキングのこと。つまり、「方向性をことばで定義する」ことです。

コンセプトメイキングをするうえで気をつけているのが、表現の可能性を狭めないこと。

「定義」というと、削ぎ落としたり絞り込んだりするイメー

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現代においてクリエイトしないクリエイターはクリエイターではない

今日こんなツイートを見かけました。

あずきさん的には結論として「いいからX(旧Twitter)なんてやってないで書け、送れ、発表しろ」と言いたいですね。

これだけ言って終わりなんですけど、今日は少し深掘りして「なぜ今日日こんなにクリエイトしないクリエイターが増えた」のかと言う話をしていきたいと思います。

プロとアマチュアの露出機会の差が縮まった最近ネットで何でも作品を発表できる世の中になり、

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【補論】女性ウケコンテンツを考える

【補論】女性ウケコンテンツを考える

この記事を書いた後で、思い出したことがあるので補論として。

美少女を描く動機がエロではなく幼児退行である?異性に興味がなくなるという意味で「幼児退行」なのか、ニュアンスが分かりかねるところではあるのだが、そこはこげどんぼ*女史の主張が補助線になる。

これが「幼児退行」の含意なのか。

こういう構造だけならマンガだと1950年代、アニメだと1960年代からの蓄積もある。

既に3世代分回転した現

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こだわり=付加価値の法則を捨てたあとに残るもの

こだわり=付加価値の法則を捨てたあとに残るもの

「オーガニックコットンを使用しています」
「環境負荷が少ない発送方法を採用しています」
「無農薬無肥料栽培で安心安全です」

ものが溢れる現代、お客様に選んで頂けるようにどのメーカーも芯を持って、こだわり抜いた商品を発表しておられます。

多くの買い物は気分で判断する。ご自身の食べるもの、身に纏うもの、暮らす環境ひとつひとつに目を光らせ、背景を理解した上で購入される方は多くいらっしゃいます。
その

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「コンセプト」とは何か、分かりやすく説明してみる。(売れなかった & 売れた商品事例を元に)

「コンセプト」とは何か、分かりやすく説明してみる。(売れなかった & 売れた商品事例を元に)

はじめにこの記事は、関係者に配慮しながら、できるだけ丁寧に、誠実に書いていきたいと思います。

この記事には、自社商品の売れなかった事例が赤裸々に登場します。売れなかったものを「売れなかった」と言うのは、タブーなのかもしれません。商品や事業は、たくさんの人の力で完成します。一生懸命作った人も、売ってくれた流通の方も、投資してくれた人も、そして、それにお金を払って使ってくれたお客様もいます。

だか

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関係がこじれた実家に、遠隔で鳴かせる「鳩時計」を設置したら起こった、想像以上のできごと。

関係がこじれた実家に、遠隔で鳴かせる「鳩時計」を設置したら起こった、想像以上のできごと。

人生でただ一つ、何十年も悩んできたことがあります。

10代のある時から、親と上手く話せなくなりました。

僕の親は僕がやることに次々ダメ出しして怒るタイプで、小さい頃はそれを疑問に思わずただ受け入れて泣いていましたが、10代後半に疑問に思い始めました。「俺って、何か間違ってるのか? そんなに悪いのか?」

僕に悪かったことがあるとすれば、口答えをしなかったことです。何度か逆ギレしたことはありまし

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「動く」全体戦略の構築──『プランニングの基本』から【9】

「動く」全体戦略の構築──『プランニングの基本』から【9】

『この1冊ですべてわかる プランニングの基本』(高橋宣行著)一部公開第9回、最終回は「相手を動かす仕組みをどうつくるか」について。
「あの人」を攻略するために、何を、どうすると振り向いてくれるのか。買い続けてくれるのか。大切なのは相手の顔が浮かんでいるかどうかです。

「第3章 プランニングの工程──創造的プランナーの段取りとコツ」より

「コンセプト」「コア・アイディア」を核に戦略化あらゆるモノ

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企画力を爆上げするたった一つの方法

企画力を爆上げするたった一つの方法

※この記事はゲームプランナーを目指す学生向けの記事になっております。
前回の記事はこちら
「かつて一般高校生だった僕が、専門学校での2年間で、ゲームを22作品作った話」

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今回は、企画を作る際にこの考えを持っているか持っていないかだけで大きな差が出るたった一つの方法をご紹介していきたいと思います。

それはズバリ...

「面白い」とは何か? です!

より具

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オリジナルキャラクターのつくり方 - YouTube再生数6億回「クマーバ」の事例 -

オリジナルキャラクターのつくり方 - YouTube再生数6億回「クマーバ」の事例 -

今日も見ていただきありがとうございます!
株式会社Kumarba代表の樋渡(ひわたし)です。
今後もみなさまに有益な情報を小出しできればと思いますので、よかったらフォローよろしくお願いします。

今回はクマーバをつくった時(2019年)を事例にして、「オリジナルキャラクターのつくり方」について書いていこうと思います。
※ちなみに「クマーバチャンネル」についてはこちら↓

1、キャラクターの要件定義

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MacのCMを見て思ったこと

2020年2月28日に公開されたApple JapanのCMを見て感動したので、久しぶりにnoteを書きます。

最近、ニンテンドー wiiの企画に深く関わった玉樹 真一郎さんの『コンセプトのつくりかた』を読み終えたばっかりだったので、コンセプトてなんぞやと考えなおしているところに、このCMを見ました。

30秒の映像/音楽の細部がコンセプトに収束していて、Apple Japanが伝えたいことすべ

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アイデアが沸かない人間はどう生きていけというのか

アイデアが沸かない人間はどう生きていけというのか

落ち込む

小さい頃から、何か考えてというのが苦手だった。
アイデアなどどう出せばいいのか。

大きくなった。今では三十路だ。結婚もした。
かみさんは、事業のアイデアをいくつもいくつも出しては、私に壁打ちしてくる。

そして、なるほどそれはセンスがいいのだ。
数年後に実現していたものもある。

「ほーら、あん時やっておけばよかったのに。」もう何回聞かされたか分からない。

かみさんには実現したい構

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『ちいかわ』現象:『ちいかわ』ヒットの要因とSNS発コンテンツの未来とは?

『ちいかわ』現象:『ちいかわ』ヒットの要因とSNS発コンテンツの未来とは?

「ちいかわ(なんか小さくてかわいいやつ)」は、「日本キャラクター大賞2022」でのグランプリ獲得を皮切りに、今、最も注目度の高いキャラクターIP(知的財産)である。

今回は、『ちいかわ』のヒット要因について、マーケティング的なエッセンスで考察してみたいと思う。

そもそも『ちいかわ』とは?

『ちいかわ』は、SNSで活躍するクリエーター:ナガノ氏が2020年にTwitterで展開し始めた漫画作品

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