晶文社

東京・神保町にある、文学・芸術を中心とした書籍と各種学校案内書を発行する出版社です。犀🦏のマークが目印です。

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    • 姫乃たまさん『永遠なるものたち』を巡って

      『永遠なるものたち』に関する記事をまとめています。

    • 立ち読み・試し読み

      本のまえがき・あとがき・ぬきがき、イベントレポートやインタビュー記事など、ちょっと立ち止まって読んでみてください。

    • マイ・スクラップブック

      スクラップとは、断片、かけら、そして新聞や雑誌の切り抜きのこと。われらが植草甚一さんも、自分の好きなものを集めて、膨大なスクラップ・ブックを作っていました。 ここでは、多彩な魅力をはなつ書き手たちのスクラップブック──つまり、自身がこころから興味・関心を寄せるモノ・コトについて書いたエッセイ──をご披露いただきます。(編集部)

    • 新刊・既刊・パブ情報

      新刊・既刊をとわず、書評や紹介の情報をアップします。

    • 障害とパートナーシップ会議(石田月美×鈴木大介)

      数々の精神障害を抱え死にたくなるような苦しい日々から、婚活を機にサバイブした体験を描いた『ウツ婚』の著者・石田月美さんと、発達障害特性を持つ妻vs高次脳機能障害となった元モラハラ夫による家庭生活改善マニュアル『発達系女子とモラハラ男』の著者・鈴木大介さんが、障害当事者とそのパートナーのよりよい関係を模索すべく、連続対話を企画しました。

    最近の記事

    • 固定された記事

    はじめますので、ご挨拶

    こんにちは、わたしたちは晶文社という出版社です。 創業から今年で60周年を迎えます。人文・思想や芸術、文学、ライフスタイル、働き方など、さまざまなジャンルで単行本を出版しています。『吉本隆明全集』も継続的に刊行中。学校案内や資格検定の書籍も手がけています。超ロングセラー『考える練習をしよう』(初版1985年)や『数の悪魔』(初版1998年)などでご存じの方もいらっしゃるかもしれません。 目印は、渋みのある犀(サイ)のマーク。速足ではないけど、しっかりした足取りで。優れた書

      • 6/13発売『インフルエンサーのママを告発します』作者のことば

        作者のことば  子どもが生まれたとき、わたしはミニホームページ[*1]とカカオストーリーに子どもの写真をのせました。かわいくて、おかしな姿をすべて記録にのこしておきたかったのです。子どもがそれなりの年齢になるまで、メッセンジャーのプロフィールにも子どもの写真を使っていました。  ところがある日、子どもが「SNSに自分の写真をのせないでほしい」と言ってきたのです。わたしとしては、かわいいと思ってしていたことでしたが、子どもがいやがることもあるのだと、そのときはじめて知りました

        • <ない>ものを見つめるということ――角田光代さん×姫乃たまさんトークセッション

          2023年2月23日に、芳林堂書店高田馬場店8Fイベントホールにて行われた、『永遠なるものたち』発売記念イベントでの対談をお届けします。角田さんとたまちゃん、と呼び合う二人には、どのような関係(接点)があったのでしょうか……? 秘密はレモンサワーにあり……⁉ 不思議なリズム感で繰り広げられるトークセッションをぜひお楽しみください。 角田:今日はよろしくお願いします。 姫乃:角田さん! なんと、私今年の4月でこの仕事15年目になるんですけ  ど……きょう初めて人前でズボンをは

          • 読書感想文コンクール「<わたし>の永遠なるものたち」結果発表!

            2023年2月末に募集を締め切らせていただきました、『永遠なるものたち』読書感想文コンクール「<わたし>の永遠なるものたち」ですが、皆さまのご応募、まことにありがとうございました。 応募いただいた多数の力作の中から、姫乃さんとの厳密なる審査の結果、下記のように各賞を定める運びとなりました。 姫乃たま賞:はこもりひろみさん 「余所見」  姫乃賞:えりぽんおじさん 「姫乃たま『永遠なるものたち』を読んで」  https://note.com/jwavisavi/n/n891

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            金井真紀書評『香川にモスクができるまで──在日ムスリム奮闘記』

            この本は神がかっている。いろんな意味で。 もちろん全体に漂うのはアッラーの存在感だ。主人公のフィカルさんは15年以上前から香川に暮らすインドネシア人。毎日5回のお祈りを欠かさない敬虔なイスラム教徒で、モスク建立を思い立つくらいだからアッラーへの信仰心が半端ない。神様が随所に出てくるのは当然である。だが、それだけではない。イスラム教徒に言わせれば「アッラーのほかに神はなし」なのだろうけど、あぁわたしには見えてしまったよ、降臨する取材の神様の姿が。 書名の通り、本書は「香川にモ

            【目次】『教室を生きのびる政治学』(岡田憲治著)

            序章 大前提:力を抜いて自分を守る――善・悪・社会 ◆教室のなかの安全保障 日々の悩みや不満から始める 「今日からあなたは主権者です」 ◆だれも立派な人にはなれません 自分の足元から考える 天気予報も出口調査もハズれる 頭と身体を動かすために 立派な人になるより切実なこと ◆友だちが100人も必要なワケがない ゆるくつながること 顔も知らない隣人たちの集まる「社会(ソサエティ)」 僕たちは一人残らず弱くて小さい ◆世界史に一度しか登場しない僕たち 一人の人間がいることの奇跡

            不眠、社会化されない病のエセー|伏見瞬

            「第七に睡眠」 どんな運動体でも共同体でも組織体でも、眠りをおろそかにするものはすべて信用に値しない。人が共に生きるための前提条件、つまり孤独の根拠を無視しているからだ。  森元斎は無政府主義を平易に解説せんとした『アナキズム入門』(ちくま新書,2017)において、19世紀ロシアの革命徒ミハイル・バクーニンの以下の言葉を引いている。スイス・ジュラ地方でインターナショナル会員と議論した際に、バクーニンが人間の幸福について語ったものだという。  森はバクーニンを紹介する章の最後

            【さきよみ】岡田憲治『教室を生きのびる政治学』より「はじめに」全文掲載!

            はじめに   突然だが、こういうモヤモヤする経験はないだろうか?  とある学校行事に向けたクラスでのホームルーム。場を仕切っているのは声が大きいタイプのいつものメンバーで、あまり発言しない人たちはまるでその場にいないかのように話が進んでいく。話があっちこっちにとっ散らかってかみ合わず、議長役のクラス委員も、みんなも重苦しくなっている。感情もふくめてどんどん迷走していくさまは、もはや議論とは言いづらい。打開するために多数決をとってみたら、賛成51% ・ 反対49%となり、結果

            tofubeats書評『香川にモスクができるまで──在日ムスリム奮闘記』

            作者の岡内大三氏と知人でもあるというKotetsu Shoichiroさんという香川在住の友人アーティストよりお薦めしていただいてこの本を手に取った。読後、こんなに人に優しくありたいと思えた本はひさびさである。  この本はフィカルさんという日本に移住してきたインドネシア人が、彼の住む香川県の地方都市にイスラム教の礼拝施設であるモスクをつくるまでを作者が取材した取材記だ。モスクについてもイスラム教についても詳しくはない自分でも非常に興味深く読めた1冊である。  地方都市でモスク

            立ち読み『香川にモスクができるまで──在日ムスリム奮闘記』プロローグ

            プロローグ 「香川県にモスクをつくろうとしているインドネシア人がいる。その男は、溶接工で、長渕剛が好きらしい」 その噂を聞いた私は、背後のヘッドライトに煽られながら、車で香川県のX市に向かった。 2019年3月某日の夜7時。私はその男と会うために、瀬戸内海に面した工場地帯を抜け、やがて住宅団地の神社の駐車場にたどり着いた。モスクがイスラム教の集団礼拝所だとは知っていたが、タイル張りの細密画で装飾された宗教施設という印象が強く、あのような建造物が香川県の地方都市にできること

            読書感想文コンクール「<わたし>の永遠なるものたち」募集のお知らせ

            姫乃たまさんによる初の本格エッセイ『永遠なるものたち』の発売を記念して、読書感想文を大募集します。 あなたにとっての「永遠なるものたち」をぜひ教えてください。 本書を読んで思ったこと、感じたこと、考えたことなど、 自由に記していただけたら嬉しいです。 【募集要項】 発売中『永遠なるものたち』を読んで、あなたの想いを自由にまとめてください! ・形式は、感想文、論文など何でも自由。  本書に触発された詩や小説、二次創作などの文芸作品もOKです。 ・文章以外、イラストや画像

            立ち読み『黒衣の外科医たち:恐ろしくも驚異的な手術の歴史』訳者あとがき

             「外科医が書いた外科手術の歴史に関する本を訳していただけませんか」  晶文社の編集者、葛生知栄さんから翻訳の打診を受けたとき、思わず「ひぃ〜」と声が出た。実はわたしは人が切られたり、刺されたりする場面が苦手だ。数年前に『世にも危険な医療の世界史』(文藝春秋)という本を訳したのだが、残酷な場面が続出して、目から赤い血を流しながら訳したのを憶えている。足を切断する場面や、眼球の上部からアイスピックを突き刺して脳の組織をぐちゃぐちゃにする場面、頭痛に悩む患者に暖炉で熱々に熱した

            『「女の痛み」はなぜ無視されるのか?』三夜連続無料トークイベント開催!

            出産時に感じた身体的な痛み、訴えを軽視された著者のアヌシェイ・フセイン氏自身の経験をきっかけに、医療ケアにおける性差別・人種差別に切り込んだノンフィクション『「女の痛み」はなぜ無視されるのか?』(晶文社)。 その刊行を記念して、女性活躍推進に向けて多方面でご活躍されている有識者の皆さまによる三夜連続の無料トークセッションを開催します。 ファシリテーターには、大人気性教育YouTuberであり助産師のシオリーヌさんをお迎え。 一人の女性として、母として、妻として、社会やパ

            「睾丸〈きんたま〉板の間に落つ」――明治「異性装」事件を読む|平山亜佐子

            2009年末に『明治大正昭和 不良少女伝――莫連女と少女ギャング団』(河出書房新社)を上梓した。明治から昭和初期の不良少女に関する新聞記事を並べて解説した本で、今年13年ぶりにちくま文庫の仲間入りをさせていただいた。 単行本を執筆した際、約100年前の新聞記事を検索していて異性裝者の事件がちょくちょく取り上げられていることに気がついた。異性裝、いわゆるクロスドレッサー(生得的身体と違う性別の服飾をまとう行為を指す)が100〜150年前の日本において娯楽、職業、性的嗜好など実

            女性が痛いといっても信じてもらえない理由|10月12日発売『「女の痛み」はなぜ無視されるのか?』日本版まえがき

            日本の読者へ バングラデシュで生まれ育ったアジア人女性として、長年続く家父長制的な(特に女性のふるまいに関する)慣習や規範に異議を唱えた日本人女性の前に立ちはだかる、根深い文化的信念を理解するのは難しいことではなかった。女性の立場や行動様式があらかじめ定められている社会で育つとはどういうことか、私はよく知っている。 「私たちはとにかく怒らせてもらえなかった」と石川優実氏は書く。彼女は職場でヒールの高い靴を履かなければならない慣習の廃止を求めるツイートが拡散されたことで、日本

            リラックマのための断章|西村紗知

            序文 ある日急にリラックマ(※)が欲しくなった。 コンビニのコラボアイテムを視界に入れたのか、何かSNS上でたまたま見かけたのがきっかけだったのか、まったく記憶が定かでないが、ある日、筆者は気が付いたらキデイランド吉祥寺店にいた。 もともと、それが漫画などの「作品」の登場人物だったのか、それとも最初から玩具・雑貨・文房具のメインの意匠として生み出されたものだったのか、その来歴はさまざまであるが、キデイランドでは「ファンシーキャラクター」たちは各々の暖簾を守っている。ここ