晶文社

東京・神保町にある、文学・芸術を中心とした書籍と各種学校案内書を発行する出版社です。犀…

晶文社

東京・神保町にある、文学・芸術を中心とした書籍と各種学校案内書を発行する出版社です。犀🦏のマークが目印です。

マガジン

  • 60歳からのしゃる・うぃ・ダンス

    「60歳」は高齢者で、年寄りのイメージがある。けれども実際に60歳になってみると、少なくとも精神的には若い頃とそう変わらない。アメリカでは、60代でフルタイムの仕事から引退しても、仕事そのものは何らかの形で続ける人が多い。そしてみな新しいことを始める。60代を、第二の人生を始める素晴らしいタイミングだと捉えているのだ。「人生の後半に自分を幸せにする発想転換」を伝えるエッセイ!

  • 新刊・既刊・パブ情報

    新刊・既刊をとわず、書評や紹介の情報をアップします。

  • 立ち読み・試し読み

    本のまえがき・あとがき・ぬきがき、イベントレポートやインタビュー記事など、ちょっと立ち止まって読んでみてください。

  • 書店様向け情報

    「この新刊は、こういう棚で平積みされてます」「刊行したのは前だけど、こんなきっかけで再ブームに」などなど。営業担当だからできる、晶文社本の総合案内。

  • ウェブ連載

    注目の書き手たちによるオリジナルのウェブ連載。

記事一覧

固定された記事

はじめますので、ご挨拶

こんにちは、わたしたちは晶文社という出版社です。 創業から今年で60周年を迎えます。人文・思想や芸術、文学、ライフスタイル、働き方など、さまざまなジャンルで単行本…

晶文社
4年前
83

60歳からのしゃる・うい・ ダンス 01「ひとりでムカついているよりも…踊ってしまえ」

私が社交ダンスを始めたのは1年前の2023年1月13日。63歳の誕生日のちょうど2ヶ月前のことだ。 社交ダンスしていることを誰かに話すと、必ずといっていいほど「なぜ社交ダ…

晶文社
23時間前
39

とてつもない勇気と知性と愛に溢れた一冊だ|金田淳子——『フェミニスト、ゲームやってる』&『SF作家はこう考える』刊行記念イ…

1.ゲームをフェミニズム批評することの困難  日本ではゲームについて、ビジュアルやシステム、ストーリーの良し悪しに関しては、早い時期から専門誌や個人のサイトなど…

晶文社
7日前
21

【新刊試し読み】『テヘランのすてきな女』はじめに|金井真紀

自分でもびっくりしている。こんなに早く原稿が書けるなんて。いつものサボり癖はどこへいった? 託された熱が冷めないうちに、急いで本にしなければ。その一心で書いた。…

晶文社
7日前
22

【プロローグ】変人で偏屈なガキが、イソギンチャク道を志すまで【全文掲載】

まるで落雷のようだった。俺の頭に突如、インスピレーションの神様が 舞い降りた。 「そうだ、こいつを〝テンプライソギンチャク〟と名付けよう!」 あの日、眼前に流れた…

晶文社
7日前
13

【さきよみ】菊池良『えほん思考』より「はじめに」全文掲載!

はじめにこの本はとても奇妙な本です。絵本からイノベーションを学ぶことがその主題です。 思考法やアイデア術を紹介した本はさまざまありますが、多くは事例の要素を分解…

晶文社
3週間前
16

海外文学選書シリーズ「I am I am Iam」リーフレット配布店

晶文社では、新しい海外文学選書シリーズ「I am I am Iam」をスタートいたします。 刊行された年代を問わず質の高いものをピックアップし、広く長く読み継がれるシリーズを…

晶文社
3週間前
22

「仕事と子育てを上手に回し、すべてを手に入れよう」に注意|5月24日発売『女性はなぜ男性より貧しいのか?』

どういうことがネオリベラル・フェミニズムなのか?  問題は、女性のリーダーやメンターというより、ネオリベラル・フェミニズムの言説がどういうものかを社会全体が認識…

晶文社
2か月前
28

【たちよみ】稲葉振一郎『宇宙・動物・資本主義――稲葉振一郎対話集』より「あとがき」掲載

あとがき2000年代(ゼロ年代)、まだアラフォーの頃、『経済学という教養』(東洋経済新報社、2004年。ちくま文庫版、2008年)のスマッシュヒットで調子に乗っていた私は、…

晶文社
2か月前
15

【さきよみ・あとがき】尾久守侑『倫理的なサイコパス――ある精神科医の思索』より「あとがき」掲載!

あとがき   いつの間にか精神科医になっていた。もちろん記憶がないわけではない。医学部を受験したことも覚えているし、医師国家試験を受験したことも覚えている。研修…

晶文社
2か月前
38

【さきよみ・表題作】尾久守侑『倫理的なサイコパス――ある精神科医の思索』より「倫理的なサイコパス」全文掲載!

倫理的なサイコパス  特に暇というわけではないが、今やらなければいけないことに取り組む気になれないときにSNSの巡回を50周くらいしてしまう。 それでいくら更新しても…

晶文社
2か月前
49

【さきよみ】近藤銀河『フェミニスト、ゲームやってる』より「#01 かくして私は収奪と救出に失敗する/『ピクミン4』、やって…

かくして私は収奪と救出に失敗する 『ピクミン4』、やってみた ピクミンというあの植物みたいな生き物のことを知っている人は多くても、「ピクミン」というゲームをやった…

晶文社
3か月前
25

【さきよみ】近藤銀河『フェミニスト、ゲームやってる』より「はじめに」全文掲載!

なぜフェミニスト、ゲームやってる ゲームとフェミニズムは相性が悪いのか? 「フェミニストがゲームをやってる」という話をすると、「え? フェミニストとゲーム? す…

晶文社
3か月前
54

立ち読み『RITUAL(リチュアル)──人類を幸福に導く「最古の科学」』

 アレハンドロは73歳の男性で、スペインのサン・ペドロ・マンリケという小さな村の出身だ。10代のころから、家族とともに地元の火渡りの儀式に参加してきた。私は何年もの…

晶文社
4か月前
13

藤井直敬さん『RITUAL(リチュアル)──人類を幸福に導く「最古の科学」』書評

『Ritual(リチュアル)──人類を幸福に導く「最古の科学」』を読んで、儀式について僕がぼんやりと感じていた違和感についてかなり整理できた。  僕は博士号を取ってか…

晶文社
4か月前
16

詳細目次『話が通じない相手と話をする方法』

第1章 会話が不可能に思えるとき  最低なやつとの会話   不可能な会話とは何か?   不可能な会話はなぜ起こるのか?   何ができるのか?   この本で学べること…

晶文社
6か月前
36
はじめますので、ご挨拶

はじめますので、ご挨拶

こんにちは、わたしたちは晶文社という出版社です。

創業から今年で60周年を迎えます。人文・思想や芸術、文学、ライフスタイル、働き方など、さまざまなジャンルで単行本を出版しています。『吉本隆明全集』も継続的に刊行中。学校案内や資格検定の書籍も手がけています。超ロングセラー『考える練習をしよう』(初版1985年)や『数の悪魔』(初版1998年)などでご存じの方もいらっしゃるかもしれません。

目印は

もっとみる
60歳からのしゃる・うい・ ダンス 01「ひとりでムカついているよりも…踊ってしまえ」

60歳からのしゃる・うい・ ダンス 01「ひとりでムカついているよりも…踊ってしまえ」

私が社交ダンスを始めたのは1年前の2023年1月13日。63歳の誕生日のちょうど2ヶ月前のことだ。

社交ダンスしていることを誰かに話すと、必ずといっていいほど「なぜ社交ダンスを始めたの?」と尋ねられる。そこには「なぜ社交ダンスを?」と「その歳になってからなぜ?」という2つの質問が含まれている。

動機を最初から説明すると長くなって飽きられるので、まずは「わがままになることを決意したんです」と答え

もっとみる
とてつもない勇気と知性と愛に溢れた一冊だ|金田淳子——『フェミニスト、ゲームやってる』&『SF作家はこう考える』刊行記念イベントレジュメより

とてつもない勇気と知性と愛に溢れた一冊だ|金田淳子——『フェミニスト、ゲームやってる』&『SF作家はこう考える』刊行記念イベントレジュメより

1.ゲームをフェミニズム批評することの困難

 日本ではゲームについて、ビジュアルやシステム、ストーリーの良し悪しに関しては、早い時期から専門誌や個人のサイトなどで、頻繁に批評の対象にされてきた。しかしゲームから読み取れる思想的な良し悪し(特にジェンダーやセクシュアリティに関する思想)については、極端に批評が少ない。というよりバックラッシュのせいで批評を公にしづらい現状がある、と言わざるを得ないと

もっとみる
【新刊試し読み】『テヘランのすてきな女』はじめに|金井真紀

【新刊試し読み】『テヘランのすてきな女』はじめに|金井真紀

自分でもびっくりしている。こんなに早く原稿が書けるなんて。いつものサボり癖はどこへいった? 託された熱が冷めないうちに、急いで本にしなければ。その一心で書いた。ふだんはもっぱら刊行スケジュールを先延ばしする怠惰な著者なのに、今回わたしは担当編集の竹田純さんの胸ぐらをつかむ勢いで言ったのだ。「御社の刊行スケジュールは遅すぎる。もっと早められないのか」って。まったく自分が自分じゃないみたいだった。

もっとみる
【プロローグ】変人で偏屈なガキが、イソギンチャク道を志すまで【全文掲載】

【プロローグ】変人で偏屈なガキが、イソギンチャク道を志すまで【全文掲載】

まるで落雷のようだった。俺の頭に突如、インスピレーションの神様が
舞い降りた。
「そうだ、こいつを〝テンプライソギンチャク〟と名付けよう!」
あの日、眼前に流れた海の風景を、潮の香りを、疾走する電車の音を、
俺は生涯忘れねえ──。

世界的に有名なあのテンプライソギンチャク。
その命名は、非常にドラマチックな……
おっと危ねえ、いきなりこの本の核心部、タイトルまで回収しちまうところだった。世の中、

もっとみる
【さきよみ】菊池良『えほん思考』より「はじめに」全文掲載!

【さきよみ】菊池良『えほん思考』より「はじめに」全文掲載!

はじめにこの本はとても奇妙な本です。絵本からイノベーションを学ぶことがその主題です。

思考法やアイデア術を紹介した本はさまざまありますが、多くは事例の要素を分解し、そこから導き出せるものを分析します。たいていは複雑な要素が絡まり合い、その「核」は見えづらいです。しかし、この本は「核」そのものから学ぶという趣向になっています。そして、その題材として絵本を取り上げます。なぜ絵本なのか? 実は私たちは

もっとみる
海外文学選書シリーズ「I am I am Iam」リーフレット配布店

海外文学選書シリーズ「I am I am Iam」リーフレット配布店

晶文社では、新しい海外文学選書シリーズ「I am I am Iam」をスタートいたします。
刊行された年代を問わず質の高いものをピックアップし、広く長く読み継がれるシリーズを目指します。

装丁・ロゴデザインはシリーズを通して脇田あすかさんが担当します。
「手にとりにくい・堅い・難しそう」じゃない、初めて海外文学を手に取る方にもおすすめできる、新たな魅力をアピールします。

シリーズ刊行に先立ち、

もっとみる
「仕事と子育てを上手に回し、すべてを手に入れよう」に注意|5月24日発売『女性はなぜ男性より貧しいのか?』

「仕事と子育てを上手に回し、すべてを手に入れよう」に注意|5月24日発売『女性はなぜ男性より貧しいのか?』

どういうことがネオリベラル・フェミニズムなのか?

 問題は、女性のリーダーやメンターというより、ネオリベラル・フェミニズムの言説がどういうものかを社会全体が認識していないことにある。
 ネオリベラル・フェミニズムは、力をもつ者がジェンダー平等や女性のエンパワーメントといった言葉を表面的に捉え、同時に私たちの生活を形づくっている社会経済的、文化的な構造を否定する、巧妙なやり方なのだ。
 では、どう

もっとみる
【たちよみ】稲葉振一郎『宇宙・動物・資本主義――稲葉振一郎対話集』より「あとがき」掲載

【たちよみ】稲葉振一郎『宇宙・動物・資本主義――稲葉振一郎対話集』より「あとがき」掲載

あとがき2000年代(ゼロ年代)、まだアラフォーの頃、『経済学という教養』(東洋経済新報社、2004年。ちくま文庫版、2008年)のスマッシュヒットで調子に乗っていた私は、対談・座談ベースでいくつかの本を作った(長谷川裕一さんへのインタビューを軸とした『オタクの遺伝子』(太田出版)、吉原直毅、松尾匡両氏との『マルクスの使いみち』(太田出版)、先ごろ物故した立岩真也氏との『所有と国家のゆくえ』(NH

もっとみる
【さきよみ・あとがき】尾久守侑『倫理的なサイコパス――ある精神科医の思索』より「あとがき」掲載!

【さきよみ・あとがき】尾久守侑『倫理的なサイコパス――ある精神科医の思索』より「あとがき」掲載!

あとがき 
 いつの間にか精神科医になっていた。もちろん記憶がないわけではない。医学部を受験したことも覚えているし、医師国家試験を受験したことも覚えている。研修医のときは忙しかったからかやや記憶が薄れているが、それでもちゃんと脳内に残っている。私は精神科医になりたいと思って精神科医になった、はずであった。

 しかし、こんな仕事だとは正直思っていなかったところはある。現場は怖い。大袈裟な言い方かも

もっとみる
【さきよみ・表題作】尾久守侑『倫理的なサイコパス――ある精神科医の思索』より「倫理的なサイコパス」全文掲載!

【さきよみ・表題作】尾久守侑『倫理的なサイコパス――ある精神科医の思索』より「倫理的なサイコパス」全文掲載!

倫理的なサイコパス 
特に暇というわけではないが、今やらなければいけないことに取り組む気になれないときにSNSの巡回を50周くらいしてしまう。

それでいくら更新しても誰の新しい投稿もなかったりするとまったく読む必要のないネットニュースを読んだり、Instagramの虫眼鏡の形のアイコンを押してさらに閲覧する必要のない情報、例えば「楽天ポイントだけで生活する夫婦のポイ活のススメ」「レンジでチンする

もっとみる
【さきよみ】近藤銀河『フェミニスト、ゲームやってる』より「#01 かくして私は収奪と救出に失敗する/『ピクミン4』、やってみた」全文掲載!

【さきよみ】近藤銀河『フェミニスト、ゲームやってる』より「#01 かくして私は収奪と救出に失敗する/『ピクミン4』、やってみた」全文掲載!

かくして私は収奪と救出に失敗する
『ピクミン4』、やってみた ピクミンというあの植物みたいな生き物のことを知っている人は多くても、「ピクミン」というゲームをやったことがある、という人は意外に少ないのかもしれない。
 実際のところ、「ピクミン」シリーズはピクミンの可愛さに惹かれてプレイするには、恐ろしいゲームだと私は思う。そこでは労働という行為がもたらす快楽と破壊が描かれている。
 2023年に発売

もっとみる
【さきよみ】近藤銀河『フェミニスト、ゲームやってる』より「はじめに」全文掲載!

【さきよみ】近藤銀河『フェミニスト、ゲームやってる』より「はじめに」全文掲載!

なぜフェミニスト、ゲームやってる
ゲームとフェミニズムは相性が悪いのか?

「フェミニストがゲームをやってる」という話をすると、「え? フェミニストとゲーム? すごく取り合わせが悪そう」と言われる。
 たしかに、そうかもしれない。ゲームは昔「ゲームボーイ」というゲーム機が発売されたくらい、当たり前のように【男の子】のものだった。2014年には「ゲーマーゲート事件」と呼ばれる、ゲームファンたちが女性

もっとみる
立ち読み『RITUAL(リチュアル)──人類を幸福に導く「最古の科学」』

立ち読み『RITUAL(リチュアル)──人類を幸福に導く「最古の科学」』

 アレハンドロは73歳の男性で、スペインのサン・ペドロ・マンリケという小さな村の出身だ。10代のころから、家族とともに地元の火渡りの儀式に参加してきた。私は何年ものあいだに数多くの火渡りの儀式に立ち会ったが、この村の儀式ほど激しいものはほかになかった。2トン以上のオークの木を使って、アルミニウムを溶かすほど熱い火をおこし、参加者は別のひとりを背負い、はだしで火の上を歩く。たいていの人は子どもを背負

もっとみる
藤井直敬さん『RITUAL(リチュアル)──人類を幸福に導く「最古の科学」』書評

藤井直敬さん『RITUAL(リチュアル)──人類を幸福に導く「最古の科学」』書評

『Ritual(リチュアル)──人類を幸福に導く「最古の科学」』を読んで、儀式について僕がぼんやりと感じていた違和感についてかなり整理できた。

 僕は博士号を取ってからMITのラボでポスドク期間を6年半過ごした。そのラボは、脳内の基底核[きていかく]という場所を中心としたHabit Formation(習慣)ができあがる仕組みの解明を研究テーマの一つに据えていた。簡単に言うと、習慣が身につく仕組

もっとみる
詳細目次『話が通じない相手と話をする方法』

詳細目次『話が通じない相手と話をする方法』


第1章 会話が不可能に思えるとき  最低なやつとの会話
  不可能な会話とは何か?
  不可能な会話はなぜ起こるのか?
  何ができるのか?
  この本で学べることと、この本の使い方

第2章 入門:よい会話のための7つの基礎──通りすがりの他人から囚人まで、誰とでも会話する方法 #1目標
  なぜその人と会話するのか?
#2パートナーシップ
  パートナーであれ、敵になるな。
#3ラポール

もっとみる