晶文社
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6/13発売『インフルエンサーのママを告発します』作者のことば
作者のことば
子どもが生まれたとき、わたしはミニホームページ[*1]とカカオストーリーに子どもの写真をのせました。かわいくて、おかしな姿をすべて記録にのこしておきたかったのです。子どもがそれなりの年齢になるまで、メッセンジャーのプロフィールにも子どもの写真を使っていました。
ところがある日、子どもが「SNSに自分の写真をのせないでほしい」と言ってきたのです。わたしとしては、かわいいと思ってし
<ない>ものを見つめるということ――角田光代さん×姫乃たまさんトークセッション
2023年2月23日に、芳林堂書店高田馬場店8Fイベントホールにて行われた、『永遠なるものたち』発売記念イベントでの対談をお届けします。角田さんとたまちゃん、と呼び合う二人には、どのような関係(接点)があったのでしょうか……? 秘密はレモンサワーにあり……⁉ 不思議なリズム感で繰り広げられるトークセッションをぜひお楽しみください。
角田:今日はよろしくお願いします。
姫乃:角田さん! なんと、私
金井真紀書評『香川にモスクができるまで──在日ムスリム奮闘記』
この本は神がかっている。いろんな意味で。
もちろん全体に漂うのはアッラーの存在感だ。主人公のフィカルさんは15年以上前から香川に暮らすインドネシア人。毎日5回のお祈りを欠かさない敬虔なイスラム教徒で、モスク建立を思い立つくらいだからアッラーへの信仰心が半端ない。神様が随所に出てくるのは当然である。だが、それだけではない。イスラム教徒に言わせれば「アッラーのほかに神はなし」なのだろうけど、あぁわたし
tofubeats書評『香川にモスクができるまで──在日ムスリム奮闘記』
作者の岡内大三氏と知人でもあるというKotetsu Shoichiroさんという香川在住の友人アーティストよりお薦めしていただいてこの本を手に取った。読後、こんなに人に優しくありたいと思えた本はひさびさである。
この本はフィカルさんという日本に移住してきたインドネシア人が、彼の住む香川県の地方都市にイスラム教の礼拝施設であるモスクをつくるまでを作者が取材した取材記だ。モスクについてもイスラム教に
『「女の痛み」はなぜ無視されるのか?』三夜連続無料トークイベント開催!
出産時に感じた身体的な痛み、訴えを軽視された著者のアヌシェイ・フセイン氏自身の経験をきっかけに、医療ケアにおける性差別・人種差別に切り込んだノンフィクション『「女の痛み」はなぜ無視されるのか?』(晶文社)。
その刊行を記念して、女性活躍推進に向けて多方面でご活躍されている有識者の皆さまによる三夜連続の無料トークセッションを開催します。
ファシリテーターには、大人気性教育YouTuberであり助
女性が痛いといっても信じてもらえない理由|10月12日発売『「女の痛み」はなぜ無視されるのか?』日本版まえがき
日本の読者へ バングラデシュで生まれ育ったアジア人女性として、長年続く家父長制的な(特に女性のふるまいに関する)慣習や規範に異議を唱えた日本人女性の前に立ちはだかる、根深い文化的信念を理解するのは難しいことではなかった。女性の立場や行動様式があらかじめ定められている社会で育つとはどういうことか、私はよく知っている。
「私たちはとにかく怒らせてもらえなかった」と石川優実氏は書く。彼女は職場でヒール
リラックマのための断章|西村紗知
序文
ある日急にリラックマ(※)が欲しくなった。
コンビニのコラボアイテムを視界に入れたのか、何かSNS上でたまたま見かけたのがきっかけだったのか、まったく記憶が定かでないが、ある日、筆者は気が付いたらキデイランド吉祥寺店にいた。
もともと、それが漫画などの「作品」の登場人物だったのか、それとも最初から玩具・雑貨・文房具のメインの意匠として生み出されたものだったのか、その来歴はさまざまである