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立ち読み・試し読み

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本のまえがき・あとがき・ぬきがき、イベントレポートやインタビュー記事など、ちょっと立ち止まって読んでみてください。
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記事一覧

4刷決定記念!『ベル・ジャー』第一章全文公開(前編)

   奇妙で、蒸し暑い夏だった――その夏、ローゼンバーグ夫妻は電気椅子にかけられ、わたし…

晶文社
2日前
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【さきよみ】村上寛『さよなら、産後うつ』より「はじめに」を公開!

はじめに 初めまして。信州大学医学部周産期のこころの医学講座の村上寛と申します。 私は、…

晶文社
3週間前
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ベンジャミン・クリッツァー著『モヤモヤする正義』まえがき

ネットを眺めたりテレビを見たり雑誌を読んだりしていると、「マイノリティばかり優遇されてい…

晶文社
1か月前
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私は「この私」を通じてしか世界を経験できない──柴崎友香さんと横道誠さんの対話

「文学×当事者研究」の最前線に芥川賞作家が乗り出してきた!?【横道】 まず、私が柴崎さん…

晶文社
1か月前
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【新刊試し読み】『テヘランのすてきな女』はじめに|金井真紀

自分でもびっくりしている。こんなに早く原稿が書けるなんて。いつものサボり癖はどこへいった…

晶文社
2か月前
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【プロローグ】変人で偏屈なガキが、イソギンチャク道を志すまで【全文掲載】

まるで落雷のようだった。俺の頭に突如、インスピレーションの神様が 舞い降りた。 「そうだ、…

晶文社
2か月前
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【さきよみ】菊池良『えほん思考』より「はじめに」全文掲載!

はじめにこの本はとても奇妙な本です。絵本からイノベーションを学ぶことがその主題です。 思考法やアイデア術を紹介した本はさまざまありますが、多くは事例の要素を分解し、そこから導き出せるものを分析します。たいていは複雑な要素が絡まり合い、その「核」は見えづらいです。しかし、この本は「核」そのものから学ぶという趣向になっています。そして、その題材として絵本を取り上げます。なぜ絵本なのか? 実は私たちは思考法のすべてを幼いころに学んでいるのです。そう、絵本というものを通して。 絵

【たちよみ】稲葉振一郎『宇宙・動物・資本主義――稲葉振一郎対話集』より「あとがき…

あとがき2000年代(ゼロ年代)、まだアラフォーの頃、『経済学という教養』(東洋経済新報社、…

晶文社
4か月前
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【さきよみ・あとがき】尾久守侑『倫理的なサイコパス――ある精神科医の思索』より「…

あとがき   いつの間にか精神科医になっていた。もちろん記憶がないわけではない。医学部を…

晶文社
5か月前
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【さきよみ・表題作】尾久守侑『倫理的なサイコパス――ある精神科医の思索』より「倫…

倫理的なサイコパス  特に暇というわけではないが、今やらなければいけないことに取り組む気…

晶文社
5か月前
49

詳細目次『話が通じない相手と話をする方法』

第1章 会話が不可能に思えるとき  最低なやつとの会話   不可能な会話とは何か?   不…

晶文社
8か月前
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たちよみ『話が通じない相手と話をする方法』監訳者解題(by 藤井翔太)

はじめに本書は、Peter Boghossian & James Lindsay, How to Have Impossible Conversations:…

晶文社
8か月前
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たちよみ『もし友だちがロボットだったら?』訳者あとがき(by 永井玲衣)

大人たちは、子どもの「哲学的な問い」が大好きです。子どもたちがじっと考え込んでいる姿が大…

晶文社
10か月前
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コンテンツ飽和時代、人生を着実に退屈にする「効率重視のパラドックス」を乗り越えるためのたったひとつの冴えたやりかた。

 初めに、いまから200年ほど時をさかのぼって、その時代の天才詩人ゲーテの代表作『ファウスト』を見てみよう。  この疾風怒濤の一大悲劇の主人公ファウスト博士は、万巻の書を読み尽くし、いくつもの学問を究め、その結果、「何もわからないことに気づいた」人物である。  かれはその後、悪魔メフィストフェレスをともなって現実世界で快楽や権力を追求することになるのだが、それはともかく、今日の視点でこの『ファウスト』の冒頭を見ると、さすがに時代の違いを感じないこともない。  ファウスト博士が