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疎通と対話 ―社会と組織の中で人々を「乳化」させるもの―

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コミュニケーション(疎通)とは相互に意思を伝達する技術であり、ダイアログ(対話)とは相互の合意目標を発見する工程である。いかに言葉巧みで表現豊かでも、伝達や合意を成し得なければ児…
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2019年3月の記事一覧

言語化して初めて、世界への解像度は上がる。

言語化して初めて、世界への解像度は上がる。

言語化を大事だと思っている人は多くいるが、それがなぜかを言語化できる人は少ない。

僕は社内で、何か壁にぶち当たってるメンバーがいれば、「まず言語化しろよ」と言っている。それは課題抽出だったり企画づくりだったり、またはレポートを作成する場面でも同じだ。分かってないやつほど「やってますよ」と言う。どれどれ、と見てみると、ただ情報や発言が羅列してあるだけ。それは言語化とは言わない。

言語化とは、自ら

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集団で意思決定するのと、個人でするのとではどちらが有効なのか?

集団で意思決定するのと、個人でするのとではどちらが有効なのか?

※この記事は有料マガジンの特別無料版です。

日本企業の停滞が長い間続いています。僕はかつてはこれ、意思決定者たちが昭和の成功体験を引きずっているからだと思ってたんですね。でも、アップルに務めたり自分で起業したりするうちに、これは単に意思決定のやり方の問題なんじゃないかと思い始めたのです。そして、最近ネットを騒がせている「『印鑑なしで法人登記』法案提出を見送り」のニュースを見て、あ、これはやっぱり

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ブレイン・ストーミングを有効活用するための8つのヒント

ブレイン・ストーミングを有効活用するための8つのヒント

先日、みんなで集まってブレイン・ストーミング(以下ブレスト)を行うよりも一人で考えた方がたくさんアイデアが出る、という話を書いたところ、思いがけないほどたくさんの方に読まれ、多くの賛同をいただきました。

僕もこの記事内で参照した実験結果を知った時に「あ、やっぱりな」と思った記憶があります。こと「アイデア発見」に関しては、グループによるディスカッションはかなり注意を要するアプローチです。では、なん

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存在の耐えられない軽さ

存在の耐えられない軽さ

私は小学校の図書室で、業間休みに本を読んでいる。
今日も授業が終わったら、私をいじめている女の子と一緒に帰らなくてはならない。それが怖くて、本を読んでいる。その小学二年生の女の子が、今も自分のなかにいる。
他者と全的にかかわりあうことが難しくて、苦しくて、自分が他者によって侵害されるとき、自分の輪郭を必死に取り戻すために、本を読んでいた。作品世界と心が通じあったとき、自分が自分としてたしかに存在し

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人間のプロトコル

人間のプロトコル

「AとB、どっちがいいと思いますか?」と聞かれたとき、どう答えますか。
プライベートっていうよりは、仕事で。

・「A(B)がいいと思う」と自分で"決断を代行"する
・「あなたはどっちがいいと思う?」と"相手の決断を補助"する

こういうとき、聞き手が求めてるものと全然違う答えをしてしまうことって、あるなぁと。

あとはなんか指摘されてムッとするときって、"内容よりも言い方にムッとしてるケースが多

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組織にはなぜ「嫌われ者」が必要か

組織にはなぜ「嫌われ者」が必要か

巨人の上原についてのこんな記事があった。

「時代の流れかもしれませんが『あれ、違うな』というのは感じていました。やっぱりみんな仲良すぎるんじゃないかな。勝っている時は別にいいんだけれど、負けている時に傷のなめ合いをしているような感じがね。このチームには嫌われ役がいないんですよ。はっきり物を言う人がいない。勝っている時は別にいいんだけれど、負けた時にどうするか、というのが強いチーム。負けに慣れると

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本当は、「頑張ってください」というのは、「自分のやるべきことを淡々とやってください」という意味であるはずなのだが

note(ノート)の方では、できるだけproactiveなことを書きたいと思っている。

 人間は、よく、お互いに頑張ってくださいというけれども、本当は、「頑張る」というのは呼吸をするように自然なことでなければならない。

 頑張るということが、もし、「無理をする」ということだとすれば、それは持続可能ではない。

 頑張るという意識が特になく、朝起きた時から、やるべきことを淡々とやっている。
 そ

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みんなが僕に「ケアが足りない」と言う意味が、ようやくわかった。

みんなが僕に「ケアが足りない」と言う意味が、ようやくわかった。

昔から僕は、「人に対してケアが足りない。佐渡島は人に厳しい」とよく言われる。

でも、僕は僕なりに相手のことを誠実に思い、一生懸命ケアしているつもりだった。

このギャップは、一体どうして生まれるのか?

その長年の謎が、臨床心理学者の東畑さんの新刊『居るのはつらいよ』を読むことで、ようやく理解することができた。

この本は、「ケアとセラピーについての覚書」という副題がついているが、僕が他人に対し

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組織の能力を最大化する方法

組織の能力を最大化する方法

FROM ボブ・バーグ

なにかしら組織やチームの一員として大切なことは…

自分の長所を活かし、そして同時に相手の長所も活かす

ということを理解することだ。ジョン・マクスウェルは、著書『Beyond talent』の中でこう述べている。

「長所ではなく短所ばかりに目を向けてそれを何とかしようとするのは、まるで金貨と銅貨が混ざった財布を見て、銅貨を必死に磨こうとしているようなものだ。どれだけ時

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引き算ができない小1の娘が…

引き算ができない小1の娘が…

FROM 安永周平

先日、妻から面白い話を聞きました。なんでも同僚の男性が、小学1年生の娘さんの宿題を見ていたらしいんですが…カンタンな算数の問題が解けないとのこと。引き算の文章問題だったみたいなんですが、順を追って正しい解き方を何度教えても、自分ではなかなか解けるようにならないらしいんですよね。

「なんでできないんだ!(怒)」
いっこうに解けるようになる気配がない…そんな娘さんの姿にたまりか

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それは新しい打ち合わせスタイルなんだろうか

それは新しい打ち合わせスタイルなんだろうか

最初、コーヒーショップで誰か独り言を言ってる? と思った。なんとなく気になって周りを軽く見渡したけれど、それっぽい人はいない。

気のせいか。そう思って読みかけのレポート資料に目を落すと、またさっきと同じ女性の声で独り言が聞こえる。

だけど、少し違うのは、「そうだね」と、相づちっぽい別の女性の独り言も一緒に聞こえてきたのだ。

今度はわりとしっかりと店の中を見たけれど、ほとんどが一人客で、誰かと

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「自分だけの物語」を表明できないうちは、英会話どころではありません

「自分だけの物語」を表明できないうちは、英会話どころではありません

今朝ツイッターを立ち上げたらこんなツイートが流れてきました。

そしてこの引用ツイートでこんなのも流れてきました。

この2つのツイート、まさしく日本人の問題点の核心を突いていると思うのですね。そして、最近ではこれにポリコレがさらに拍車をかけている感じです。

実はこの2つ、僕自身にも覚えがあります。また、Brightureで学んでいる生徒さんたちを見ても同じような印象を抱きます。Brightur

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コミュニティ運営で大事にしたい価値観9つ

コミュニティ運営で大事にしたい価値観9つ

チャーリーです。

コミュニティの運営で気をつけていることってなんですか?と聞かれたときに回答した内容、せっかくなのでnoteにも投稿しておく。「ビジネス図解研究所」というコミュニティを1年運営する中で考えていた価値観の集まりです。あくまで個人的に大事にしたいと思うことなので、人によって違うとは思います。なにかの参考になればと。

1. 人に期待せず、仕組みに期待する期待したことが達成されないと、

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「エラー」こそが「会話」を生み出す.「会話」は育って「コミュニティ」となる.つくり手は、そのことを自覚しよう! その上で、何をどうデザインするか。

「エラー」こそが「会話」を生み出す.「会話」は育って「コミュニティ」となる.つくり手は、そのことを自覚しよう! その上で、何をどうデザインするか。

コミュニティ、コミュニティと言いますが、そもそもどこからはじまっているのか、そのことについて、あまり話されていないので、今日はそのお話を。

コミュニティが生まれる、その源って何?

コミュニティの一番最初って、どこにある? 何なのでしょうか? いきなりポンっと生まれるものではありませんよね。で、あるときふと思いました。コミュニティって、どういうプロセスで、生まれ、形作られていくものだろうか。そし

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