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疎通と対話 ―社会と組織の中で人々を「乳化」させるもの―

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コミュニケーション(疎通)とは相互に意思を伝達する技術であり、ダイアログ(対話)とは相互の合意目標を発見する工程である。いかに言葉巧みで表現豊かでも、伝達や合意を成し得なければ児…
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的外れなリプライをもらって考えたこと

「国道沿いで、だいじょうぶ100回」という本を読み、短い感想をXに投稿しました。続けて作中に出てきて印象に残った文章を引用として紹介したところ、多くの方の目に留まったようで…ほとんどの方はただ静かにいいねやRPのボタンを押すだけで、おそらく著者の言いたいことを受け取ってのことだと思うのですが、中にはやはりいわゆるクソリプというものもあり、私も少し考えたことを書こうと思いました。

作者の岸田奈美さ

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見せかけの和、実は心の中で相手に不寛容な日本人

見せかけの和、実は心の中で相手に不寛容な日本人

日本は、和がとても大切とされている社会。

昔の偉い人が言った様に、和を持って尊しとなす。

みんな仲良く、尊重し合うこと。

何か問題があったのなら、しっかりと話し合いをして決めていく。

そもそも衝突を避けるために、お互いの意見が違っても、接触しない様にすることで回避する。

形上はとても穏やかで、問題が起こりにくい素晴らしい関係性である様にも感じる。

とはいったものの、実際に和とされる部分

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「ペーパーテストはできるのに、いまひとつな人」がいる理由に気づいた

「ペーパーテストはできるのに、いまひとつな人」がいる理由に気づいた

テレビをつけたり、YouTubeを開いたり、ウェブ記事を巡回したりしていると、「識者」的なポジションの人たちが訥々と持論を語っているところを無数に目撃することができる。

30歳を超えたあたりから、急速にそういう人たちが言っていることに関心がなくなってきた。なんというか、全体のレベルがすごく低いと感じるようになったためだ。

多くの場合、識者よりも、そのときどきのテーマで招かれるゲストのほうがレベ

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仲間として働く:説明の力と論破の限界

仲間として働く:説明の力と論破の限界

あんたは「日本人が世界に認められることが大切だ」って思っていたりするかい?

実際、グローバルな環境になって外国籍のヒトと仕事をする機会は増えているってのが現実としてあると思うんだ。

普通に上司の名前が「ジョン」だったりするわけだしね。

でだ。普通に文化圏のちがうヒトが上司になったりするのがこれからは当たり前の世界観となって来るってのは想像に難くない。

実際、外国籍の上司が嫌う仕事のやり方と

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外国人役員が嫌う、日本人の癖

外国人役員が嫌う、日本人の癖

こんばんは!
外資系英語力アップスクール
La MAGNOLIA(ラ・マグノリア)代表の
富山 容子(とみやま ようこ)です。

最近ご登録いただいた方へ。

どんな人が、
この記事書いてるのか、気になりますよね。
私のバックグラウンドについて、まとめてます。
https://note.com/englishcoaching/n/n9c2791411d9c
*------------*------

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会話を「格ゲー」から「RPG」にするために

会話を「格ゲー」から「RPG」にするために

 なかなか的を得た指摘ですよね。
 まあ、これを指摘したのは私ではなく、とあるインターネットユーザーなのですが。

 私の場合、世間でも会話の比喩としてよく使われる「キャッチボール」で例えます。
 日常会話の場合、相手からボールが飛んできたらすぐにキャッチして(受け取って)、すぐに投げ返さないと(反応しないと)いけません。一通り会話が終わるまで、休む暇なくボールが行き来します。だから人によってはか

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本当に空気を読める人は、逆張りが上手にできる人になる。

本当に空気を読める人は、逆張りが上手にできる人になる。

かつてKYと呼ばれる言葉があった。

KYとは「空気(K)を読めない or 読めよ(Y)」の略で、それができない人は「あいつKYだな」などと揶揄された。

そんなKYが流行語大賞にノミネートされたのは、今から14年前の2007年。今ではすっかり、その言葉を聞かなくなった。

なぜKYという言葉は消えたのか。回答の1つは「そんなこと当たり前になったから」だろう。今や空気を読む(もしくは、空気を乱すこ

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「仕事の場で方言を使う」はアリかナシか?って議論が巻き起こっていますね!エリート憧れ症候群の人々の議論にしか思えませんね。日本の職場は幼児化が始まっているのでしょうか?

「仕事の場で方言を使う」はアリかナシか?って議論が巻き起こっていますね!エリート憧れ症候群の人々の議論にしか思えませんね。日本の職場は幼児化が始まっているのでしょうか?

こんにちは、9月から心機一転、出直すことを誓ったDJムッチーです。
AERAの2024年8月12日-19日合併号 で『プライベートはいざ知らず、職場でも「方言」で話す人をどう思うか』という記事が掲載されて、議論(?)が巻き起こっているようですね。
その記事を抜粋すると、
神戸市で会社員として働く53歳の女性は、いま職場で「ひじょうに嫌な気分」を味わっていると告白されています。
この方はもともと九州

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どこでも活躍できる人事パーソンには「社会関係資本」が必要?

どこでも活躍できる人事パーソンには「社会関係資本」が必要?

昨日、人事図書館で初のラーニングバーが開催されました。

大変光栄なことに、その場で話題提供をさせていただき、「社会関係資本」の重要性について触れる機会を得ました。

普段あまり持論を展開することは多くないのですが、思考を整理も兼ねて、人事パーソンと社会関係資本の関係性について考えてみたいと思います。

改めて「社会関係資本」とは何か?
社会関係資本とは、人と人の関係性を資本として捉える考え方で、

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相手との距離感

相手との距離感

「自分が人にされて嫌だと思うことは、人にしちゃダメです。」
「人にされて嫌だった事や悲しかった事は、自分はしないようにしましょう。」

と、子どもの頃から、そう母親や学校の先生から言われて育ってきたから、意地悪されて泣かされたり、嫌な思いをした経験を通して、「自分はこういうことはしないようにしよう。」と痛みを知って、人から学ぶ機会だと受け止めてました。

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その時のその言葉は基本的

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うまく伝わらない... 敷衍(ふえん)力がたらないかも

うまく伝わらない... 敷衍(ふえん)力がたらないかも

「敷衍(ふえん)」という言葉を知っていますか?

ぼくは佐藤優さんの『国語ゼミ』を読んで、はじめて知りました。

この本では、要約と敷衍が、読解力を磨くための手法の一つとして紹介されています。

今回は、この二つの言葉について考えてみたいと思います。

要約とは要約とは、長文を簡潔にまとめることです。

つまり、内容を狭めるという方向性を持っています。

特徴は、不要な部分を削り、重要な情報だけを

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微妙な丁寧語 自分の行為に「ご」はいらない

最近、気になる丁寧語が。
「ご質問させてください」。
年配者でも。
自分が質問するなら「ご」はつけずに「質問させてください」、相手が質問しようとするなら「ご質問があるようです」というように、自分の行為には「ご」をつけず、相手の行為には「ご」をつけるほうが自然に感じるけど、どう?

さっき、他人の書き込みを「ご共有させてください」と頼んでる人を見た。この場合も、共有という行為は自分なんだから「共有さ

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「アンチ」を叩いて切り捨てていくのはあまり良くないなーと思う理由

最近、Twitterを見ていると、「アンチは即ブロック!」という発言とか、批判されたり叩かれたときに、ものすごい勢いで反論したりするケースをよく見ていて・・・。

ちゃんと反論しないと、調子にのってあることないこと書かれ続けるから、どこかで言わないといけない、というのはすごく理解できるのですが、一方で別の視点もあったほうがいいかなと思って、筆をとりました。

(追記) 公開時は無料だったんですが、

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アドバイスの集中砲火

 たまにアドバイスの集中砲火を浴びている人を見る。自分の場合もある。
 とにかく周囲が、こうしたらどうだ、いやこうしたほうがいい、その発想を改めたほうがいい、自分を客観視できていない、いったん落ち着いて(うっせえわ)、ブレている、どうしたいのか明確ではない、等々ああだこうだと捏ね回す。
 自分がそういうことをされた時のことを思い返すと、けっして気分のいいものではない。複数人からいつ終わるとも知れず

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