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empublicメールマガジン「根津の街から」コラム

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エンパブリックが発送しているメールマガジン「根津の街から」に代表の広石拓司が執筆している最新コラムを掲載しています。
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記事一覧

 「行き過ぎた資本主義の処方箋としての“贈与”」

「行き過ぎた資本主義の処方箋としての“贈与”」

お正月に、親戚の子どもに3000円のお札をそのまま渡すのと、「お年玉」と書いたポチ袋に入れて渡すのでは違ったものになるでしょう。
買ってきたお菓子を同僚にそのまま渡すのと、「いつもありがとう」とカードを添えてリボンを付けて渡すのも違ったものになるでしょう。

「贈り物」には、渡されるモノに+αの価値を加えます。
“モノ”は金銭取引の対象だけではない、気持ちを届けたり、関係を生み出したりすることもで

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居酒屋以上ワークショップ未満

居酒屋以上ワークショップ未満

長野県と取り組んでいる「まちむら寄り添いファシリテーター」の取組みで、今年度「対話と共創を地域で進めるために探究したいこと」をテーマに、県内各地で実践するみなさんと3つの探究グループを立ち上げ、検討してきました。
探究テーマの一つが「居酒屋以上ワークショップ未満の場を考える」というものでした。

「友人や同僚と居酒屋では多くの人が話して盛り上がり、そこでは個人のことも地域や社会のことも話したりする

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多様な人をどうやって活かしていくか

多様な人をどうやって活かしていくか

「多様な人が活き活きできる組織・地域をつくることが大切だ」
という言葉は、もはやほとんどの人が賛同するでしょう。

しかし、もしあなたが、
人種や育った環境・仕事とプライベートの優先度も違うといった
“多様な”人が集まったグループのリーダーを任されたとしたら、
どうでしょうか?
ワクワクする人よりも「大変そうだな。できれば避けたいな」
と思う人の方が多いのではないでしょうか?

「多様である」とい

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組織のコミュニケーションは「技術」で身につく

組織のコミュニケーションは「技術」で身につく

「人間関係」というのは、誰にとってもやっかいな課題でしょう。

人との関係が良好だととても嬉しいのですが、人と人は小さなすれ違いをきっかけに対立したり、傷つけあったりしてしまいます。
良かれと思ってしたことが相手には迷惑だったり、誤解を生んだりもします。
“行き違い”は多くの人にとってストレスとなり、イラつきや怒りを生む、もしくは「もうこの人とは無理・・・」という諦めにつながります。

このような

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「ラジオ型コンテンツ」という継続的な場づくり

「ラジオ型コンテンツ」という継続的な場づくり

SNSなどの個人発信がますます一般化しています。
Spotifyなどの音楽配信プラットフォームは、個人発で「ラジオ」を手軽に行える環境が整い、使いやすくなったことで発信する人が増えています。

芸能人やコメンテーターも「ラジオ」として配信し、
企業の中でも、エンゲージメントを高めるための「社内ラジオ」の聴取時間が急速に増え、コロナ前に比べると250%も伸びています。
*関連リンク「声の社内報の増加

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正解の安心より変化の中で問い続ける~ empublic 15周年を迎えて 代表 広石拓司より

正解の安心より変化の中で問い続ける~ empublic 15周年を迎えて 代表 広石拓司より

empublicは23年5月2日に15周年を迎えました。
改めて、ここまで継続できているのは、プログラムへのご参加、事業へのご支援やご指導あっての賜物であり、改めて心から感謝申し上げます。
また、これまで事業づくりに参画してくれた歴代のスタッフのみなさんにも改めて感謝を伝えたいと思います。それぞれの時期で努力をしてくださったみなさんのおかげで、現在があると改めて思っています。

前回のメルマガでも

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対話の時間をつくる

対話の時間をつくる

今年度、千代田区との「ちよだコミュニティラボ」の中で、個人の活動から地域の魅力を生み出す「アーバニスト」の取り組みを進めています。
その中で区民の方から「忙しい人が多い千代田だからこそ“丁寧な暮らし”を考えるワークショップをしたい」という提案があり、それを実行されました。
その対話に参加された方から「丁寧な暮らしを話す時間を持てたこと自体が、丁寧な暮らし」という感想をいただきました。

忙しい毎日

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地域にあるものをもっと活かしあう

地域にあるものをもっと活かしあう

先日、スタッフの久保田とスポーツ庁を訪問し、室伏長官ともお話しさせていただきました。
テーマは「部活動改革を効果的に進めるには?」について、私からは地域づくりの視点から、久保田からはスポーツの現場の視点からお話しさせていただきました。
とてもオープンにお迎えいただき、充実した話し合いをさせていただきました。
*訪問レポートをnoteに掲載しています。https://note.com/empubli

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新年のご挨拶

新年のご挨拶

2023年が始まりました。本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。
昨年をふりかえると、SDGsとまちづくり、DX事業推進の体制整備、住民主体の地域づくり活動など、変化を促す案件を多く担当させていただきました。
empublic Studioでは、エンパブリックで蓄積してきたことを多くの方に使っていただきたいと考え、進めています。参加いただいている方と充実した対話を行え、楽しく進めているのですが

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「地域にあるものをフルに活かそう!」

「地域にあるものをフルに活かそう!」

サッカーのワールドカップやオリンピックなどスポーツ・イベントが盛り上がると、メディアなどで「スポーツの力」という言葉がよく使われます。
スポーツには競技や娯楽という側面もありますが、「一緒に楽しむ場を生み出す」「人がつながる」「活動を支える多様な役割がある」「メッセージを多くの人に伝える」など様々な機能を持っています。これらの機能は、地域で活動する人が感じている「活動に新しい参加者を増やしたい」「

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empublicメールマガジン「 知を生み出すソーシャライゼーション」~根津の街から(2022年11月11日発行)

empublicメールマガジン「 知を生み出すソーシャライゼーション」~根津の街から(2022年11月11日発行)

10月から対面でのイベントやワークショップ、研修が増えています。
しばらくほとんどの会がオンラインの日々でしたので、電車で移動しながら「こんな感じだったな」と思ったりします。
ただ、オンラインでは打合せの時間の間が詰まっていても対応できたため、その流れが残っていて、スタッフが対面のイベントの30分後にオンライン打合せを設定し、駅にあるブースから参加することも時々あります。

テレワークが広がる中で

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empublicメールマガジン「根津の街から」(2022年10月22日発行)ー広石コラム「国際競争力とソフトスキル」

empublicメールマガジン「根津の街から」(2022年10月22日発行)ー広石コラム「国際競争力とソフトスキル」

 スイスのIMD(国際経営開発研究所)は世界各国の競争力ランキングを出しています。
では、2022年の「世界競争力ランキング」(64か国・地域を対象)で、日本は何位かというと‥‥
34位です。
低いと思うか、高いと思うかは人それぞれかもしれませんし、この評価方法が全て正しい訳でもないでしょう。
ただ、かつて経済大国と言われていた頃に比べて下がってきているのは確かです。

では、なぜ、順位は高くなっ

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empublicメールマガジン「根津の街から」(2022年9月9日発行)ー広石コラム

empublicメールマガジン「根津の街から」(2022年9月9日発行)ー広石コラム

ビジネスで関係をつくる時に「win-winで」と言われることがあります。
一緒に取り組むことが相手にとっても、自分にとっても良い結果になるようにしよう、という意味です。
どちらだけが得する訳でない、良い関係だと考えられています。

ただ、気をつけないといけないのは、win-winは、どちらも勝つことが前提にあり、
相手から何かを得ることが目的になっているということです。
もしどちらが失敗したら、こ

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empublicメールマガジン「根津の街から」(2021年8月17日発行)ー広石コラム

empublicメールマガジン「根津の街から」(2021年8月17日発行)ー広石コラム

「変化と不安定さを生きる知恵~ Social & Emotional Intelligence」

新型コロナウイルス感染症はまだ収束が見通せない状況です。
感染者数などの数値がかつてなく高まっているにも関わらず、緊急事態宣言の効果が以前のように出ていない状況が起きています。
この期間内でのオリンピックの開催が影響を与えたのかどうかも議論になっています。
相矛盾する要素の中、状況が変化しながらコロ

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