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新年のご挨拶

2023年が始まりました。本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。
昨年をふりかえると、SDGsとまちづくり、DX事業推進の体制整備、住民主体の地域づくり活動など、変化を促す案件を多く担当させていただきました。
empublic Studioでは、エンパブリックで蓄積してきたことを多くの方に使っていただきたいと考え、進めています。参加いただいている方と充実した対話を行え、楽しく進めているのですが、使いやすいものに向けてまだまだ試行錯誤中です。

新年の始まりに、これからの社会について考えることがあったので、紹介させてください。

新年にアメリカの下院での議長選出で14回しても決まらず、15回目の投票で決まったという出来事がありました。
下院での議長選出には有効票の過半数を取る必要があります。昨年11月の中間選挙で共和党が多数派を占め、通常なら党下院トップのマッカーシー氏を1回で選出するはずでした。しかし、共和党内の強硬派のうち20人が反対し、共和党の民主党に対する差が小さいので、過半数を取れない状況になったのです。
議長が決まらないと下院を始めることができないので、1日3回投票を繰り返すなどし、結果、15回となりました。この期間、交渉を続け、少しずつ賛成票を獲得していきました。
決まるかと思われた14回目では、ちょうど半数となり、1票足りないため不成立ということも起きました。

このニュースを見ている中で、議員の一人が「これは民主主義が機能しているということだ」という発言がありました。
同じ投票を何度も繰り返し、すぐに決めることができないなんて、無駄な時間のように思われがちです。しかし、「過半数が必要」というルールを守り、過半数になるまで投票し続けること、そのものが「民主主義」です。
もし、ここで「共和党が多数なんだから、過半数でなくても決めてしまおう」「これ以上の混乱を避けるために、ここで決めよう」と誰かが決めてしまえば、民主主義が失われます。
票の獲得のために強硬派の主張を取り入れたことで運営を難しさは増すかもしれません。また、少数派が減ってきた時には残った人に「なんで協力しないんだ」というプレッシャーもかけられました。
そのような様々なリスクや途中の混乱、面倒さ、時間のかかる交渉も含みながらも、前提となるルールを尊重し、物事を進めていく。
それがコミュニケーションの力を信じるということでもあると思います。

変化が激しく、混乱も多く、信頼が揺らぎやすい時代の中、エンパブリックは今年5月に15周年を迎えます。
エンパブリックは、新しい仕事が生まれるような対話の場づくりを広げたいと考え、スタートしました。15年経ち、状況も変化する中で、改めて何が大切か、どう役立っていくのか、考え、新しい動きを始める一年にしたいと考えています。

まだまだ至らないところが多いのですが、少しでも前に進めていければと思っています。

今年もよろしくお願い申し上げます。

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