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アイデアノート36 ウルトラバイオレット組織の作り方

ウルトラバイオレット組織の作り方

ウルトラバイオレット組織の図。ヴァイオレット組織では統合命題を組織の中心に置く。
そこから組織内の小組織は「○○を解き明かす」という広い命題を持つ。


集約型の原則、構造、慣行、文化に従って、新しい組織を作るか、既存の組織を変革するための必要条件とは何だろうか?考えるまでもなく取り組むべき要素はあるのだろうか?これについて示唆する。

①創業者・変革者

ウルトラバイオレット組織を起こす場合、少なくともその創業者、変革者はウルトラバイオレットの価値観を養い、精神的な発達を遂げる必要がある。

最初はどうしても必要になってくるのだ。とはいえ、メンバー全員がウルトラバイオレットの考えを持って業務にあたることは必須ではない。組織の仕組みによってある程度、補完が可能だからだ。

それでも、常に発達段階をアップグレードし続けるという世界観は必要となる。このため、メンバー全員がティール型以上の発達段階は必要と見られる。そう自ずとなる要素は強いが、やはり、グリーン以前のパラダイムが命題などに変更を迫ることは防ぐ必要があると言える。

②組織のオーナー 

組織のオーナーも、ウルトラバイオレットの世界観を理解し、受け入れていなければならない。会社を決定する大株主もこの世界観を持つ必要がある。

これまで組織の運命を左右するのは、経営トップと組織のオーナーの世界観だけであり、この制約から解放されるため、発達段階をアップグレードし続ける必要があった。

ウルトラバイオレット組織まで行けば、ティール組織のようにオレンジ型パラダイムに引き戻される事態も起こらない。しかし、それに至るためにも、創業者がティール型以上でなければ、発達段階をアップグレードし続けることは叶わない。ティール型の壁を越えなければ、垂直的な変容は基本的にできない。

この発達段階の固定化に対する突破口こそ、コラボレーションの統合命題である。しかし、組織が完成した後でも、顔としてのリーダーは必要である。

この時、組織の意識が常にリーダーの意識レベルを超えるよう、リーダーとして何一つ重荷にならないよう、命題をリーダーの頭脳から離して置いておく必要がある

これが顔としてのリーダーの役割になる。この役割はティール型と同じだが、リーダーの頭脳から命題を切り離しているので、ティール型と比べても空間の維持は遥かにしやすい。

ノーベル賞は受賞者や創業者のノーベル自身が組織の顔ではあるものの、今となっては人に依存していない。しかし命題は統合命題までは進んでいないため、ヴァイオレット組織であると考えられる(越境はできているのでヴァイオレットである)。

常に組織自体が発達段階をアップグレードし続けるので、多元型以前の組織慣行が背後から忍びよることに対策する必要もない。とはいえ、多元型以前のパラダイムのリーダーに交代させられ、やはり統合命題に変更が起こらないよう席を置いておく必要がある。

あとがき

歴史上、この統合命題の実践が行われたことがこの日本で一度ある。

そう、それこそ十七条憲法の「和を以って貴しと爲し忤ふこと無きを宗と爲す」である。しかし、この時はやはり時代のパラダイムがまだレッド(豪族の争い)からアンバー(朝廷の始まり)であったため、あくまで上下という言葉で書かれている。とはいえ、上下関係から脱却を図ろうとするグリーン・ティール的な姿勢も伺える。

そして、この十七条憲法があったおかげで、日本はレッド型からアンバー型へと歴史的な転換を起こすことができたのだ。

を尊重し、争わないことを宗旨(主義)としろ。人は皆、党派を作るし、(物事の)熟達者は(常に)少ない。そのため君主や父親に従わなかったり、近隣と考えが相違したりもする。しかし、上の者も和やかに、下の者も睦まじく、物事を議論して内容を整えていけば、自然と物事の道理に適うようになるし、何事も成し遂げられるようになる。【和/議論】

wikipediaより引用

つまり、これの意味を考えてもやはり協力主義(対立するのは、互いに統合できたことを全て協力し尽くしてからせよ)があると捉えることができる。

つまり、「組織は協力のために存在する」という統合命題を日本国そのものに掛け、日本そのものをウルトラバイオレット組織へと転換しようと試みたのだ。

もちろん、それは遥か昔であったためテクノロジーなどが追いつかず、叶わなかった。しかし、やはりこれを考えても、ウルトラバイオレット組織の中心には統合命題があり、統合命題を掲げることは他のパラダイムのアップデートにつながる、と言えるのだ。

よって、組織の大パーパス、行動規範、グランドルールなどを協力主義や、統合命題に置くことで組織のパラダイムは一気にアップデートできるようだ。

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