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りょーさけ
2019年2月28日 17:30
本日は冒頭にショートエッセイを、その後に詩を載せます。少しばかり書いた動機だとか、何を描きたかったとかを書きたいなと思いこんな形式にしてみました。では、始めますか。唐突だけれど、わたしはたばこを吸ったことがないのです。ふかしたことも、ありません。中学生の頃は早熟な(?)同級生がそれを(あまり美味しくなさそうに)顔をしかめて吸っているのを見て「うわー、吸ってるよ」と思っていました。しかも後で
2019年2月26日 17:30
呼吸している 息が跳ねかえる外は真っ暗 少なくともわたしの周りは 真っ暗で誰の目も届かない宇宙の 端という名の 羽毛布団の中たぶん 朝は来ているのだろうオレンジのライトが 土を照らす蒸らす 焦がす無邪気な熱が わたしの人工的な 思い群を頭のてっぺんから 蒸発させてゆく水気は あなたに届くだろうか科学的で 情緒的な考察をひとときといっても まあ
2019年2月24日 17:30
いのちに火をつけます燃えますいのちに火をつけますくすぶります水をかけたって燃えます日が当たったってくすぶりますいのちは大胆です大胆に回転しますたまにいのちⅡをまきこみますいのちⅡはおどろきます一緒に燃えます一緒にくすぶりますしかしいのちは止まりません一緒にも止まりません親指ひとつで燃えます人差し指ひとつで消えます目を開けても燃え
2019年2月20日 17:30
明滅 明滅今日も、また明滅 明滅あかりがつき、消える またひとつ部屋の明かりが灯りましたオレンジのカーテン中にはダークブラウンの年代物テーブルその上にニトリのテーブルウェアずらり家族の笑顔がありました似てる顔似ていない顔総じて笑顔明るいなまたひとつ部屋明かりが灯りましたピンクのサンダルベランダから叫ぶ人若
2019年2月15日 17:30
今はもうない実家の階段の途中のクソ狭いステップに身をかがめ 今日もまた何度も読んだコミックに熱中意識の外に母の声が宿題とか やれとかへえそうかコレ6巻はこんな感じだったっけ主人公のバッシュまがいが破れ敗れたシーンを読んでる、いや見てる空想の負けを見ながら狭いスペースで心地よい広さをとるにはどうしたらよいのか考えていた
2019年2月14日 17:30
練習試合は午後のはじめから水道水を勢いよく噴射かかる手ごろな虹を裂きつつわたしに一言ごめんごめんと伝えるきみ修学旅行のミサンガが切れかけては結びなおされる晴天南中真っ只中の白昼夢に打たれるわたしは素顔あおぞらを描く あおぞらを校庭の端の緑色の雑多なホースからあふれてくるは夕方ののろしずいぶんと冷たいまくる袖にしみこんでいく少しの擦
2019年2月13日 17:30
私には帰るところがある時にそこは暖かかったりする寝室が味噌汁が2歳児の手が私には帰るところがある時にそこは冷たかったりするサッポロ黒ラベルが一白水成がそれらを注ぐグラスが私には帰るところがあるのだ少しだけ誇っていいだろうかだからこそボロボロになれるらしい思う存分2歳児に負けぬほどだからこそボロクソに言われてもいいらしい扉を
2019年2月12日 17:30
月が青いな いつにも増して気分のせいか不意にギターが鳴り響く店僕が視線をやる先にはちいさな男がすわる粗い木目の椅子に腰掛けてそいつは昔の流行歌を流す一つも調子が外れないことが調子外れであるような夜名もなきスコッチのロックを指でかきまわすぼうっと蒸留酒の棚を見つめる名も知らぬあなたの上気した頬に見とれているひとり
2019年2月10日 17:30
舟を漕ぐ月の道のまんなかを僕はゆく片手にスキットルと満潮の入り江をとじこめるバーボンは振り返らせる笛を吹くそんな時間でもないのにこたえたのは調子はずれのうみねこと急ぐ蟹の群れささくれをけずった木製のオールは今宵も手には少し大きい身に余るものたちをダーク・グレーのハットの内側にしまって少し灯台を見る(彼は元気にしてい
2019年2月8日 18:25
レシートを引っ張り出した 夕べ過去の財布から 一枚 二枚…上から順に読んでゆくレシートを読んでゆく昨日はラーメンなんて食べたのだっけか目頭が 気がつくと熱くて手元のミカンを転がしていまう自分の心情に待ったをかけているいまああ、精算できなかった分の気持ちがそこ、ここに散ってゆくみかんの皮を剥くオレンジ色の内側に置いてきた重い虹色の油を見た
2019年2月7日 17:30
愛する人は地球の人で愛した人は火星の人さ「さようなら」の口の形が目に浮かぶ置くとパスする七並べみたいな意地悪な笑みが似合う火星の人よ若葉の頃は不純さまでもがまっすぐで葉脈の隅々まで極彩色の血がうごめき駆ける季節はまあ予想通り去って君のいない地球で僕は少し太った階段をのぼり階段を のぼり熱いなふうふう ふうふうずるずる ずるずる…
2019年2月6日 17:30
未だに自分のたましいに重さがあるなどとは考えられず今日も腐っているわけなのですがああ から ころ 鈍い色の音教会の端っこ 犬小屋の隅僕の空想はそこに生きてますそこに生きてるものを掬ってますどうやらちいさな生き物のたましいは揮発しやすいものであるようであとに残らない虫のたましいあとに残らない僕のたましいモノラル、モノクローム、響く鐘の音ステレオタイプに
2019年2月5日 17:00
押し入れから引き出してきたノートにはあの夏の先が書かれていたような気がして、どうにも僕は開くのをためらっていた、この紙の先はどこへつながっているのだろう朝の鳥たちはもう夕方に向かって飛んでいる、誰も追いつけない時間を超えた速さを身にまとっている、僕の手には花束、いつでも花束。君には両手があり手に取るかどうかは自由な意思に任せられているような心持がした、と33ペー
2019年2月4日 16:56
たとえば船一隻のほどのなみだを積んで後悔の旅に出かけるとしてどれほどの期間が経ったらぼくはなみだを使いきれるだろ最初の港で出会ったひとは大きなヒスイ色の目をもってぼくの産毛と産毛の間をじっと見ていたものであったあなた あなた 自分の宝石に耐えられずカモメとともに飛んだあなたあなたと過ごした日々を浮かべて船からまた雫がこぼれてくゆらゆらきらきらその