ディアフューチャー/ディアパスト
レシートを引っ張り出した 夕べ
過去の財布から 一枚 二枚…
上から順に読んでゆく
レシートを読んでゆく
昨日はラーメンなんて食べたのだっけか
目頭が 気がつくと熱くて
手元のミカンを転がしていまう
自分の心情に待ったをかけている
いま
ああ、精算できなかった分の
気持ちがそこ、ここに
散ってゆく
みかんの皮を剥く
オレンジ色の内側に
置いてきた重い虹色の
油を見た ギラギラしてる
(オレンジオイルで溶けそうなものだけど)
みかんは食べやすくて敵わない
半分にしぱーっと割って
一粒食べる
二粒一気に食べるなど
かれこれ半日は寝て起きてまた寝て
眼の前にあるみかんを食べてる
三個に一個が
妙に酸っぱく
僕は目をつむってしまって
まぶたに虹色の
油が浮いてる
(オレンジオイルも万能ではない)
虹は何色あるのだろう
七色とは思えない
変えようのない多彩さで
(眩しいな)
僕はまた目を開けてしまって
(酸っぱいな)
目をつぶりたくないのに
目をつぶれば思い出せしてしまうことばかりで
今とか 先とか ちょっと前とか
みかんの粒に混じって
僕つけねらっているようだ
酸っぱいみかんの粒が
甘いみかんの足を引っ張って
総じて今日のみかんは
なんか甘くもないけど酸っぱくもなく
気の抜けた一日を
象徴するような味のかたまり
それでも食べましたので、はい
お腹が一杯になったので
また寝ようと思うのだ
こたつの熱を
少しばかり調整して
裏起毛のスウェットの
冬の負担が減ってゆく
また寝たらまた起きて
僕は、また、食べるのだと思う
ディアフューチャー
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ディアパスト
次みかんを食べた暁には
おいしさが成長してますように
おやすみ
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