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日々ポテトあるいはチップス

今はもうない

実家の階段の途中

クソ狭いステップ

に身を

かがめ 今日もまた

何度も読んだコミックに熱中

意識の外に母の声が

宿題とか やれとか

へえ

そうかコレ

6巻はこんな感じだったっけ

主人公のバッシュまがいが

破れ敗れた

シーンを読んでる、いや

見てる

空想の負けを見ながら

狭いスペースで

心地よい広さをとるには

どうしたらよいのか

考えていた

母の声

ゆうはんが どうとか

ほう

15巻は こんなに悔しかったか

自分もいつかこんなミス

(コーラを飲も)

すんのかな ふーん

がりっと

ポテトチップスを噛み

砕いてはめくり

汗が描かれたページに

油がしみこむ

(親のマンガだけど)

熱い青春の対極にあるような

カロリーのみ熱い自分

ポテト氏と

コーラさんと

能天気な週末

22巻をもって

僕は外に出た

隣家の低い塀の上

塀の上は中学二年生なる我の

背中3ぶんの2ほどの幅 

寝転んで

コミックと

青空を

交互に見てた

風が吹く

気持ちよさに目をつぶる

本が落ちる

左手を落ちた本にのばし

あと少し の あと少し

結果自分が落ちる

ぐあっ(どさっ)

そのまま

ケラケラからからと

ひとり笑って

しばらく

そのままに

青春の死骸の風情

熱き青き春の前の

ひなびた僕の脳裏には

さっきの巻で

ようやく

当たり前のことが

できるようになった主人公の

シュートフォームが焼き付いており

ふふと笑ったその冷えたつくねみたいな

体勢から

がっ

と起きてジャンプシュートのフォーム

ののち空想のゴールリングに

現実のガッツポーズを

なんだかんだで

熱いね 少年

誓うともなく今日を生きて明日を生きて

あの日のポテトチップスは

今の大きな腹の中

恋も

学業も

スポーツも

全て過ぎ去って

サクサクと

ポテトチップスは今日も食える

僕の人生はポテトチップス

あるいはコーラ

昼間の月が そんな僕をほくそ笑み

今となっては まるでまるでまるまるとした

冷えたぼんじりみたいな体を

ひねれなくなり

シュートフォームは頭で再生

代わりにひねる

言葉をひねり

言葉をひねり

精いっぱいなんか伝えようとする

ポテトチップスだ

僕のこれまで

サクサクサクサク刻まれた裸体

酒と2人のこども達に関心があります。酒文化に貢献するため、もしくはよりよい子育てのために使わせて頂きます。