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空想日記第一番冬・土と熱

呼吸している 息が跳ねかえる

外は真っ暗 少なくとも

わたしの周りは 真っ暗で

誰の目も届かない宇宙の 端

という名の 羽毛布団の中

たぶん 朝は来ているのだろう

オレンジのライトが 土を照らす

蒸らす 焦がす

無邪気な熱が わたしの

人工的な 思い群を

頭のてっぺんから 蒸発させてゆく

水気は あなたに届くだろうか

科学的で 情緒的な考察をひととき

といっても まあ

検討するすべを 持たないので

ひたすら実行 実行 実行

反省はなく 馬鹿の一つ覚えとは

このことだと体感しながら ですねえ

わたしを はぐくむのは

羽毛布団 ひたすらに

呼吸している 小さな暗い空間で

あなたを思う たぶん

じりじりと氷を 溶かしている

それは

わたしの熱であり

あなたの熱で あるかどうかを

右手人差し指で 確かめてみようか

暗い空間に 明かりがともる

「あなたはわたしが 好きでしょうか」

と打ってみる 百回目くらいの祈り

祈りは自意識を あぶりだす

わたしの思い人は わたしなのである

じつのところね

って

妄想するのだ 毎日

セミみたいになってね セミみたいになって

酒と2人のこども達に関心があります。酒文化に貢献するため、もしくはよりよい子育てのために使わせて頂きます。