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空想日記第七番夏・水と幻

練習試合は午後のはじめから

水道水を勢いよく噴射

かかる手ごろな虹を裂きつつ

わたしに一言

ごめんごめんと

伝えるきみ

修学旅行のミサンガが

切れかけては結びなおされる

晴天南中真っ只中の

白昼夢に打たれる

わたしは素顔

あおぞらを描く あおぞらを

校庭の端の

緑色の雑多なホースから

あふれてくるは夕方ののろし

ずいぶんと冷たい

まくる袖にしみこんでいく

少しの擦り傷がわたしを誘う

こんなことをしている間にも

冷えた冷えた透明な教室で

みんなの単語帳はうまってゆくのだが

わたしはきみの言葉で

わたしを埋めていかんとす

まじめに まじまじと

みつめてゆく

きみの毛穴のひとつでさえも

ふたつでさえも

いやみっつくらいいきたい

実はきみの

わたしに向けられた

ひとさしゆびの先

毛穴100個と仮定しましての

正答率3パーセントくらいの

穴埋め問題として

からだが熱い

そういえば

わたしは軽く

日に当たりすぎていたのであり

あなたはそれを

雑に冷やしてゆく

額を

確認したりする

まぶしいひと

なのであった

まぶしいひとが好き

なのであったよ

酒と2人のこども達に関心があります。酒文化に貢献するため、もしくはよりよい子育てのために使わせて頂きます。