見出し画像

モノラル、モノクローム、響く鐘の音

未だに自分のたましいに

重さがあるなどとは考えられず

今日も腐っているわけなのですが

ああ から ころ 鈍い色の音

教会の端っこ 犬小屋の隅

僕の空想はそこに生きてます

そこに生きてるものを掬ってます

どうやらちいさな生き物のたましいは

揮発しやすいものであるようで

あとに残らない虫のたましい

あとに残らない僕のたましい

モノラル、モノクローム、響く鐘の音

ステレオタイプに見つかる前に

ちいさきもののたましいをみよ

天秤にかける君のたましい

そっと片皿にのせて量ります

釣り合わないだろう僕のたましい

あとに残らない僕のたましい

はかられながら生きてゆくのです

はかっているつもりで

残念なことに

我が目というのは

他人のそれをはかるのには適していて

どうにも自分の

ものは見えないのです

仕方がないので 僕はトマトをかじって

しゃれた料理に するまでもなく

いくばくかの ぐたっとしたかたまりは

確かな重さの影を 内蔵にしみわたらせて

ああ と嘆息をもたらすのでした

狭いベッドの上で

胸に手を当てて

そういえば 納屋を掃除しなければ

(ルーティンワークを難なくこなせ)

しかし 胸に手を当てて

考えるのでした

窓の外には 映る波の形

軽々と 空をわたってゆく

日々ざくざくと踏み込んでくる

空の自重の痛みに裏返り

踏みつけられた

消え入りそうな僕のたましい

消え入ったことすら

消えるたましい

どうか渚で最期を迎えたい

なんてどうか ハハ

どうかな 渚よ

酒と2人のこども達に関心があります。酒文化に貢献するため、もしくはよりよい子育てのために使わせて頂きます。