ローニン

5年間の公務員(某県庁)生活を経て大学院に進学。その後、なんだかんだあって雑文家になっ…

ローニン

5年間の公務員(某県庁)生活を経て大学院に進学。その後、なんだかんだあって雑文家になってしまった男。令和の三文文士。ブログもやっています→https://rourou-blog.com/

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自己紹介を他己紹介風にしてみる

どうやらnoteでは自己紹介記事を書く人が多いらしい(?) noteを始めて約1か月。私も自己紹介をしてみようと思う。 ただ、普通の自己紹介をしても面白くない。ここは一…

ローニン
2年前
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NHKの捕鯨ドキュメンタリーが素晴らしかった話

良い番組を観た。 NHKスペシャル『鯨獲りの海』だ。 商業捕鯨を行う船団の長期航海に密着した番組。 たまたま深夜にテレビをつけたら放映されており、思わず最後まで観て…

ローニン
1年前
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【悲報】ワイ、「激務耐性」の獲得に失敗する

現在、専らコワーキングスペースで仕事をしている。空いている席を確保しパソコンを広げ、ひたすら文章を書く日々だ。 私のような「社会のレール」からドロップアウトした…

ローニン
1年前
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デヴィッド・ボウイの写真展in京都に行ってみた(+隠れた名曲紹介)

デヴィッド・ボウイが一時期(80年代初頭)京都に住んでいたのは、ファンの間では有名な話だ。自宅を構えていたわけではなく、あるアメリカ人の東洋美術家の家に滞在して…

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1年前
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Twitterを始めてみたものの、やる気全く起きない問題

「ブログやnoteをやっているのに、Twitterをやっていないなんてもったいないよ‼」 ファンの方にそう言われたので(←大嘘。ファンもアンチも皆無である)、Twitterなるも…

ローニン
2年前
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【レビュー】マイケル・サンデル著『実力も運のうち―能力主義は正義か?―』

10年以上前、『白熱教室』で人気を博したマイケル・サンデルが、最近また注目を浴びている。 現代の先進諸国で自明のものとされている「メリトクラシー」(能力主義)を批…

ローニン
2年前

自分、もしかして『山月記』の虎ルートを辿っているんじゃね?

最近、ことあるごとに思い出すのが、中島敦『山月記』に出てくる虎さんだ🐯 というのも、私の人生は今まさに、「山月記の虎ルート」を辿っているような気がするからだ。 …

ローニン
2年前
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酒好きのテレワーカー・在宅ワーカーにおすすめの健康法をついに見つけた

健康に気を遣いたい!でも酒は飲みたい! こんな叶わぬ願い(?)を抱いている酒クズ…もとい、酒好きの人は多いのではないだろうか(私のことだ)。 普段から体を動かし…

ローニン
2年前
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【レビュー】『先生、どうか皆の前でほめないで下さい』金間大介著―なぜ若者は「いい子」になった?―

「最近の若者は素直で大人しくて真面目な子が多いなあ」 こんな感想を抱く人は多いのではないだろうか。 「キレる10代」と言われ、大人から恐れられたかつての若者の姿は…

ローニン
2年前
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夜中にならないと本気で文章を書けない症候群

あれやこれやと雑文を書いて糊口をしのいでいる私だが、致命的な欠点(?)がある。 夜中にならないと本気で文章を書けないのだ。 もちろん、日中も仕事はしているのだが…

ローニン
2年前
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【レビュー】『変異する資本主義』中野剛志著―戦争が経済を変える―

Mr.Childrenが「資本主義にのっとり 心をほっぽり 虚栄のわが日本です」(「傘の下の君に告ぐ」)と歌ったのは1997年のこと(この時代のミスチルは最高に「ロック」だっ…

ローニン
2年前

カラオケが苦手な人に知ってほしい「カラオケのトリレンマ」理論

「カラオケがどうも好きになれない」 「できれば二次会でカラオケは避けたい」 こんな思いを抱いている人は少なくないと思う。 よくある理由は、「人前で歌うのが苦手」…

ローニン
2年前
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『13歳のハローワーク』に絶望した14歳のあの日

20年近く前、『13歳のハローワーク』(村上龍著)という本が話題になった。130万部を売り上げる大ベストセラーとなり、多くの学校でも採用されたそうだ。学校で読んだ記憶…

ローニン
2年前
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【レビュー】『批評の教室』北村紗衣著 ―批評することの覚悟―

「批評」せずにはいられない人本やマンガを読むとき、映画を観るとき、音楽を聴くとき、あれやこれやと考えたり、分析したり、解釈したりしなければ気が済まない人種が、世…

ローニン
2年前
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【レビュー】『今日は寝るのが一番よかった』吉田靖直著 ―能ある怠け者は苦しむ―

能ある怠け者は苦しむこの本を読んだ率直な感想だ。 才能がなかったら、ここまでの苦しみ方はしなかったはずだ。とっくの昔に現実と折り合いをつけ、どこにでもいる「普通…

ローニン
2年前
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自己紹介を他己紹介風にしてみる

自己紹介を他己紹介風にしてみる

どうやらnoteでは自己紹介記事を書く人が多いらしい(?)

noteを始めて約1か月。私も自己紹介をしてみようと思う。

ただ、普通の自己紹介をしても面白くない。ここは一つ、「セルフ他己紹介」のような形で、私の人物像を浮かび上がらせてみたい。

以下では、私が「他人からよく言われる言葉」を思いつくままに挙げていき、それぞれ解説を加えていく。

セルフ他己紹介①真面目

小さいころからことあるごと

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NHKの捕鯨ドキュメンタリーが素晴らしかった話

NHKの捕鯨ドキュメンタリーが素晴らしかった話

良い番組を観た。
NHKスペシャル『鯨獲りの海』だ。

商業捕鯨を行う船団の長期航海に密着した番組。
たまたま深夜にテレビをつけたら放映されており、思わず最後まで観てしまった(ちなみに当方、普段あまりテレビを観ないが、観るとしたらたいていNHKである。まじめか)。

船乗りの面構えカッコええテレビをつけ、最初に見惚れたのは船乗りたちの面構えだ。
まさに海の男。ひたすらパソコンに向かって仕事をしてい

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【悲報】ワイ、「激務耐性」の獲得に失敗する

【悲報】ワイ、「激務耐性」の獲得に失敗する

現在、専らコワーキングスペースで仕事をしている。空いている席を確保しパソコンを広げ、ひたすら文章を書く日々だ。

私のような「社会のレール」からドロップアウトした人間のみならず、サラリーマンの利用者もたくさんいるのだが、最近「コワーキングスペースを使うサラリーマンは激務マンが多いのではないか」と思うようになった。

完全フルリモートで快適に働いてそうな人ももちろんいるが、会社で仕事を終わらせられず

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デヴィッド・ボウイの写真展in京都に行ってみた(+隠れた名曲紹介)

デヴィッド・ボウイの写真展in京都に行ってみた(+隠れた名曲紹介)

デヴィッド・ボウイが一時期(80年代初頭)京都に住んでいたのは、ファンの間では有名な話だ。自宅を構えていたわけではなく、あるアメリカ人の東洋美術家の家に滞在していたようだが。

当時、京都の正伝寺で焼酎のCM撮影のロケを行っており、「京都の飲み屋で目撃した」とか「喫茶店で中学生の英語の宿題を手伝った」といった都市伝説(?)も残っている。

その京都滞在時に、写真家の鋤田正義がボウイを撮影した「プラ

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Twitterを始めてみたものの、やる気全く起きない問題

Twitterを始めてみたものの、やる気全く起きない問題

「ブログやnoteをやっているのに、Twitterをやっていないなんてもったいないよ‼」

ファンの方にそう言われたので(←大嘘。ファンもアンチも皆無である)、Twitterなるものを始めてみた。

Twitter経由でブログやnoteへの流入が増えれば、と淡い期待を抱いていたものの、始めて2か月ほどで完全にやる気を失ってしまった。

理由は単純。
つぶやくことに何の意味も感じられなかったからだ。

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【レビュー】マイケル・サンデル著『実力も運のうち―能力主義は正義か?―』

【レビュー】マイケル・サンデル著『実力も運のうち―能力主義は正義か?―』

10年以上前、『白熱教室』で人気を博したマイケル・サンデルが、最近また注目を浴びている。

現代の先進諸国で自明のものとされている「メリトクラシー」(能力主義)を批判する本を書いたからだ。

邦題は『実力も運のうち』。的確なタイトルだと思う。

社会で成功を収めた人々は、このタイトルを見てイラっとするのではないだろうか。

「サンデルさんよ、あんた馬鹿にしてるのか。俺は子供の頃から血のにじむような

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自分、もしかして『山月記』の虎ルートを辿っているんじゃね?

自分、もしかして『山月記』の虎ルートを辿っているんじゃね?

最近、ことあるごとに思い出すのが、中島敦『山月記』に出てくる虎さんだ🐯
というのも、私の人生は今まさに、「山月記の虎ルート」を辿っているような気がするからだ。

最初に、山月記のざっくりとしたあらすじを書いておこう(知っている人は飛ばしてください)。

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むかしむかし、中国に李徴(りちょう)という青年がいた。
博学で才気煥発な彼は、若く

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酒好きのテレワーカー・在宅ワーカーにおすすめの健康法をついに見つけた

酒好きのテレワーカー・在宅ワーカーにおすすめの健康法をついに見つけた

健康に気を遣いたい!でも酒は飲みたい!

こんな叶わぬ願い(?)を抱いている酒クズ…もとい、酒好きの人は多いのではないだろうか(私のことだ)。

普段から体を動かしていれば多少マシになるだろうが、テレワークがメインのサラリーマンやフリーランスとして在宅業務をしている人は、仕事中ほとんど動かないことも珍しくない。

特によろしくないのが、「座りっぱなし」の状態が続くことだ。
腰痛や肩こりの原因になる

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【レビュー】『先生、どうか皆の前でほめないで下さい』金間大介著―なぜ若者は「いい子」になった?―

【レビュー】『先生、どうか皆の前でほめないで下さい』金間大介著―なぜ若者は「いい子」になった?―

「最近の若者は素直で大人しくて真面目な子が多いなあ」

こんな感想を抱く人は多いのではないだろうか。

「キレる10代」と言われ、大人から恐れられたかつての若者の姿は、今やほとんどない。

一見喜ばしいことのようにも見えるが、本当にそうなのか?
素直で大人しい若者たちには、何か重大な問題があるのではないか?

問題とまではいかなくても、どこか違和感を覚える年長世代も多いと思う。

本書を読むと、そ

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夜中にならないと本気で文章を書けない症候群

夜中にならないと本気で文章を書けない症候群

あれやこれやと雑文を書いて糊口をしのいでいる私だが、致命的な欠点(?)がある。

夜中にならないと本気で文章を書けないのだ。
もちろん、日中も仕事はしているのだが、自分の全体重を乗せた文章を書く気が起きない。

そのため、比較的淡々と書き進められる仕事をやるようにしている(もちろん、だからといって手を抜いているわけではない)。

一方、頭をフル回転させないと書けないものは夜にとっておく。
いや、「

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【レビュー】『変異する資本主義』中野剛志著―戦争が経済を変える―

【レビュー】『変異する資本主義』中野剛志著―戦争が経済を変える―

Mr.Childrenが「資本主義にのっとり 心をほっぽり 虚栄のわが日本です」(「傘の下の君に告ぐ」)と歌ったのは1997年のこと(この時代のミスチルは最高に「ロック」だった)。

あれから約四半世紀。「資本主義」が、かつてない変異を遂げようとしている。

どんなふうに変わりつつあるのか?
また、なぜ変化が起きつつあるのか?

こういった点を解き明かしていくのが、今回紹介する本『変異する資本主義

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カラオケが苦手な人に知ってほしい「カラオケのトリレンマ」理論

カラオケが苦手な人に知ってほしい「カラオケのトリレンマ」理論

「カラオケがどうも好きになれない」
「できれば二次会でカラオケは避けたい」

こんな思いを抱いている人は少なくないと思う。

よくある理由は、「人前で歌うのが苦手」とか「歌が下手で恥ずかしい」といったものだろう。しかし、実はもっと根本的な理由があるのではないか?

こうした問題意識のもと、私はカラオケの本質について、長年にわたり考察を重ねてきた(大嘘)

そしてついに、一つの理論を構築することに成

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『13歳のハローワーク』に絶望した14歳のあの日

『13歳のハローワーク』に絶望した14歳のあの日

20年近く前、『13歳のハローワーク』(村上龍著)という本が話題になった。130万部を売り上げる大ベストセラーとなり、多くの学校でも採用されたそうだ。学校で読んだ記憶はないが、当時、いつの間にか我が家の本棚に紛れ込んでいた。

今、なぜか(?)本書が手元にあるので、初めて読んだときを振り返ってみたい。

世の中をあっと言わせたい。でもやりたいことがない中2病患者当時の私は14歳。『デスノート』の影

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【レビュー】『批評の教室』北村紗衣著 ―批評することの覚悟―

【レビュー】『批評の教室』北村紗衣著 ―批評することの覚悟―

「批評」せずにはいられない人本やマンガを読むとき、映画を観るとき、音楽を聴くとき、あれやこれやと考えたり、分析したり、解釈したりしなければ気が済まない人種が、世の中にはいる。

頭を空っぽにして作品を楽しむということが、どうしてもできない。そして自分の考えを誰かに知ってほしくて、酒場で長広舌をふるったり、文章を書き殴ったりする。

単純に作品を楽しみたい大多数の人にとって、こういう連中はめんどくさ

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【レビュー】『今日は寝るのが一番よかった』吉田靖直著 ―能ある怠け者は苦しむ―

【レビュー】『今日は寝るのが一番よかった』吉田靖直著 ―能ある怠け者は苦しむ―

能ある怠け者は苦しむこの本を読んだ率直な感想だ。

才能がなかったら、ここまでの苦しみ方はしなかったはずだ。とっくの昔に現実と折り合いをつけ、どこにでもいる「普通のグータラ青年」として生きていたのだろう。

著者の吉田氏は違う。どうしようもなくだらしない人間だが、才能を隠しきれていない。文才や発想が尋常ではないのである。
自分の持つ才能で到達可能な最大限の成功と、どうにもうまくいかない現実とのギャ

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