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カクヨムにいきなり13,165文字の小説を投稿することになってしまった話|Amazon KDP, 小説投稿サイト比較

こんなもの

を投稿してみました。


どうしてこうなった

ちょっと前に意気揚々とこんな記事

を書いて、その時は

とりあえず10万字程度にまとめたらそれを第1巻として発刊しようと考えています。
AmazonのKDPを利用する予定。

なんてことを言っていました。

それから色々調べて、実際にKDPへ書籍データを投稿し、あとは出版するボタンを押すだけのところまで行きました。

でも、そこで今更気がついたんですね。

「これ、Amazonで売る意味なくね……?」

って。

それで、カクヨムに投稿することとなりました。

Kindle出版って結構面倒くさい

0円で売るまでの壁

売ると言っても、0円で販売する方針でした。無名の作家が書いたものをお金出して買う人なんているわけないじゃないですか。

ちなみに0円と言っても、Amazonでの独占販売、Kindle Unlimitedの読み放題対象作品に登録するのではなく、常時0円での販売です。

でもこれ、Amazon KDPでは最小99円からしか設定できませんでした。てっきり0円を選択できるものかと思っていたのに。

調べてみると、「プライスマッチ」という手法を利用して、半ば無理やり0円に設定することができるみたい。
例えば楽天の電子書籍サービスにも同じ書籍を出版して、「これ楽天では0円で売ってるけど、Amazonさんは99円からでいいの?」みたいなことをメールすると、数日で0円に引き下げ対応してくれるっぽいのです。

……めんどくせぇ!
しかもこれから本を出版するたびにこれをやらなきゃならないのか、と思うと気が滅入ります。

で、思ったのは、Amazon側としてはあまり0円で販売させたくないのでは?
ということ。

だって、あまりにも僅かとはいえ、商品ページを公開しておくにはサーバーのストレージ容量やそれにまつわる電力人件費等がかかるわけです。0円でそれを使われるものなら、経営側としては一切のメリットがないじゃないですか。

だから一応プライスマッチという手法を、こそっとしれっとさりげなーく公開しているものの、全く大々的にそれを謳うことはしないのではないのかな?と。

なので、せめて99円からならコストを回収できるから、最低価格をそう設定しているんじゃないのかな。

Amazon側の損益分岐点はどこかわからないですし、もしかしたら細かい税務的なことが関わっているのかもしれませんが、そこまでは調べませんでした。

Amazonでの公開にこだわっていた理由

それは、

  • Amazonで電子書籍を販売している

というだけで、「なんかすごそう感」が出そうだなと思っていたためです。

あとは、0円で販売している自分の商品のリンクを、Amazonアソシエイトに加入してnoteに貼って紹介することで、そのリンクを踏んでくれた人がAmazonで他の商品を買った場合に、僕に少しだけ収益が入るから。

それである程度の利益をあげることができるのではないか?と。
0円なら商品の詳細ページを見るためにリンクを押す人は1円以上のものに比べてかなり多いだろうし、これはなかなかナイスなアイデアを思いついてしまったぜ、って。

でも、結局これもやめることにしました。

超個人的な感情ですが、アフィリエイトという仕組みがあまり好きではない、ということがあります。
だけど、それも金のために目が眩んでしまった。

昔Wordpressでブログを運営していて、そこにはGoogleアドセンスを貼って、そして実際にAmazonアソシエイトリンクや他のアフィリエイトサービスリンクも貼っていたりしたことがあったのですが、結局最後までずっと赤字だったし、あれこれ手を広げすぎて何が何だかわからなくなってきたのでやめた、という経緯があるのです。

そしてnoteに引っ越してきて、めちゃくちゃ快適で( ̄  ̄)
ただ、書くことだけに専念できる。

小説でもまた同じことをやるのかと思うと、もはや「書くこと」という一番好きで一番大切にしなきゃならないことが疎かになってしまいそうだったので、Amazonでの公開はやめることにしました。

お金は音楽ストリーミングの方に任せればいいかなと思っているし、

なんか調べていたらカクヨムでも収益化的なことができるっぽい(?)ので。

別に、本の形式にこだわる必要はない

結構前にこんなこと

本はマジでいつか必ず出版します。
CDはこれからの時代必要ないので出さないかも。

何がなんでも夢を叶えるんだ。ここに宣言。

を言っていて。

「本を出す」というその外見的な形式に、憧れていたわけですね。
だって電子書籍とはいえ、一応それは本を出している、ということになるじゃないですか。
特に詳しい構想を立てることもなく、ただ闇雲に。

でも所詮は素人が、しかも自分一人でやっているわけなので、出版社でプロの編集者が付いている人には確実に劣るわけです。どう足掻いても勝てない。そりゃ当然ですけど。

確かに自費出版(Kindleは手数料0円だけど)は魅力的な手法ではあるけれど、でも中途半端に「なんかすごそう感」を目指すよりも、多少外形的な質が落ちてもいいから小説投稿サイトに文章を書いていった方が手軽じゃないか?

という結論になったわけです。

他にもISBNコードがどうとか、納税者番号(TIN)があれこれで日本はマイナンバーがそのまま該当するけどでもKDPでは使えないだとか、「え、Amazonこれさ、日本で売れたKindleでもアメリカに全部納税してるの!?(違ったらすみません)」とか、あげく赤坂にあるアメリカ大使館にいって直接交渉することでようやく税金問題を解決することができる、とか……

そんな感じで、もはや本の内容に全然関係ないことが気になりまくって調べまくってしまって、頭痛がしてきたのでやめることにしました。

そのおかげで出版周りにはかなり詳しくなったけども( ̄∀ ̄)
大人の事情ってのがいっぱいあるんだなぁって。

だから、いつかもし、書籍化の打診が来るとするならば、その時ようやく初めて本を出す(それは電子でも紙でも)ということについて考えればいいのだなと。

ちなみに僕は音楽も作っているのですが、

楽曲配信に関しては個人で問題ないんじゃないか、と感じています。

業界ごとに色々違っていて、面白いですね。

ファイル管理やその他諸々の壁

Amazonでの書籍販売、ファイル管理やその後の手順も面倒だなぁ、と思ってしまいました。

  1. MacのPagesで縦書き、A6で設定。小説用のフォントもインストール

  2. 本文を書く

  3. 画像をPixelmator Proで作成

  4. Pagesに貼り付けて整える

  5. 全体の校閲

  6. EPUB形式でファイル書き出し

  7. それをKindle Previewerアプリに読み込ませて確認

  8. なんか画像がズレてしまう……

  9. あ、誤字も発見した。それにここのいい回しはちょっと気になる

  10. Pagesに戻って整える

  11. またEPUBで書き出して、Previewerで開く

  12. (8~11を数回繰り返す)

  13. ようやくできたのでKDPにアカウント登録をして出版作業に入る

  14. 銀行口座、税務情報、販売方法や個人情報等を入力する

  15. 価格設定を0円にできないことに気が付く

ということがあるのです。
うーん、めんどい。

もちろん慣れればある程度楽になるのでしょうけど、あまりにも効率が悪くないか?と感じてしまいました。

色々な小説投稿サイトを比較した

上で「15.」まで行ったところで、他にうまい方法はないのだろうかと思って、調べることに。

色々なというか、日本に存在している投稿サイトはほぼ全て目を通しました。
先人たちが書いてくれている体験談や解説動画を参考にして、大量の情報を集めまくった。

で、カクヨムにすることにしました。

主に3つの理由からです。

  • 突然潰れることがなさそう。KADOKAWA運営。

  • 名前がシンプルで気に入った、サイトのマイページも無駄がなくていい

  • 本当はnoteが良かったけれど……

詳しく見ていきます。

潰れちゃ困る

まず一番大切なのは、突然サイトが閉鎖されるリスクがないか、ということです。せっかく命を削って作ったもの、もし見られなくなったらあまりにも悲しすぎて再起不能になりそうです。

例えば「Novel Days」を見てみましたが、あれって広告表示がないらしいです。じゃぁ一体どうやって部門の採算を取っているのだろうか?と。
運営母体は講談社ということでかなりの資本力はあるはずですが、しかしそれでも収益化がされていないように見受けられたので、不安になりました。
収益構造がそこに確立されていないということは、経営方針としてもそこまで力を入れているものではないのではないか?と思ったから。

企業の資本力ってめちゃくちゃ重要だと思います。もちろんただ闇雲に大きければいいというわけでは全くないですが、あまりにも小さすぎる規模だと不安になってしまいますので。

あとはネームバリュー。

シンプルなものが好き

色々あって最後まで残ったのは説明不要の「小説家になろう」ですが、サイトがごちゃごちゃしていたし、名前が長いのでやめることにしました。
アイコンも”なろう”よりカクヨムの方がシンプルで気に入ったし。

「 」←これ好き。

ほんとにそれだけの理由です。

でも、そういう細かなことであっても気になるものは気になるし、微妙なストレスの差異がつもりにつもって大きくなっていくことを知っているので、カクヨムにすることに。

ちなみにカクヨムオンリー、カクヨムにだけ投稿していく方針です。
あれこれアカウントを持つのが好きじゃないのです。

noteに投稿しようかと思ったけど、やめた

最初は使い慣れているnoteに投稿しようか、と思いましたが、やめました。
縦書きができないからです。

まぁ、だからと言ってnoteのことを嫌いになるわけはないし、自分で複数サービスを使い分ければいいだけなので、全く問題ありません。

一切の無駄がなく、必要な機能だけに絞られているのはとても好感が持てるので、ぜひnote運営さんにはシンプルを貫いていっていただけると嬉しいです。

せっかく表紙とか作り込んだのに……

Amazonで出版するということで、意気揚々と作り込んでいました。

結構ガチで作った。使用したソフトはPixelmatorとPagesだけです。
「philosofy」、どんなエディタを使っても必ず修正されるよう促される
奥付としてこんなものも作りました
Kindle Previewerだとこんな感じ

ね、でも、カクヨムって画像ないんですね……

まぁしかし、個人的には文字だけの方がかなり楽なので、ありがたくはあります。

だってここだけの話(全世界に公開しているのに”ここだけ”とは)、正直画像を用意するのが面倒だったのです。

どうして小説を書いたか、こうして日々文章を書いているかというと、それはテキストコンテンツという表現手法が自分に一番向いている表現方法、創作活動だと思っているから。

言葉って、何でも表現できるじゃないですか。それを使う者の技量次第で。
できないことは何もないとまで思わせてくれるほどの、圧倒的な深淵さと、マインクラフトのような無限のフィールドがあるのです。

現実的な問題としては、目を惹くようなイラストがあった方が最初のインパクトはあるかもしれませんが、僕は全く絵が描けないし、プロのイラストレーターに依頼するお金はないし。

AIイラストは心の底から大嫌いなので使いません。例えばそれこそWeb小説やブログ、本屋に置かれているものでも、表紙にAIで生成されたと思われる画像があると、それだけで嫌になって手に取ることをやめます。

そう。AIで創作する人が見落としている致命的なデメリットは、それを続けている限り一生、

内から湧き出る圧倒的な情熱を体験することができない

ということです。

画像はもちろん、文章、何から何まで生成AIで作成したような、個性はかけらもなくてそこに一切の情熱を感じない、「あんた誰すか?」と真正面から言いたくなるような金儲け特化アカウント、のようなものです。

画面の向こうにいる「あなた」が、どんな人なのかが全く伝わってきません。
どんなことを考えて、どんなことで幸せを感じて、どんなことに心を痛めて涙を流すのか。

僕はただ、それが知りたい。

表現に対するリスペクトが全く感じられないから。
何から何まで全部ツールに丸投げして、一体何になるの?

とにかく、世に出すことに意味がある

※もちろん、自分で書いて自分だけが読む人を批判するつもりは全くないです。ただ僕は世に出したいと思ったので。

「こんなカスみたいなもの書いてどうしよう……」「もう完全に人生終わったかもしれない……」「恥ずかしくて死にそう……」

ずっとそう思っていました。

しかし僕の一番の才能は開き直りの良さなので、まぁダメならダメでそれでいいやってことでとりあえず公開することにしました。

それは、音楽制作でも、文章執筆でもそうです。

人生で一番初めに投稿したオリジナル曲。

これは今からすればありえないほどクオリティが低いですけど、でも、これを公開したから、全ては始まったのです。これがあるから今の僕がある。

何もしないでずっとPCのローカルディスクに置いていても、それは何にもならなかっただろうなと思います。

一度全地球人の目に晒してしまえば、色々な意見が飛んできてそれ自体が勉強になるし、自己成長になる。

悲しいことに何の反応もなくても、自分の中で「世に出した」ということは大きな経験となって、それは後からわかる新しいことだってある。

創作と向き合っていく中で様々な感情が生まれたし、価値観、人生との向き合い方が大きく変化しました。

文章だってそう。……しかしこれは個人的なことですが、YouTubeやストリーミングサービスに音楽を投稿するよりも、noteに文章を書く方が心理的なハードルがかなり低いのです。何故か。

だけどそれでも、やっぱり緊張します。

これまで投稿してきた中で、「これは流石に恥ずかしいな……」「完全にやらかしたかもしれない……」というのは多々あります。
多すぎてもはやわかりません。というかもう全部恥ずかしいかもしれない。

でも、それでも、これを誰かに見てほしい!届いてほしい!何かしらでもいいから影響を受けてほしい!!

というどこまでも強い、熱すぎて自分でも面倒になるほどの思いがあるので、発信しているのです。
それだけです。マジで。

マネタイズするぞ!という思いがあることも確かですが。

どうせ人は死ぬんだ

超絶当たり前のことですが、もれなく全ての人は消えてなくなります。
ということは記憶も無くなるし、何から何まで全てが消滅します。

じゃあ、それなら「恥ずかしさ」という感情に負けることに一体何の意味がある?
と思うのです。

実際、僕は思い切って投稿してしまったことでかなりスッキリしています。

「22歳の男が、どうして女子高生の日常について書いているんだ……??」

なんてずっと感じていましたが、それが書きたいんだから、いいじゃないか。
それが一番書きたいんだよ。
他は特に興味ないんだよ(今のところ)。

実際書いてしまったので、ずっと悩んでいたことが、また一つ減りました。

とりあえず、「小説を書いて公開した」という実績はできるわけです。
以前、ノンフィクション小説を書いたことはあった

のですが、しかしそれは結局僕の主観であって、普段書いているようなエッセイとあまり違いがないものでした。

でも、今回は完全にフィクション。
想像力を最大限働かせて、存在しない人物に成り切って作り上げたので、100%自信を持って(クオリティはわからないけど)「小説を書いた」と言えるわけです。

  • 書きたいと思っている

  • ちょっと書いてローカルに保存している

  • 完成したけど誰にも見せてない

と、

  • 書き上げて世に公開した

は、全然違うものであると感じます。

こうしてリンクを貼ることもできるし。あれこれ貼るの楽しい。

投稿してみて、もし才能がないって分かったのなら、それで良くない?って。

一生可能性の中で偽りの希望に生きているより、早いとこ才能がないものを見つけてそれにバツ印をつけて潰していって、ローラー作戦的に出来るものを早く見つける方が、人生の総合的な満足度は上がるのではないか?と。

後悔しまくる人生でもいいじゃないかって。

……まぁでも、こんなことをめちゃくちゃ調子に乗って言っている割に、つい最近こんな事件

「できることは全部やってやろう」「とにかくやってやろう」みたいなマインドになっていました。何の根拠もないのに。

僕という人間の中身は何一つとして変わっていないのに。

もしかしたら何か変わっているかもしれなくても、でもスキルや技能が新しく身についたわけでもないし、ましてや対面の対人スキルが向上したわけでは全くない。

が発生してしまっているので(笑)、本当に向いていないことはやらないほうがいいです。マジで。これは強く言っておきます。

自分ができそうだな、と思える範囲で、そのちょっとギリギリを攻める感じで、全ての物事はやった方がいい。

バイクレースだって、角度をつけすぎたら、スピードとのバランスがいい感じに伴わなかったら転倒してしまうじゃないですか。あんな感じです。実際に富士スピードウェイで目撃しました。

最後に

長々と7,151字も書いてきてしまいましたが、そんな感じです。

本を出そう、小説を書こう、と思っている方、その他、とにかく何かしら参考になりましたら幸いです。

よかったら僕の書いたものを読んでやってください。

ちなみに縦書きで書いたので、読む時もおそらく縦組み設定の方が読みやすいのではないかなと思います。

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