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劇場版アイドリッシュセブンと、2020sのアニメが向かう先

2023年の半分が過ぎた。新入社員としてあたふたしていた昨年と比べると、多少余裕が出てきた。学生の頃には及ばないけれども、月1、2回のペースで映画を見、毎日Netflixで…

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1年前
109

マッドマックスを見ずに死ねるか!

ネットでは、良い意味で「バカ映画」と呼ばれているものがある。「ジョン・ウィック」シリーズや、「ブレット・トレイン」などがそれだろう。 細かい設定は抜きにして楽し…

주키
6日前
6

摂食障害と、私たちのままならなさ

「ていうかお前、アンパンマンみたいだね」 私の顔のことだ。丸顔な上にちょっとふっくらしているんだ、私の顔は。 20歳になったばかりの時、サークルの先輩の一言がきっ…

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10日前
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カネコアヤノ

「ひとは30代から新しい音楽を聴かなくなり、それまでに好きになった音楽のみを繰り返し聞くようになる」。ネットで聞いたことがある言葉だ。 私は今25歳なので、音楽がイ…

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2週間前
18

興行も口コミも放っておけ。私が「DUNE」にハマるまで。

「DUNE」は前作のpart1 の時から、周囲の反応が悪かった。 「何を言っているかわかんない」「ずっと同じ風景でつまらない」という感想こそ聞くものの、見た人があまり語り…

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1か月前
18

コロナ禍後、初の片道12時間の飛行機で、開眼。

エコノミークラスでのニューヨークへの12時間の飛行機。12時間かあ、という気持ちは、飛行機に乗る前も乗っている最中も、乗った後の今でも思っている。 やってみたら意外…

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2か月前
6

ブロードウェイで「CHICAGO」を見た日

ニューヨークのブロードウェイで「CHICAGO」を見た。人生初のミュージカル観劇で、ものすごく感動した。 今までミュージカルといえば、劇中で歌が始まる種類の演劇という…

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2か月前
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『深く、しっかり息をして』を読んだ

川上未映子さんの『深く、しっかり息をして』を読んだ。 川上さんの語り口の優しさとか、気になったものに対して丁寧にかんがえるところとかが好きで、一気に読んでしまっ…

주키
3か月前
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『ガザとは何か~パレスチナを知るための緊急講義』を読んで、考え続けているうちに終わった2月。

今日も、街角で「ガザのジェノサイドを止めろ」というプラカードを持った人を見ました。1ヶ月前までは、ガザとウクライナの戦争を混同するくらい、何も知らなかった私。け…

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3か月前
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北野武・首 雑感想|お前らはどう生きんの?な映画

北野武監督の最新作「首」を見てきました。 初めて鑑賞した北野映画かつ前情報なしで見に行きましたが、とても好きだったので感想をシェア。以下ネタバレ含みます。 まず…

주키
6か月前
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ゴジラ-1.0 雑感想|2023年で一番面白かった邦画かも。

面白かったよ、ゴジラ! 宇野維正さんのMOVIE DRIVERを見て、ウノコレさんが面白いというならぜひ見たいと思い、映画館へ。 まず、ゴジラのビジュアルが良い。なんだあの…

주키
6か月前
16

一緒に読むと倍面白い『傲慢と善良』/『僕の狂ったフェミ彼女』

60万部を超える大ヒット作品、『傲慢と善良』(辻村深月)。もう読んだという方も多いと思います。現代の既成概念の百科事典かと思うくらい、日常が掘り下げられている作品…

주키
7か月前
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五彩緋夏と私

五彩緋夏さんのyoutubeはもう更新されない。メイクをする時には本当に毎日彼女の動画を見ていた私にとって、直視するに耐えない現実だった。 眠れない夜が続いた。疲れ切…

주키
9か月前
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小野不由美『残穢』と エンタメとしての恐怖

本棚に置いておくのも怖いとのレビューがあった『残穢』。私がこの本を手に取ったのは、今まで読んだことがなかったホラー小説に挑戦してみたいと思ったからでした。 とい…

주키
10か月前
2

重松清『疾走』と、つながりたいという欲望

最近は重松清の作品を読み進めています。重松清といえば、身近な家族の温かさやほっとするような話が多いのかなという先入観で、実はあまり読んでいませんでした。 ですが…

주키
11か月前
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小川洋子『小箱』を読んだ|亡き人を思う気持ちに寄り添うさわやかな風

小川洋子さんの作品を読み始めて一ヶ月。14作品ほど読むことができました。色々な作品に触れるたびに、「小川洋子さんが好き〜」という気持ちが高まっています。なぜ今まで…

주키
1年前
6
劇場版アイドリッシュセブンと、2020sのアニメが向かう先

劇場版アイドリッシュセブンと、2020sのアニメが向かう先

2023年の半分が過ぎた。新入社員としてあたふたしていた昨年と比べると、多少余裕が出てきた。学生の頃には及ばないけれども、月1、2回のペースで映画を見、毎日Netflixで海外ドラマを見ている。上半期のベスト映画といえば、スラムダンクと怪物を真っ先に挙げる。この2本は20余年の人生の中でも、最も好きな映画にランクインしてくる。そしてまさか、そこに劇場版アイドリッシュセブンが追随しようとは。
※コン

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マッドマックスを見ずに死ねるか!

マッドマックスを見ずに死ねるか!

ネットでは、良い意味で「バカ映画」と呼ばれているものがある。「ジョン・ウィック」シリーズや、「ブレット・トレイン」などがそれだろう。

細かい設定は抜きにして楽しめる、ド派手なアクション映画が愛すべき「バカ映画」と呼ばれているんではないだろうか。

私は「マッドマックス 怒りのデスロード」(以下、「マッドマックス」)もいわゆる「バカ映画」だと思っていた。たしかに理屈をすっ飛ばした戦闘シーンや、派手

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摂食障害と、私たちのままならなさ

摂食障害と、私たちのままならなさ

「ていうかお前、アンパンマンみたいだね」

私の顔のことだ。丸顔な上にちょっとふっくらしているんだ、私の顔は。

20歳になったばかりの時、サークルの先輩の一言がきっかけで、私は摂食障害になった。このあとの半年間で、162cm 35kg、小学5年女子くらいの体重まで、痩せることになる。

美しくなるために痩せたんではなかった。スタイルが良くなりたいとか、韓国アイドルみたいになりたいとか、決して人並

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カネコアヤノ

カネコアヤノ

「ひとは30代から新しい音楽を聴かなくなり、それまでに好きになった音楽のみを繰り返し聞くようになる」。ネットで聞いたことがある言葉だ。

私は今25歳なので、音楽がインプットできる時間が終わるまで、あと5年。もしあの通説が本当なのだとしたら、その前にカネコアヤノの曲を知れて本当に良かった。

先週、いよいよカネコアヤノのライブに行った。初めてのライブハウスだ、zeppだ。学生の時はお金的にも勇気的

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興行も口コミも放っておけ。私が「DUNE」にハマるまで。

興行も口コミも放っておけ。私が「DUNE」にハマるまで。

「DUNE」は前作のpart1 の時から、周囲の反応が悪かった。
「何を言っているかわかんない」「ずっと同じ風景でつまらない」という感想こそ聞くものの、見た人があまり語りたがらない映画って、ちょっとこわいし。

そして何より、見たという人が私の周りには極端に少なかった。
だから私も当時は、まあ見なくていいかな、とスルーする映画としてカテゴライズしていた。

part1 が公開されたのは3年前の20

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コロナ禍後、初の片道12時間の飛行機で、開眼。

コロナ禍後、初の片道12時間の飛行機で、開眼。

エコノミークラスでのニューヨークへの12時間の飛行機。12時間かあ、という気持ちは、飛行機に乗る前も乗っている最中も、乗った後の今でも思っている。
やってみたら意外と簡単。それは事実なのだけれど、足や内臓のあたりに何かがもやもやとまとわりついて、詰まっている感じはやはりきつい。
明確に体調が悪くなるということはなかったが、いつかビジネスクラスで旅行できるようになりたいな、というのが正直なところ。

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ブロードウェイで「CHICAGO」を見た日

ブロードウェイで「CHICAGO」を見た日

ニューヨークのブロードウェイで「CHICAGO」を見た。人生初のミュージカル観劇で、ものすごく感動した。

今までミュージカルといえば、劇中で歌が始まる種類の演劇というくらいの認識しかなかった。正直、今でもまだそれくらいしか知らない。
けれどもその、歌のある演劇がものすごいんだった。

まず、私は生歌というのをほとんど聴いてこなかった。そんな私にもわかるほど、ミュージカルの生歌は、遠くからマイクで

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『深く、しっかり息をして』を読んだ

『深く、しっかり息をして』を読んだ

川上未映子さんの『深く、しっかり息をして』を読んだ。

川上さんの語り口の優しさとか、気になったものに対して丁寧にかんがえるところとかが好きで、一気に読んでしまった。

左手に残ったまだ読んでないページの方がだいぶ薄くなったころ、どうして川上さんは、「女の子」とか「女性」に対して結構たくさんのお話をされていることが気になった。

私は女性として生まれながらも、世代なのか、生理が軽いという身体的なこ

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『ガザとは何か~パレスチナを知るための緊急講義』を読んで、考え続けているうちに終わった2月。

今日も、街角で「ガザのジェノサイドを止めろ」というプラカードを持った人を見ました。1ヶ月前までは、ガザとウクライナの戦争を混同するくらい、何も知らなかった私。けれどもネットでは、ガザで亡くなった人の写真が流れてきて、頭のどこかでずっとガザについて知りたいと思っていました。

とはいえ、仕事や暮らしに忙殺される日々。パレスチナ問題は歴史の授業で扱われているくらいだからこそ、片手間に勉強できるものでは

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北野武・首 雑感想|お前らはどう生きんの?な映画

北野武・首 雑感想|お前らはどう生きんの?な映画

北野武監督の最新作「首」を見てきました。
初めて鑑賞した北野映画かつ前情報なしで見に行きましたが、とても好きだったので感想をシェア。以下ネタバレ含みます。

まず、私が一番好きだったのは、四肢欠損の俳優さんや、遊女の中に女装男性役が自然にいたこと。話のネタにされるでも、笑いにされるでもなく、一見気づかないほど自然に存在していた。「首」で描かれていた群衆の姿は、今描きうる最大のダイバーシティーだと思

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ゴジラ-1.0 雑感想|2023年で一番面白かった邦画かも。

ゴジラ-1.0 雑感想|2023年で一番面白かった邦画かも。

面白かったよ、ゴジラ!
宇野維正さんのMOVIE DRIVERを見て、ウノコレさんが面白いというならぜひ見たいと思い、映画館へ。

まず、ゴジラのビジュアルが良い。なんだあの、背びれが一個一個出てきて光るやつ。効果音もいいし、光り方も高級感のあるLEDみたいでいい。チェレンコフ放射をイメージした青なのかな。やばいことが始まったのが本能でわかる。
今回のゴジラはもう勝てっこないよ…と思うほど怖くて強

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一緒に読むと倍面白い『傲慢と善良』/『僕の狂ったフェミ彼女』

一緒に読むと倍面白い『傲慢と善良』/『僕の狂ったフェミ彼女』

60万部を超える大ヒット作品、『傲慢と善良』(辻村深月)。もう読んだという方も多いと思います。現代の既成概念の百科事典かと思うくらい、日常が掘り下げられている作品です。
この小説、実は『僕の狂ったフェミ彼女』とペアリングすると、とっても面白いことを発見しました。

『傲慢と善良』が刺さる人にも、刺さらない人にも一読してほしい『フェミ彼女』『傲慢と善良』あらすじ

『傲慢と善良』は、マッチングアプリ

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五彩緋夏と私

五彩緋夏と私

五彩緋夏さんのyoutubeはもう更新されない。メイクをする時には本当に毎日彼女の動画を見ていた私にとって、直視するに耐えない現実だった。

眠れない夜が続いた。疲れ切った頭では、彼女がまだどこかで懸命に暮らしていると自分を騙し切ることもできなくなってしまった。
この文章は、鉄格子みたいな世界で生き抜くための、大きな支えの一つであった五彩緋夏さんへ、感謝を伝えるために残します。
筆者の勝手な解釈を

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小野不由美『残穢』と エンタメとしての恐怖

小野不由美『残穢』と エンタメとしての恐怖

本棚に置いておくのも怖いとのレビューがあった『残穢』。私がこの本を手に取ったのは、今まで読んだことがなかったホラー小説に挑戦してみたいと思ったからでした。
というのも、最近youtubeチャンネルの「不思議大百科」にハマり、作業中にずっと視聴していたことで、怪談とか不思議な話をもっと知りたいと思ったのです。
今回は、小野不由美さんの『残穢』とエンタメで描かれる恐怖について、横断的に話したいと思いま

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重松清『疾走』と、つながりたいという欲望

重松清『疾走』と、つながりたいという欲望

最近は重松清の作品を読み進めています。重松清といえば、身近な家族の温かさやほっとするような話が多いのかなという先入観で、実はあまり読んでいませんでした。
ですが、ジャケ買いで『木曜日の子ども』を読み、『十字架』を読み、そして『疾走』を読み…私好みの、ちょっとダークなお話も、実はたくさんあったのです。
ただやはり、アマゾンのレビューを見てみると、ダーク系よりも日常感動系の作品の方が圧倒的に多いですね

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小川洋子『小箱』を読んだ|亡き人を思う気持ちに寄り添うさわやかな風

小川洋子『小箱』を読んだ|亡き人を思う気持ちに寄り添うさわやかな風

小川洋子さんの作品を読み始めて一ヶ月。14作品ほど読むことができました。色々な作品に触れるたびに、「小川洋子さんが好き〜」という気持ちが高まっています。なぜ今まで読んでこなかったのだろう、早く出会いたかったという気持ちと、今だからこそ落ち着いて読めるのではないかという気持ちが半々です。一番最近読んだ『小箱』について語ろうと思います。

主人公の女性は、今回はなんと幼稚園に住んでいます。しかも廃校に

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