Kayoko Kitamura

海外のサステナビリティに関するニュースやESGの動向などを、拙訳ながら日本語で書き記し…

Kayoko Kitamura

海外のサステナビリティに関するニュースやESGの動向などを、拙訳ながら日本語で書き記しています。

マガジン

  • Sustainable Startups

    気候変動や水資源、食糧、廃棄物など、環境や社会課題の解決を目指す企業が世界各地で生まれています。ClimaTech、WaterTechなどと呼ばれる海外でのスタートアップ企業等の情報を、日本語でご紹介していくことで、日本国内で同じ思いを持って起業や事業化を進めていらっしゃる方々の参考になればうれしく思います。そうした取り組みが、いずれ大きな力となって、危機的状況にある地球や人々の未来を救うことを願っています。

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    気候変動などをテーマにした海外ニュースの和訳・要約を随時お届けします。海外の企業や政府の動向など、国内メディアではあまり取り上げられない記事を、拙訳・要約してご紹介していきます。

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    アフリカに関する最新ニュースを、海外の報道などを通じてご紹介するマガジンです。

記事一覧

家畜のメタンガス排出削減に取り組む 豪・Rumin8社

牛のげっぷから排出されるメタンガスの削減に取り組む企業がある。オーストラリアのRumin8社だ。この気候テック(ClimaTech)はマイクロソフトの創業者・ビル・ゲイツ氏も…

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企業の水リスクを測定・報告する米のSaaS企業:Waterplan社

米サンフランシスコを本拠とするウォータープラン社(Waterplan)は、企業の水資源関連リスクへの対策を支援するアーリーステージのWaterTechだ。 すでに、アマゾン、コカ…

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ネスレ、豪で「キットカット」にリサイクル可能な紙製パッケージを試験導

世界で最も人気のあるお菓子の1つであるネスレの「キットカット」のパッケージが、試験的にリサイクル可能な紙製パッケージとなる。この紙製パッケージは、オーストラリア…

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電池という新たな戦場

次の地政学的な争点は、グリーン・テクノロジーをめぐるものになるだろう。中国は現在、サプライチェーンを掌握する構えを見せている。 米国は他の多くの国と同じように、…

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エチオピア、空気センサーの導入で、アスリートのパフォーマンス向上を図る

エチオピアは、自国アスリートのパフォーマンス向上を目的に、よりクリーンな大気環境の整備に向けた投資を決定した。 世界有数のマラソン選手を輩出することで知られるエ…

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アマゾン、EV充電ステーションの検索・決済が「アレクサ」で可能に 米国

米アマゾンは、全米最大級のEV(電気自動車)向け公共高速充電ネットワークを展開する米EVgo社と提携し、アマゾンの音声機能「アレクサ」を活用したEV充電エクスペリエンス…

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スウェーデンの鉱山企業、欧州最大のレアアースの鉱床を発見

欧州最大のレアアース鉱床がスウェーデンの北極圏の町・キルナ近郊で発見された。これにより、ヨーロッパ大陸が、資源マーケットでの中国の支配から脱却できる可能性が出て…

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役目を終えたクリスマスツリーの行方 西ヨーロッパ

西ヨーロッパでは、1月6日にもなると、役目を終えたクリスマスツリーが町中に並び、ツリーで埋め尽くされる。 欧州では毎年、森に植え替えられる生きたクリスマスツリーの…

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タバコの吸い殻清掃費用はタバコ製造企業が負担 スペイン

スペインの道路や海岸には、喫煙者によって毎年数百万本のタバコの吸殻が捨てられている。スペインは新たな環境規制を公表し、タバコ製造企業がタバコの吸い殻の清掃費用を…

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カットされた髪の毛をリサイクル ベルギー

ベルギーの非営利団体Dung Dung ASBLは、ヘア・リサイクル・プロジェクトを通じて、循環型経済(サーキュラー・エコノミー)を支える廃棄物回収スキームを開発している。 …

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フィンランド 2022年の風力発電75%増

フィンランド風力エネルギー協会(FWPA)によると、2022年、フィンランドの風力発電容量は前年から75%増加した。同国の風力発電の約半分は国産で、現在のエネルギー危機の…

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アフリカ開発銀行グループ、チュニジアの太陽光発電所に3800万ドル融資

アフリカ開発銀行グループの理事会は、チュニジアのカイルアン(Kairouan)に建設される100MWの太陽光発電所への共同融資として、2700万ドルおよび1000万ユーロの融資パッ…

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ポルシェ、チリに合成燃料(e-Fuels)のパイロットプラントを開設

ポルシェは、国際パートナーであるハイリー・イノベイティブ・フューエル(Highly Innovative Fuels )のチリの事業者とともに、合成燃料の工業生産を開始した。 チリのデ…

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2022年、EUの太陽光発電は約50%増 最も多く設置した国は?

業界団体ソーラーパワー・ヨーロッパ(SolarPower Europe)が発表した最新の報告書によると、欧州の太陽光発電は2022年に、2021年に設置された2810万KWから47%増加したとい…

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埋立廃棄物をSAFに転換する米・廃棄物発電企業フルクラム・バイオエナジー社

米カリフォルニア州プレザントンを拠点とする廃棄物発電会社フルクラム・バイオエナジー社は、2022年12月20日、埋立地の廃棄物を活用し、低炭素の燃料の製造に成功した。同…

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インドネシアの気候目標 研究団体は「決定的に不十分」と厳しい評価

今年、インドネシアは気候目標を更新し、より排出量目標を引き上げたにもかかわらず、世界的な研究コンソーシアムからは「決定的に不十分」と指摘されている。 今年、イン…

家畜のメタンガス排出削減に取り組む 豪・Rumin8社

家畜のメタンガス排出削減に取り組む 豪・Rumin8社

牛のげっぷから排出されるメタンガスの削減に取り組む企業がある。オーストラリアのRumin8社だ。この気候テック(ClimaTech)はマイクロソフトの創業者・ビル・ゲイツ氏も支援する。

メタンガスは、地球温暖化をもたらす最大要因のひとつだ。人為的な農業を通じて排出されるメタンガスのうち、ざっくり言って約32%が、家畜の糞尿やげっぷ、オナラから発生するものだという。

豪州のスタートアップ企業・R

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企業の水リスクを測定・報告する米のSaaS企業:Waterplan社

米サンフランシスコを本拠とするウォータープラン社(Waterplan)は、企業の水資源関連リスクへの対策を支援するアーリーステージのWaterTechだ。

すでに、アマゾン、コカ・コーラ、ダノン、メタなどの顧客向けに、これら企業が事業を展開する地域における水資源リスクの影響を測定し、節水や汚染水排出の削減、水資源の保全に役立てるプラットフォームをソフトウェアとして提供する。

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ネスレ、豪で「キットカット」にリサイクル可能な紙製パッケージを試験導

ネスレ、豪で「キットカット」にリサイクル可能な紙製パッケージを試験導

世界で最も人気のあるお菓子の1つであるネスレの「キットカット」のパッケージが、試験的にリサイクル可能な紙製パッケージとなる。この紙製パッケージは、オーストラリアの西オーストラリア州、南オーストラリア州、ノーザンテリトリー州の全域で、「キットカット」の4フィンガーバー用として、期間限定で導入される。

ネスレは、オーストラリア現地の4大スーパーの1社、Coles社と提携si,
25万本以上の紙製キッ

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電池という新たな戦場

電池という新たな戦場

次の地政学的な争点は、グリーン・テクノロジーをめぐるものになるだろう。中国は現在、サプライチェーンを掌握する構えを見せている。

米国は他の多くの国と同じように、クリーンエネルギー革命を目指し、化石燃料からの転換を推進するため、EV(電気自動車)の製造や再生可能エネルギーへの投資を拡大している。

しかしこの産業は、すでに別の大国によって掌握されている。中国だ。リチウムイオン電池は、電気自動車から

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エチオピア、空気センサーの導入で、アスリートのパフォーマンス向上を図る

エチオピア、空気センサーの導入で、アスリートのパフォーマンス向上を図る

エチオピアは、自国アスリートのパフォーマンス向上を目的に、よりクリーンな大気環境の整備に向けた投資を決定した。

世界有数のマラソン選手を輩出することで知られるエチオピアは、アフリカ内のライバルともいえるケニアやウガンダと同様、大気モニタリングへの投資を開始した。こうした動きは、セネガル、ナイジェリア、南アフリカ、タンザニアでも見られる。

エチオピア陸上競技連盟(EAF)は、2023年に東アフリ

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アマゾン、EV充電ステーションの検索・決済が「アレクサ」で可能に 米国

アマゾン、EV充電ステーションの検索・決済が「アレクサ」で可能に 米国

米アマゾンは、全米最大級のEV(電気自動車)向け公共高速充電ネットワークを展開する米EVgo社と提携し、アマゾンの音声機能「アレクサ」を活用したEV充電エクスペリエンスを提供することを発表した。

EVドライバーは、「アレクサ」に頼んで、近くのEVgoの充電ステーションを検索しナビゲートしてもらったり、EVgoステーションでの充電の開始から決済までをシームレスに行えるようになる。両社は2023年の

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スウェーデンの鉱山企業、欧州最大のレアアースの鉱床を発見

スウェーデンの鉱山企業、欧州最大のレアアースの鉱床を発見

欧州最大のレアアース鉱床がスウェーデンの北極圏の町・キルナ近郊で発見された。これにより、ヨーロッパ大陸が、資源マーケットでの中国の支配から脱却できる可能性が出てきた。

スウェーデンの国営鉱業会社LKABが発見したこの鉱床には、100万トン以上のレアアースが埋蔵されている。LKABによると、キルナにある同社最大の鉱山のすぐ北側にあるこの鉱床の全容はまだわかっていないらしい。

同社のジャン・モスト

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役目を終えたクリスマスツリーの行方 西ヨーロッパ

役目を終えたクリスマスツリーの行方 西ヨーロッパ

西ヨーロッパでは、1月6日にもなると、役目を終えたクリスマスツリーが町中に並び、ツリーで埋め尽くされる。

欧州では毎年、森に植え替えられる生きたクリスマスツリーの鉢植えをレンタルする仕組みもあるが、居住地域によっては、そうもいかない。そこで毎年12月になると切り倒したツリーを購入する人も多い。切られたものの売りに出されない木も含めると、膨大な数の木が捨てられていることになる。

そこで、役目を終

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タバコの吸い殻清掃費用はタバコ製造企業が負担 スペイン

タバコの吸い殻清掃費用はタバコ製造企業が負担 スペイン

スペインの道路や海岸には、喫煙者によって毎年数百万本のタバコの吸殻が捨てられている。スペインは新たな環境規制を公表し、タバコ製造企業がタバコの吸い殻の清掃費用を負担しなければならないとの判決を下した。

この新規制は、廃棄物の削減とリサイクルを推進するEU全体の取り組みの一環として出されたもので、使い捨てのプラスチック製カトラリーやプラスチック製ストローの使用禁止も含まれる。ガーディアン紙によれば

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カットされた髪の毛をリサイクル ベルギー

カットされた髪の毛をリサイクル ベルギー

ベルギーの非営利団体Dung Dung ASBLは、ヘア・リサイクル・プロジェクトを通じて、循環型経済(サーキュラー・エコノミー)を支える廃棄物回収スキームを開発している。

このプロジェクトでは、全国の美容院でカットされた髪の毛を回収し、それを機械に投入することで、四角いマットを作り上げる。

このマットを排水溝に敷き詰めれば、河川に流れ込む前に水中の汚染物質を吸収できるほか、洪水による汚染問題

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フィンランド 2022年の風力発電75%増

フィンランド 2022年の風力発電75%増

フィンランド風力エネルギー協会(FWPA)によると、2022年、フィンランドの風力発電容量は前年から75%増加した。同国の風力発電の約半分は国産で、現在のエネルギー危機の中、再生可能エネルギーが重要な生命線となっている。

FWPAのアンニ・ミッコネン(Anni Mikkonen)会長は、「我が国のエネルギー自給率は風力発電によって非常に良いペースで高まっている。今はまさに、新しくて安価な電力生産

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アフリカ開発銀行グループ、チュニジアの太陽光発電所に3800万ドル融資

アフリカ開発銀行グループ、チュニジアの太陽光発電所に3800万ドル融資

アフリカ開発銀行グループの理事会は、チュニジアのカイルアン(Kairouan)に建設される100MWの太陽光発電所への共同融資として、2700万ドルおよび1000万ユーロの融資パッケージを承認した。本プロジェクトは、BOO(Build, Own and Operate)スキームの下で、容量100MWのグリーンフィールド太陽光発電(PV)プラントの設計・建設・運営を行うものだ。

今回の理事会での承

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ポルシェ、チリに合成燃料(e-Fuels)のパイロットプラントを開設

ポルシェ、チリに合成燃料(e-Fuels)のパイロットプラントを開設

ポルシェは、国際パートナーであるハイリー・イノベイティブ・フューエル(Highly Innovative Fuels )のチリの事業者とともに、合成燃料の工業生産を開始した。

チリのディエゴ・パルドウ・エネルギー相の出席の下、プンタ・アレナスにある「ハルオニ(Haru Oni)」パイロットプラントが12月22日、正式に開所した。風力エネルギーを利用して水と二酸化炭素から作られる合成燃料(e-Fu

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2022年、EUの太陽光発電は約50%増 最も多く設置した国は?

2022年、EUの太陽光発電は約50%増 最も多く設置した国は?

業界団体ソーラーパワー・ヨーロッパ(SolarPower Europe)が発表した最新の報告書によると、欧州の太陽光発電は2022年に、2021年に設置された2810万KWから47%増加したという。これは1240万世帯の電力に相当し、この1年で、太陽光による発電能力は25%増加したことになる。

「数字は明らかだ。エネルギー危機と気候危機のさなか、太陽光が生命線を提供している。太陽光ほど急速に、そ

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埋立廃棄物をSAFに転換する米・廃棄物発電企業フルクラム・バイオエナジー社

埋立廃棄物をSAFに転換する米・廃棄物発電企業フルクラム・バイオエナジー社

米カリフォルニア州プレザントンを拠点とする廃棄物発電会社フルクラム・バイオエナジー社は、2022年12月20日、埋立地の廃棄物を活用し、低炭素の燃料の製造に成功した。同社が米ネバダ州のシエラ工場において、埋立廃棄物を原料に、航空業界向けの輸送用燃料(SAF)として低炭素の合成原油を製造する開発に10年以上を費やしてきた。

同社のエリック・プライオー(Eric Pryor)CEOは、「当社にとって

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インドネシアの気候目標 研究団体は「決定的に不十分」と厳しい評価

インドネシアの気候目標 研究団体は「決定的に不十分」と厳しい評価

今年、インドネシアは気候目標を更新し、より排出量目標を引き上げたにもかかわらず、世界的な研究コンソーシアムからは「決定的に不十分」と指摘されている。

今年、インドネシアが国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)事務局に提出した最新の「国家決定貢献(NDC)」では、温室効果ガスのネットゼロを2060年までに達成し、CO2排出量については2030年までに単独で31.89%、国際支援を通じて43.2%削

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