見出し画像

スウェーデンの鉱山企業、欧州最大のレアアースの鉱床を発見

欧州最大のレアアース鉱床がスウェーデンの北極圏の町・キルナ近郊で発見された。これにより、ヨーロッパ大陸が、資源マーケットでの中国の支配から脱却できる可能性が出てきた。

スウェーデンの国営鉱業会社LKABが発見したこの鉱床には、100万トン以上のレアアースが埋蔵されている。LKABによると、キルナにある同社最大の鉱山のすぐ北側にあるこの鉱床の全容はまだわかっていないらしい。

同社のジャン・モストロム(Jan Mostrom)CEOは、業界の通常の許認可プロセスの時間軸を参考に、「実際に採掘を開始し、市場に原料を供給できるまでには少なくとも10〜15年かかるだろう」と言う。LKABは、2023年中に探鉱コンセッションを申請し、許認可取得の準備を進める。

希少なレアアースは、世界が化石燃料からの脱却を目指す上で、大きなハードルとなっている。中国と東南アジアの一部が、レアアースの採掘と加工の両方を支配しており、米国地質調査所のが2022年に発表した報告書によると、中国のレアアース酸化物保有量は約4400万トンで、2021年の生産量は前年の14万トンから増え、16万8000トンになったという。このことは特に、EUが再生可能エネルギーの主要プレーヤーとしての地位を確立する上で大きなボトルネックとなっている。

スウェーデンは、EUの再生可能エネルギー開発において重要な役割を担っており、欧州大陸の鉄鉱石の約90%をスウェーデンが供給している。そのほとんどが、北部にあるLKABの鉱山で採掘されたものだ。

スウェーデン地質調査所の上級地質学者であるエリック・ジョンソン(Erik Jonsson)氏は、今回のLKABによる発見は、欧州のレアアースに対する強いニーズを満たす上で、非常に重要な追加資源になることが証明されるはずだという。彼と同僚たちは以前、約3600万トンの金属含有量を評価したが、そのほとんどはグリーンランド南部の鉱床に固定されている。

(引用元)https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-01-12/swedish-miner-finds-europe-s-largest-rare-earth-deposit

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?