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アフリカ開発銀行グループ、チュニジアの太陽光発電所に3800万ドル融資

アフリカ開発銀行グループの理事会は、チュニジアのカイルアン(Kairouan)に建設される100MWの太陽光発電所への共同融資として、2700万ドルおよび1000万ユーロの融資パッケージを承認した。本プロジェクトは、BOO(Build, Own and Operate)スキームの下で、容量100MWのグリーンフィールド太陽光発電(PV)プラントの設計・建設・運営を行うものだ。

今回の理事会での承認は、世界銀行から1000万ドルと1000万ユーロを、そして世界銀行が運営するマルチドナー特別基金「アフリカ持続可能エネルギー基金(SEFA)」から1700万ドルの譲与的融資を受けるものだ。さらに世界銀行グループの国際金融公社(IFC)およびクリーン・テクノロジー・ファンド(CTF)からも、追加融資を受ける予定にある。

この100MW規模の太陽光発電所は、チュニジアの首都チュニスから南に約150km離れたケルアン北部地域エル・メトバスタに位置する。これは2019年にチュニジア政府が決定した5つの再生可能エネルギープロジェクトのうちの1つだ。本プロジェクトの管理は、ドバイに本社を置くAMEA Powerが開発したソシエテ・カイルアン・ソラー・プラント(Société Kairouan Solar Plant S.A.R.L.)が行う。

アフリカ開発銀行の電力・エネルギー・気候・グリーン成長担当の副総裁ケビン・カリウキ(Kevin Kariuki)博士は、「100MWのカイルアン太陽光発電プロジェクトは、現在チュニジアで開発中の他のグリッドベースの太陽光・風力独立発電プロジェクトの先駆けとなるだけでなく、非常に厳しい市場環境の中で過去3年間にわたって交渉された強固なサステナブル協定に支えられている。チュニジアの再生可能エネルギープロジェクトの銀行業務のベンチマークとなるだろう」と述べる。

アフリカ開発銀行でエネルギー金融ソリューション・政策・規制を担当するウェイル・ショニベール(Wale Shonibare)ディレクターは、「チュニジアで初の太陽光IPPプロジェクトを支援できることを嬉しく思う」と喜んだ。「チュニジア当局との数ヶ月にわたる交渉の結果、最高のバンカビリティ基準に達したこのプロジェクトを成功させることで、チュニジア政府の掲げる35%のクリーンエネルギー目標達成に近づけるだけでなく、今後のプロジェクトに向けても有益な雛形になるのではないか。」という。

世銀の再生可能エネルギー・エネルギー効率担当ディレクター兼SEFAを担当するダニエル・シュロス(Daniel Schroth)博士は、本プログラムにおけるSEFAの譲与的融資条件により、Covid-19関連のプロジェクトコスト増を吸収し、プロジェクトの経済性を許容レベルまで維持し、ファイナンシャルクローズを達成する可能性が高いと指摘する。「カイルアン太陽光発電プロジェクトは、アフリカのエネルギー転換を支援するSEFAの効果を象徴するものだ」と言う。

カイルアン太陽光発電プロジェクトは、チュニジアのNDC(国家決定貢献)と再生可能エネルギー源への移行によるCO2排出量削減目標に合致しているほか、アフリカ開発銀行の「アフリカのためのエネルギーに関するニューディール」や「ライトアップとパワーアフリカ」の戦略的優先順位(High-5)にも合致している。

(引用元)https://esgnews.com/african-development-bank-group-board-approves-27-million-and-e10-million-loans-for-kairouan-solar-plant/

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