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ポルシェ、チリに合成燃料(e-Fuels)のパイロットプラントを開設

ポルシェは、国際パートナーであるハイリー・イノベイティブ・フューエル(Highly Innovative Fuels )のチリの事業者とともに、合成燃料の工業生産を開始した。

チリのディエゴ・パルドウ・エネルギー相の出席の下、プンタ・アレナスにある「ハルオニ(Haru Oni)」パイロットプラントが12月22日、正式に開所した。風力エネルギーを利用して水と二酸化炭素から作られる合成燃料(e-Fuel)は、ガソリンエンジンを、ほぼカーボンニュートラルな形で運転することを可能にする。

「ポルシェは、e-モビリティとe-Fuelsを補完する「ダブルe」の道を歩むことを確約している。合成燃料の使用で、CO2排出量を削減できる。交通分野全体を見渡せば、合成燃料の工業生産は世界的に推進されるべきだ。合成燃料のパイロットプラントを通じて、ポルシェはこの分野の開発で主導的な役割を担う」。ポルシェで調達を担当するバーバラ・フレンケル取締役は言う。

「合成燃料(eFuels)の可能性は非常に大きい。現在、世界には内燃機関を搭載した自動車が13億台以上存在する。eFuelsは、既存の自動車の所有者に、ほぼカーボンニュートラルと言える代替手段を提供する」。ポルシェの開発・研究担当役員のミヒャエル・シュタイナー氏は、「高性能で効率の良いエンジンを製造するポルシェは、燃料分野でも幅広いノウハウを持っている」と強調する。

パイロット段階では、年間約13万リットル(34,342ガロン)の合成燃料の生産が計画されている。まずは、ポルシェ・モビール1スーパーカップやポルシェ・エクスペリエンス・センターなどのライトハウス・プロジェクトで使用していく。パイロット段階を経た後、今後5年間で年間5500万リットル(1453万ガロン)まで拡張し、その約2年後には、5億5,000万リットル(1億4,530万ガロン)の容量に拡張していく。

チリ南部は、1年のうち、270日ほど風が吹き、風力発電機をフル稼働できることから、合成燃料の生産には理想的な環境にある。また、今回パイロットプラントを設置したプンタ・アレナスはマゼラン海峡に近い位置にあり、カボ・ネグロ港からは、従来の燃料と同様に、既存インフラを利用して合成燃料を世界中に輸送できるという流通面でも利点がある。

ポルシェは、2030年までにバリューチェーン全体でのカーボンニュートラルを目指す。合成燃料は同社のサステナビリティ戦略の一部であり、電気モビリティを補完するものだ。ポルシェは、2022年4月にハイリー・イノベイティブ・フュエル・グローバルに7500万ドルを投じるなど、これまで合成燃料の開発と生産に1億ドル以上を投資してきた。ハイリー・イノベイティブ・フュエルは、チリ、米国、オーストラリアで合成燃料工場の計画・建設・運営を行う。

(引用元)https://esgnews.com/porsche-opens-efuels-pilot-plant-in-chile/


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